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公開番号2025028594
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133507
出願日2023-08-18
発明の名称害獣生体捕獲狭域収容システム
出願人個人
代理人
主分類A01M 23/02 20060101AFI20250221BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】エゾ鹿の生存本能を利用し、瞬時のパニック化と逃走出来ると錯覚させることで、人件費を極力掛けずに無傷にて大量に捕獲する捕獲設備とその捕獲方法を提供する。
【解決手段】害獣を餌で誘引し確保するための囲い領域Aと、囲い領域から脱出して逃げ込む生態捕獲狭域通路帯Bと、該通路帯から脱出した害獣を目的地まで輸送するための仕分け領域Cから構成される。内壁面に細鋼芯を設けた電磁開閉扉A2で囲い領域の出入口を瞬時に閉じることで害獣をパニック化させ、驚いた害獣を、逃げられると錯覚する見通しの良い透過性のある不可逆的一方向扉Baの脱出口へと追いやり、該脱出口に連結する周囲を半透明緩衝材Dで覆った狭小通路ブロック体B1からなる生態捕獲狭域通路帯を一方向に誘導し、最後に、移動時の害獣の身体を保護するための緩衝材からなる仕切壁で構成される害獣運搬コンテナ車輛Gへと誘導し、オス・メスに仕分けして捕獲する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
エゾ鹿(以下、害獣ES)を餌で誘引し確保するための囲い領域(A)と、囲い領域(A)から脱出して逃げ込む生態捕獲狭域通路帯(B)と、生態捕獲狭域通路帯(B)から出た害獣(ES)をコンテナ内で一方向に誘導しオスとメスに仕分けする仕分け領域(C)から構成される、害獣(ES)が逃走出来ると錯覚させて捕獲する害獣生体捕獲狭域収容システムであって、
囲い領域(A)は、害獣(ES)が越えられない高さの柵(A1)と、害獣(ES)が自由に出入りできる複数の害獣出入口(A3)と、害獣出入口(A3)を開閉するための内壁面に
細鋼芯
(A21)を設けた電磁開閉扉(A2)と、生態捕獲狭域通路帯(B)との境界に設けた害獣脱出口(A4)から構成され、
囲い領域(A)の外周囲に、囲い領域内の様子を監視して電磁開閉扉(A2)の開閉操作を行うためのモニター(M)を設置したことを特徴とする害獣生体捕獲狭域収容システム。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
生態捕獲狭域通路帯(B)は、害獣(ES)一固体が通過できる程度の幅の狭小通路ブロック体(B1)が複数個連結して成り、
害獣脱出口(A4)との境界の生態捕獲狭域通路帯(B)入口、及び仕分け領域(C)との境界の生態捕獲狭域通路帯(B)出口に、害獣(ES)が脱出方向に身体を押し付けて広がる透明性の不可逆的一方向扉(Ba)を配置するとともに、該一方向扉(Ba)の上部に害獣(ES)の頭部及びツノが脱出の障害とならない程度の隙間空間(Bb)を設け、狭小通路ブロック体(B1)の側面及び天井を半透明緩衝材(D)で被覆して成ることを特徴とする請求項1に記載の害獣生体捕獲狭域収容システム。
【請求項3】
仕分け領域(C)は、害獣(ES)を搭載する害獣運搬コンテナ車輛(G)であって、仕分け領域(C)の入口は、害獣(ES)が脱出方向に身体を押し付けて広がる不可逆的一方向扉(Ba)を有する生態捕獲狭域通路帯(B)出口に接続され、
害獣運搬コンテナ車輛(G)のコンテナ内部は、害獣(ES)のオス、メスを仕分けするためのコンテナ入口雌雄振り分け扉(C1)と、害獣(ES)を一方向に列し、かつ、移動時に害獣(ES)の身体を保護するための半透明緩衝材(D)からなる連結仕切壁(D4)と、で構成されることを特徴とする請求項2に記載の害獣生体捕獲狭域収容システム。
【請求項4】
モニター(M)で害獣(ES)の採餌状況を確認しながら害獣出入口(A3)を閉鎖し、その閉鎖音と電磁開閉扉(A2)の錐状細鋼芯(A21)により害獣(ES)をパニック化させることで、害獣脱出口(A4)から狭小通路ブロック体(B1)へと害獣(ES)を自ら侵入させ、
生態捕獲狭域通路帯(B)入口の不可逆的一方向扉(Ba)と半透明緩衝材(D)で覆われた狭小通路ブロック体(B1)にて、逆戻り出来ずに列をなして次の不可逆的一方向扉(Ba)を介して害獣運搬コンテナ車輛(G)へと誘導・捕獲し、そのコンテナ内でオス、メスに振り分け、そのまま目的地に輸送することを特徴とする請求項3に記載の害獣(ES)の害獣生体捕獲狭域収容システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、害獣を自ら狭域檻に侵入させて拘束する捕獲設備とその捕獲方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
生ある動物の生きるべき基本的本能は食べることに尽きる。このため、鹿等の害獣(ES)は、餌を求め、人間が幾度追い払っても人の気配が無くなる夕方から夜半にかけて危険を承知で警戒しながら行動が活発化する。その証拠に、鹿と交通機関との衝突事故が頻繁になる時間帯であるとの注意喚起がされている。
【0003】
憂慮すべきは、銃による痛ましい誤射事故が毎年必ず発生しており、こうした悲惨な事故を少しでも無くす環境作りに、寄与したいとする思いも本発明の目的の一つでもある。また、銃にて獲ったエゾ鹿の不必要な部位を山間部等に放置する実態があり、行政はこれを入れる容器を設置しているが、運搬にそもそも難があるため使用される事は少ない。その為、春先の雪解け時にクマや肉食系動物に発見され、食べられてしまうため、生態系に変化がおきている。その根拠の一例として、冬眠すべきクマがスキー場に現れ、スキー場が閉鎖されるというニュースが報道されたり、又、道東の鹿の多い地域において、クマの冬眠開けが早くなり、巨大なクマが目撃され、射殺されている現実がある。こうしたクマの増加傾向により、縄張りを持てない若いクマが東京以北、最大の都市の札幌市住宅街に現れ、人が襲われる映像においては札幌在住の考案者だけでなく、一般市民にとっても驚愕し恐怖さえ感じる事態となっている。又、肉食より草食に特化していたクマが、鹿の拡大生息で肉の味を覚え、春クマの駆除も無くなり食物連鎖が瓦解している現状を戻す意味において餌となる鹿の生息数を減らす必要があり、本発明の主目的と言える。
【0004】
また、道東のエゾ鹿牧場では、牧場内で飼われている鹿より、餌を求めて牧場周りに群れる野生エゾ鹿の方が多い事や牧場内の鹿の数が翌朝になると増えていたという事が事実として報告がされている、これらはエゾ鹿の樹皮食いも含め、いかに冬期間になると採餌できず飢えていることを示すものである。
【0005】
一方、エゾ鹿を資源ととらえ、エゾ鹿の肉の流通拡大やブランド化の取組み、具体的には、野生のエゾ鹿を生きたまま捕らえ、専用の牧場で一時的に飼育し、併設された施設で食肉処理することがすでに実施されており、養鹿する前提として野生のエゾ鹿を生きたまま捕獲(生体捕獲)するための囲い罠が提案されている(非特許文献1、2参照)。
【0006】
非特許文献1に記載の前田一歩園財団による囲い罠は、近隣の山に柵(網)等からなる囲いを設け、この囲いの中に牧草等の餌を点在配置して害獣(ES)を誘引し、主に害獣(ES)の樹皮食い防止を目的とした捕獲システムがある。該捕獲システムでは、柵内に嗜好餌(干草・ビートの搾り滓ブロック・えん麦・家畜の飼料等)を配置して、採餌状況を日々確認しながら、入口の柵を人的に落下させて鹿を柵内に押し止め、5~6人の勢子によりブルーシートや幕や網等を用い、逃走を阻止しながら、最奥の狭い檻に追込んで生体捕獲している。しかしながら、こうした捕獲方法は餌付けから捕獲までに多くの人員を要し、勢子による檻追込み作業に至るまでの待ち時間などを考えると、これらに掛かるトータル人件費は膨大であり、更に、雄鹿が興奮し、反撃されるなど非常に危険を伴うことから、広大な北海道では現実的に実行し難い捕獲方法である。
【0007】
また、非特許文献3の「囲い罠によるエゾシカ捕獲の手引」においては、囲い罠の推奨すべき捕獲構造として、開放式と湾曲式を上げており、開放式の具体例として、進行方向に明かり(外が見える)透過性を有する構成であること、また、湾曲式の具体例として、その先に行くと逃げられると思い、追い込みしやすい構造である事、などが実証データーに基づき記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
新井田利光ら:囲いワナを用いたエゾシカの捕獲、「北方林業」Vol59 No.5(2007)
安井雄祐:エゾシカ囲いワナの開発、「コンサルタンツ北海道」No.136(2015.5)
地方独立行政法人北海道立総合研究機構ら:「囲い罠によるエゾシカ捕獲の手引」令和3年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記非特許文献1、2の課題に鑑みなされたもので、非特許文献3に記載の推奨すべき囲いワナの構造を参考に、さらに、下記に示すエゾ鹿の習性、いわゆる「生きる為に食べ、生きる為に逃げる。」と言った二つの本能、を利用してエゾ鹿(害獣)との共存と適正数のコントロールを第一に考えた、人里近辺に出没する害獣(ES)のみを人件費を極力掛けずに無傷にて大量に捕獲しようとする捕獲設備とその捕獲方法を提供することにある。
【0010】
エゾ鹿(ES)はオスを中心に通常五~八頭前後のグループを構成しており、繁殖期以外他のオス鹿と争うことも無く、食べ終わると元の安全を担保される害獣生活圏に戻り、反芻するのが常である。エゾ鹿(ES)の居なくなった採場餌には、別のグループが採餌のために現れて採餌する。この事は北海道の池田町で山二つを、木柱の電信柱にて囲って、エゾ鹿牧場を作った佐藤健二氏(故人)にその実態を見学させて頂き、争うこと無く準じて採餌する実態を考案者は確認している。この他、柵を乗り越えられないメス鹿が、行く手を遮るフェンスに頭を入れ、後ろの股間の足が抜けずにいる映像があり、頭が入れば出られると錯覚する習性。また、くくり罠にかかった周りの木々や地面が掘られたり、草木が倒されたりして、何とか逃げたいとする鹿の行動。さらに、出口を閉鎖して強制的に追い込もうとすると、オス鹿は恐怖から人間への敵対心をむき出しにして、逃げる事より攻撃行動をとる事等も報告されている。
(【0011】以降は省略されています)

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