TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024177404
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2024174362,2020090883
出願日2024-10-03,2020-05-25
発明の名称ポリエステル基材の製造方法
出願人東洋クロス株式会社,東洋紡株式会社
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類C08J 11/06 20060101AFI20241212BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】離型層および剥離層を除去処理したポリエステル基材でありながら、離型層由来の樹脂の付着が非常に少なく、このポリエステル基材を再溶融してペレットにした場合にバージン品のペレットと同程度の品質を有するペレットにすることができるポリエステル基材の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエステル基材の少なくとも一方の面に、Siを含有する離型層を介して剥離層が積層されている積層体を、アルカリ性処理液と接触させることにより、前記ポリエステル基材から前記離型層および前記剥離層を剥離するアルカリ処理工程、を含むことを特徴とするポリエステル基材の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステル基材の少なくとも一方の面に、離型層を介して剥離層が積層されている積層体を、アルカリ性処理液と接触させることにより、前記ポリエステル基材から前記離型層および前記剥離層を剥離するアルカリ処理工程、
を含むことを特徴とするポリエステル基材の製造方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記アルカリ処理後のポリエステル基材と水とを接触させる水洗工程、
を更に含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記積層体は、ロール状に巻回されており、
前記アルカリ処理後のポリエステル基材と水とを接触させる水洗工程、および
前記水洗後のポリエステル基材をロール状に巻き取る巻回工程、
を更に含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記アルカリ処理工程は、70~150℃の温度で、0.5~60質量%のアルカリ性処理液と1秒~180分間接触させる請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル基材の少なくとも一方の面に、離型層を介して剥離層が積層されている積層体から離型層および剥離層を剥離してポリエステル基材を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、成形体などの表面加飾や修飾の方法として転写やインモールド成形による方法が広く使われている。中でも、単に図柄だけではなく、質感の変化を付与するために離型性基材上に多孔質層を設け、これを対象物に転写して対象物を外観だけではなく、あたかも革張りのような手触りにすることも提案されており、例えば、家電製品、携帯電話、モバイル機器、建材、家具、文房具、車輌用内装部品などに用いることができる。例えば、本発明者らは特許文献1に、離型基材上に湿式凝固法によって多孔質層を形成し、これを剥離してインモールド成形用シートとする方法を開示している。
【0003】
こうした転写や剥離用の積層ポリエステルフィルムを製造する過程では、ポリエステル基材の表面に離型層と、剥離・転写される層(以下、剥離層という)を積層した後に規格外となることがある。規格外となったフィルムは通常廃棄されるが、資源の有効利用のため、ポリエステル基材から離型層や剥離層を除去し、ポリエステル基材をリサイクルすることが望まれている。
【0004】
特許文献2には、合成樹脂よりなる基材から該基材上に設けられた異質の層を105℃以上のアルカリ水溶液中で除去した後、0.1質量%ないし10質量%の過酸化物を含有する水溶液により処理することによって上記異質の層を除去することが記載されている。具体的には、まず処理する基材を選別し、当該合成樹脂製の基材全体を予め適当な大きさのチップに裁断し、破砕してから、所定のアルカリ処理を行なうという所謂バッチ方式を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-291089号公報
特許第3270037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような、ポリエステル基材上に剥離層が設けられた積層体から剥離層を剥離する場合は、剥離層を物理的に除去した後、離型層をアルカリ処理することになるが、工程が複雑になるという問題があった。さらに、離型層は通常シリコーン系樹脂、アクリル樹脂など分解し難いものである上、通常ポリエステルフィルムとは易接着を介して強固に接着しており、ポリエステル基材の表面に離型層の一部が付着して残ることがあった。特に離型層にSi系の撥水剤が用いられている場合には離型層を除去することが困難であった。
【0007】
一方、ポリエステル基材をリサイクルするにあたっては、回収されたポリエステル基材を溶融、成形してペレットとし、得られたペレットを再度溶融してフィルム化している。そのためリサイクルに供するポリエステル基材の表面に離型層が付着していると、再生されたポリエステル基材に離型層由来の異物が混入すると考えられる。しかし、再生されたポリエステル基材に混入するこれらの異物については着目されていなかった。また、再生されたポリエステル基材を原料ポリエステルフィルムと同様の高精度の用途で用いるには、異物などの品質面で充分なものとは言えなかった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、離型層および剥離層を除去処理したポリエステル基材でありながら、離型層由来の樹脂の付着が非常に少なく、このポリエステル基材を再溶融してペレットにした場合にバージン品のペレットと同程度の品質を有するペレットにすることができるポリエステル基材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の構成は以下のとおりである。
[1] ポリエステル基材の少なくとも一方の面に、離型層を介して剥離層が積層されている積層体を、アルカリ性処理液と接触させることにより、前記ポリエステル基材から前記離型層および前記剥離層を剥離するアルカリ処理工程、を含むことを特徴とするポリエステル基材の製造方法。
[2] 前記アルカリ処理後のポリエステル基材と水とを接触させる水洗工程、を更に含む[1]に記載の製造方法。
[3] 前記積層体は、ロール状に巻回されており、前記アルカリ処理後のポリエステル基材と水とを接触させる水洗工程、および前記水洗後のポリエステル基材をロール状に巻き取る巻回工程、を更に含む[1]に記載の製造方法。
[4] 前記アルカリ処理工程は、70~150℃の温度で、0.5~60質量%のアルカリ性処理液と1秒~180分間接触させる[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
上記構成により、本発明によれば、ポリエステル基材の少なくとも一方の面に、離型層を介して剥離層が積層されている積層体からポリエステル基材を製造できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東ソー株式会社
延伸物
1か月前
東ソー株式会社
配管材
3か月前
東ソー株式会社
樹脂組成物
3か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
日本化薬株式会社
樹脂微粒子
2か月前
三菱ケミカル株式会社
テープ
2か月前
株式会社トクヤマ
樹脂組成物
1か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
2か月前
オムロン株式会社
電子部品
21日前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
2か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
2か月前
東ソー株式会社
エチレン系重合体
3か月前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
2か月前
花王株式会社
乳化組成物
2か月前
NOK株式会社
EPDM組成物
1か月前
東レ株式会社
繊維強化樹脂中空構造体
2か月前
住友精化株式会社
粘性組成物の製造方法
1か月前
JNC株式会社
白色熱硬化性樹脂組成物
2か月前
アイカ工業株式会社
メラミン樹脂発泡体
1か月前
株式会社スリーボンド
硬化性樹脂組成物
28日前
日本ポリプロ株式会社
プロピレン系重合体
21日前
第一工業製薬株式会社
熱可塑性樹脂組成物
2か月前
JNC株式会社
低誘電率樹脂形成用組成物
2か月前
株式会社カネカ
液状ポリオレフィン組成物
3か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
熱可塑性材料用組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
ゴム加硫物の製造方法
1か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
1か月前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
2か月前
東ソー株式会社
ポリカーボネート樹脂組成物
1か月前
花王株式会社
情報処理システム
28日前
愛媛県
リサイクル炭素繊維の回収方法
3か月前
ユニチカ株式会社
ポリアミック酸水性分散体
15日前
国立大学法人信州大学
ポリマー
1か月前
続きを見る