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公開番号2024177226
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2024168973,2021512749
出願日2024-09-27,2019-09-05
発明の名称対合していない可変ドメインを含む抗原結合分子
出願人カイマブ・リミテッド
代理人個人,個人
主分類A01K 67/0275 20240101AFI20241212BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】本発明が解決しようとする課題は、医薬品として用いることができる単一可変ドメイン抗体を提供することである。
【解決手段】本発明は、抗原を結合するための対合していない可変ドメイン、例えば、重鎖可変(VH)ドメインを含む抗体に関する。また、本発明は、2つの免疫グロブリン(Ig)鎖を含む抗体であって、第1のIg鎖が可変ドメイン及び定常ドメインを含み、第2のIg鎖が定常ドメインを含み、第2のIg鎖は可変ドメインを欠き、したがって、第1のIg鎖の可変ドメインを対合していない状態とする、抗体にも関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
抗原を結合するための対合していないヒトVHドメインを含む抗体を発現するBリンパ球を含む非ヒト動物であって、
動物のゲノムが、
CH1ドメインを含む免疫グロブリン定常領域をコードするDNAの上流に、可変ドメインをコードするように再構成することができる複数のヒト可変領域遺伝子セグメント、及び
可変領域遺伝子セグメントの機能的発現を欠くCLドメインをコードする遺伝子、又はλ5の免疫グロブリンドメインをコードする遺伝子
を含み、
抗体が、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含み、
各重鎖は、標的抗原を結合するための対合していないヒトVHドメインと、CH1ドメインを含む重鎖定常領域とを含み、
各軽鎖はCLドメインを含み、各軽鎖はVLドメインを欠き、それによって、VHドメインが対合していない状態となっている、
非ヒト動物。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
2つの対合していないVHドメインはアミノ酸配列が同一である、請求項1に記載の非ヒト動物。
【請求項3】
重鎖定常領域は、CH1ドメイン及び1つ又は複数の更なるCHドメインを含む、請求項1又は2に記載の非ヒト動物。
【請求項4】
重鎖定常領域は、CH1ドメイン、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含む、請求項3に記載の非ヒト動物。
【請求項5】
CLはCκである、請求項1から4のいずれか一項に記載の非ヒト動物。
【請求項6】
軽鎖はCLドメインからなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の非ヒト動物。
【請求項7】
重鎖定常領域はヒト重鎖定常領域である、及び/又は、CLはヒトのものである、請求項1から6のいずれか一項に記載の非ヒト動物。
【請求項8】
CLは配列番号4のヒトCκ配列を含む、請求項7に記載の非ヒト動物。
【請求項9】
シールドドメインは配列番号4のヒトCκ配列からなる、請求項8に記載の非ヒト動物。
【請求項10】
抗体はIgG又はIgMである、請求項1から9のいずれかに記載の非ヒト動物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗原を結合するための、対合していない抗体可変領域、例えば、対合していないVHドメインを含むポリペプチドに関する。本発明はまた、1つ若しくは複数の重鎖又は重鎖可変領域を含む抗体を発現する動物、例えば、マウスに関するものであり、抗体は、重鎖可変ドメインと対合して、対合している抗原結合部位を形成する軽鎖可変ドメインが無い。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
天然のヒト免疫グロブリンの抗原結合領域は、2種の可変ドメイン(重鎖可変(VH)ドメインと軽鎖可変(VL)ドメイン)から構成されており、これらが一緒に対合してFv領域を形成する。Fv領域は、可変アミノ酸配列の6つのループ(相補性決定領域(CDR))によってもたらされる抗原結合部位を有する。VHドメインはフレームワーク領域(FR)が散在するHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、VLドメインはFRが散在するLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。VHドメインの及び/又はVLドメインの1つ又は複数のCDRが抗原に結合する。結合は、VHドメインとVLドメインの両方のCDRによって、又は1つのドメイン単独のCDRによって媒介され得る。VHドメインのHCDR3は多くの場合抗原結合において主要な役割を果たしているが、双方のドメインのうちのその他のCDRが寄与する場合もあり、多くの場合寄与する。抗原がもっぱら又は主としてVHドメインのCDRに結合する場合でも、FvにおけるVLドメインの存在によって、機能的結合立体配座にあたってVHは安定化することができる。
【0003】
抗体可変ドメインは、Bリンパ球系統の細胞内の免疫グロブリン(Ig)遺伝子座での遺伝子セグメントの組み合わせ再構成を通してin vivoで生成されるが、このことにより、免疫系が遭遇する多様な免疫原性刺激に結合することが可能なコードされたアミノ酸配列のレパートリーがもたらされる。ヒトのIg重鎖遺伝子座は、ハプロタイプに応じて、およそ41の機能的V遺伝子セグメント、27の機能的D遺伝子セグメント及び6つの機能的J遺伝子セグメントを有する。VHドメインをコードする核酸は、V-D-J遺伝子セグメントの組換えによって生成される。V遺伝子セグメントは、FR1、HCDR1、FR2、HCDR2、FR3及びHCDR3の開始を含むポリペプチド鎖のN末端領域をコードするが、一方、D遺伝子セグメントはHCDR3に包含され、J遺伝子セグメントはHCDR3の端とC末端フレームワーク領域FR4を提供する。抗体レパートリーにおけるHCDR3配列の高度に可変である特質は、様々な多くのV、D及びJの各セグメントの再構成によって生成される組み合わせ多様性を反映している。ヒトは、カッパ(κ)及びラムダ(λ)の2種のIg軽鎖遺伝子座を有する。ヒトIg軽鎖遺伝子座は、ハプロタイプに応じて、およそ40の機能的Vκセグメント、5つの機能的Jκセグメント、29の機能的Vλセグメント及び4つの機能的Jλセグメントを有する。VLドメインをコードする核酸は、カッパ(κ)又はラムダ(λ)の遺伝子座のいずれかにて2つの遺伝子セグメントV及びJの組換えによって産生される。v遺伝子セグメントはFR1、LCDR1、FR2、LCDR2、FR3及びLCDR3の最初の部分をコードし、一方、J遺伝子セグメントはLCDR3の第2の部分及びFR4を形成する。V-D-JとV-Jの組換えから、及びVH/VLの対合から生じる組み合わせ多様性に加えて、更に、抗体配列の多様性は、遺伝子セグメントの接合点での接合部突然変異によって及び抗原結合に応答した体細胞超突然変異のin vivoプロセスによって生成される。
【0004】
WO90/05144(MRC社)では、VHドメインが、重鎖及び軽鎖を含む完全抗体から単離された場合、1:1の比率で且つ完全抗体分子の結合定数に相当する大きさの結合定数で抗原に結合できることが、開示された。
【0005】
ラクダ類(ラクダやラマを含む動物の科)は、VLの非存在下で、対合していないVHドメインと抗原を結合する抗体を自然に産生する。このような抗体は、免疫グロブリン軽鎖を完全に欠いているとともに、ホモ二量体重鎖から構成される二価バインダーであり、それぞれが抗原結合単一VHドメイン又は「VHH」ドメイン、ヒンジ領域、及びCH2ドメイン及びCH3ドメインを含む二量体化定常領域を含む。古典的な哺乳動物抗体の重鎖と相同であるが、このような「重鎖抗体」(「HCAb」)は、mRNAのプロセシング過程で切り出される定常領域(CH1)の第1のドメインを欠く(WO94/04678 Casterman & Hamers; WO96/34103 Hamers & Muyldermans)。
【0006】
類似の突然変異が、重鎖疾患として知られているヒトの病的状況で発生する。免疫グロブリン重鎖は、VH、CH2及びCH3の各ドメインを含むが、CH1ドメインを欠いて発現する。この疾患の患者では、軽鎖と対合して正常な抗体を形成する代わりに、重鎖が蓄積することが見いだされている。
【0007】
サメ等の軟骨魚も、重鎖で構成され、いかなる軽鎖をも欠く抗体を有する。こういった抗体はIgNAR(免疫グロブリン新抗原受容体)と称され、VNAR断片と呼ばれる単一ドメイン抗体の給源として使用されてきた。
【0008】
研究者らは、単一可変ドメイン抗体を医薬品に開発するために取り組んできた。ドメイン抗体(dAb)として知られるこれらの分子は、モノマーとして生理活性であり、そのサイズが小さいこと及び固有の安定性のせいで、より大きい分子に一体化して、血清半減期の延長及び/又は他の薬理活性を有する薬物を創製するのにも非常に適切である。抗体の単一可変ドメインを含む抗原結合分子として、免疫コンジュゲート(例えば、dAb毒素)及びキメラ抗原受容体(CAR)が挙げられる。この目的のため、抗体単一可変ドメインバインダーをクローニングし、組換え系で発現させ、そのようなバインダーのin vitroライブラリーを、ファージディスプレイ等の系を使用して選択及びスクリーニング用に生み出してきた。
【0009】
マウス等の実験動物を、単一の抗原結合可変ドメインの更なる供給源として重鎖抗体を発現するように遺伝子操作してきた。動物の内因性Ig軽鎖遺伝子座をノックアウト(欠失又は不活化)することから始めることができる(WO92/03918 Genpharm社; WO03/000737 The Babraham Institute社)。次いで、重鎖のみを発現させ、ホモ二量体化する(図1a)。しかし、重鎖のCH1ドメインは天然変性であり、その同族パートナーである軽鎖のCκドメイン又はCλドメインと相互作用したときのみに通常の免疫グロブリンフォールドを取る。Ig重鎖の発現は、CH1ドメインの誤った折畳みと凝集のせいで非生産的であると報告されてきた。それにもかかわらず、軽鎖欠失マウスでは、一部の機能的HCAbは、クラススイッチングメカニズムの変形形態を通して自発的に産生される。クラススイッチングでは、VHをコードする核酸は通常CH1-CH2-CH3定常領域をコードする核酸に連結するが、異常なメカニズムではVHはCH2-CH3のみに接合する。生成するHCAbは、ラクダ科のものと同様に、CH1ドメインを欠いており、このHCAbを抗原結合のために発現させ及び選択することができる。しかし、機能的HCAbはこの方法によって低効率でのみ生成するが、なぜなら、クラススイッチングの正常なメカニズムが優位を占め、CH1を含めて完全なIg重鎖を産生するからである。
【0010】
したがって、重鎖抗体を産生するのに使用されるマウス系統は、免疫グロブリン重鎖のCH1ドメインの遺伝子欠失及び軽鎖のノックアウトを有するように操作されてきた。このようなマウスは、二量体重鎖を含み、軽鎖を欠く抗体を産生し、各重鎖は、可変(VH)ドメインと定常領域CH2及びCH3とを有する。定常領域は二量体化してFc領域を形成し、一方、2つのVHドメインは二価抗原結合に利用できる(図1b)。標的抗原でマウスを免疫した後に、抗原に特異的な重鎖抗体を生成し、選択し、in vivoで親和性成熟を行い、そして単離することができる。次いで、VHドメインをコードする核酸を組換え発現させ、所望によりクローニングして、任意選択で、治療用途又は診断用途向けのCAR又はその他の製品等のより大きい分子という面において、VHドメインを含むポリペプチドを提供することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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