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公開番号2024163456
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-22
出願番号2023079062
出願日2023-05-12
発明の名称養殖システム
出願人個人
代理人個人,個人
主分類A01K 63/04 20060101AFI20241115BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】養殖水槽の水を効率良く浄化し、脱窒することができる養殖システムを提供する。
【解決手段】魚介類を養殖する養殖水槽(3)と、その水を浄化して養殖水槽(3)に戻す浄化装置とを備えた養殖システム(1)とし、浄化装置は、少なくとも生物ろ過装置(55)を備える。生物ろ過装置(55)は、主として好気性細菌により水を処理するようになっている好気性細菌処理槽(57)と、主として嫌気性細菌により水を処理するようになっている嫌気性細菌処理槽(58)と、二枚貝により水を処理するようになっている二枚貝処理槽(60)とを備えるようにする。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
魚介類を養殖する養殖水槽と、
前記養殖水槽の水を浄化して前記養殖水槽に戻す浄化手段と、を備え、
前記浄化手段は、少なくとも生物ろ過装置を備え、
前記生物ろ過装置は、主として好気性細菌により水を処理するようになっている好気性細菌処理槽と、主として嫌気性細菌により水を処理するようになっている嫌気性細菌処理槽と、二枚貝により水を処理するようになっている二枚貝処理槽とを備えている、養殖システム。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記浄化手段は、水耕植物を栽培する植栽槽を備え、
前記生物ろ過装置で浄化された水は、前記植栽槽に供給されて前記水耕植物の育成に利用され浄化されるようになっている、請求項1に記載の養殖システム。
【請求項3】
前記浄化手段は殺菌装置を備え、前記浄化手段において浄化された水を殺菌して前記養殖水槽に戻すようになっている、請求項1または2に記載の養殖システム。
【請求項4】
前記浄化手段は、前記養殖水槽において前記魚介類の排泄物や食べ残された餌からなる排泄・残存物を分離する排泄・残存物分離手段を備え、前記排泄・残存物が分離された水が前記生物ろ過装置に送られるようになっている、請求項1または2に記載の養殖システム。
【請求項5】
前記排泄・残存物分離手段は沈殿槽と泡沫分離装置とから構成され、前記沈殿槽は前記排泄・残存物を含む前記養殖水槽の水が入れられて前記排泄・残存物を沈殿させて分離するようになっており、前記泡沫分離装置は前記排泄・残存物を含む前記養殖水槽の水が入れられると共に直径30nm~200nmの空気の気泡が供給され、浮上した前記排泄・残存物が分離されるようになっている、請求項4に記載の養殖システム。
【請求項6】
前記養殖システムは、分離された前記排泄・残存物を餌として、昆虫および環形動物の少なくとも一方である排泄・残存物処理生物を飼育する排泄・残存物処理生物飼育槽を備え、前記排泄・残存物処理生物は前記魚介類の餌として与えられるようになっている、請求項4に記載の養殖システム。
【請求項7】
前記養殖水槽には熱交換器が設けられ、前記熱交換器には、畜産場の糞尿を発酵させる糞尿発酵設備における発酵熱あるいは工場における排熱を利用して加熱された熱媒体が送られると共に前記養殖水槽の水が送られ、前記熱媒体との間で熱交換して前記養殖水槽の水を加温するようになっている、請求項1または2に記載の養殖システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、魚介類を養殖する水槽を備えた養殖システムに関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
陸上に構築される魚介類の養殖システムは、海、河川、あるいは自然の湖沼と異なる人工的な設備において飼育水を貯水、循環させて魚介類を養殖する。飼育水を貯水し循環する人工的な設備は、水槽、養殖池等、いろいろな呼び名で呼ばれており、これらを総称して水槽と呼ぶことができる。養殖システムは、水槽に飼育水を貯水し、魚介類を飼育するようになっており、飼育水に酸素を供給する装置、魚介類に与える餌、魚介類から排出される糞等を除去する装置、等色々な装置が組み合わされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-040950号公報
【0004】
特許文献1には、魚介類を養殖する飼育水貯留槽すなわち水槽と、その下流に設けられ飼育水から固形物を除去するろ過装置と、ろ過された飼育水にエアレーションを施して汚れを除去する泡沫ろ過槽と、を備えた養殖システムが提案されている。このシステムには、微生物処理により飼育水を浄化する生物ろ過槽と、飼育水から窒素分を除去する脱窒装置とが設けられている。脱窒装置には、脱窒菌が定着可能なろ材が設けられ、ろ材で水がろ過されるときに脱窒菌の働きによって硝酸等が処理される。つまり脱窒される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の養殖システムは、飼育水から汚れを除去して飼育水の水質を維持することができ優れている。しかしながら、特許文献1に記載の養殖システムにも工夫の余地が見受けられる。生物ろ過槽では有機酸分解菌、硝化菌等の分解菌によって飼育水を浄化するようにしている。しかしながら、このような菌には好気性のものあるし、嫌気性のものもあるはずであるが、これらを区別して処理させていないように見受けられる。そうすると処理の能力が必ずしも十分に引き出されていない可能性がある。また脱窒についても工夫の余地が見受けられる。特許文献1に記載の養殖システムでは、脱窒装置が設けられ、硝酸等を除去するようになっているが、脱窒を行う脱窒菌はろ材に定着させるようにしている。しかしながら脱窒菌は取り扱いが難しく、ろ材に確実に定着させ、安定的に水を処理させるのは難しい。脱窒菌は嫌気領域においていわゆる還元ろ過を行って硝酸塩を窒素に分解するが、酸素がある場合に還元ろ過をしないからである。つまり必ずしも十分な脱窒が実施できる保証がない。
【0006】
本発明は、上記したような問題点を解決することを目的としている。すなわち、養殖水槽の水を効率良く浄化し、脱窒することができる養殖システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、魚介類を養殖する養殖水槽と、養殖水槽の水を浄化して養殖水槽に戻す浄化装置とを備えた養殖システムとし、浄化装置は、少なくとも生物ろ過装置を備えるように構成する。生物ろ過装置は、主として好気性細菌により水を処理するようになっている好気性細菌処理槽と、主として嫌気性細菌により水を処理するようになっている嫌気性細菌処理槽と、二枚貝により水を処理するようになっている二枚貝処理槽とを備えるようにする。
【0008】
本願の他の発明は、浄化装置は、水耕植物を栽培する植栽槽を備え、生物ろ過装置で浄化された水は、植栽槽に供給されて水耕植物の育成に利用され浄化されるように構成する。さらに他の発明は、浄化装置は殺菌装置を備え、浄化装置において浄化された水を殺菌して養殖水槽に戻すように構成される。また他の発明は、浄化装置は、養殖水槽において魚介類の排泄物や食べ残された餌からなる排泄・残存物を分離する排泄・残存物分離手段を備え、排泄・残存物が分離された水が生物ろ過装置に送られるように構成され、他の発明は、浄化装置は、分離された排泄・残存物を餌として、昆虫および環形動物の少なくとも一方である排泄・残存物処理生物を飼育する排泄・残存物処理生物飼育槽を備え、排泄・残存物処理生物は魚介類の餌として与えられるように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、魚介類を養殖する養殖水槽の水を浄化して養殖水槽に戻す浄化装置は、少なくとも生物ろ過装置を備えている。そして、生物ろ過装置は、主として好気性細菌により水を処理するようになっている好気性細菌処理槽と、主として嫌気性細菌により水を処理するようになっている嫌気性細菌処理槽と、二枚貝により水を処理するようになっている二枚貝処理槽とを備えている。好気性細菌による処理と、嫌気性細菌による処理とが分離されているので、それぞれの細菌が効率良く繁殖し水を浄化することができる。脱窒菌は、嫌気性細菌に分類される種類が多い。嫌気性細菌処理槽では確実に嫌気領域にされるので、脱窒菌が還元ろ過を実施して脱窒される。そして二枚貝は水質を浄化する能力が高く、二枚貝の中にも二枚貝と共生する細菌が含まれている。したがって、効率良く水を浄化することができる。
【0010】
本願の他の発明によると浄化装置は、水耕植物を栽培する植栽槽を備え、生物ろ過装置で浄化された水は、植栽槽に供給されて水耕植物の育成に利用され浄化される。したがって、さらに浄化された水が養殖水槽に戻されることになる。そして、他の発明は、浄化装置は殺菌装置を備え、浄化装置において浄化された水を殺菌して養殖水槽に戻すので、細菌がない清浄な水でないと養殖ができないような種類の魚介類であっても養殖することができる。さらに、養殖水槽において魚介類の排泄物や食べ残された餌からなる排泄・残存物を分離する排泄・残存物分離手段を備え、排泄・残存物が分離された水が生物ろ過装置に送られる発明は、排泄・残存物を予め除去した後に浄化するので、効率良く浄化できる。そして、分離された排泄・残存物を餌として、昆虫および環形動物の少なくとも一方である排泄・残存物処理生物を飼育する排泄・残存物処理生物飼育槽を備え、排泄・残存物処理生物は魚介類の餌として与える発明は、餌代を節約しコストを低減する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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