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公開番号
2024177205
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2024167985,2023130599
出願日
2024-09-27,2019-09-09
発明の名称
ソレノイド、電磁弁、及び緩衝器
出願人
カヤバ株式会社
,
株式会社タカコ
代理人
個人
主分類
H01F
7/16 20060101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 ソレノイドへの供給電流量が小さい場合に対象物に与えるソレノイドの推力を小さくできるとともに、ソレノイドの非通電時にも通電時の推力と同方向へ対象物を附勢できるソレノイド、電磁弁、及び緩衝器を提供する。
【解決手段】 ソレノイドS1がコイルの軸方向の一端側と他端側に位置する第一固定鉄心5及び第二固定鉄心6と、これらの間に位置してコイルへの通電により第一固定鉄心5と第二固定鉄心6にそれぞれ吸引される第一可動鉄心7及び第二可動鉄心8と、第一可動鉄心7を第二固定鉄心6側へ付勢するばね9とを備え、第一可動鉄心7は内外二重に配置される内筒部及び外筒部と内筒部と外筒部の一端をつなぐ連結部と内筒部の他端に位置する内側底部とを有し、第二可動鉄心8は有底筒状で外側底部と外側底部の外周縁に起立する中間筒部とを有し外側底部を第二固定鉄心側へ向けて中間筒部を外筒部の内側に摺動可能に挿入している。
【選択図】 図7
特許請求の範囲
【請求項1】
コイルと、
前記コイルの軸方向の一端側に位置する第一固定鉄心と、
前記第一固定鉄心と間隙をもって前記コイルの軸方向の他端側に位置する第二固定鉄心と、
前記第一固定鉄心と前記第二固定鉄心との間に配置されて、前記コイルへの通電により前記第一固定鉄心に吸引される第一可動鉄心と、
前記第一固定鉄心と前記第二固定鉄心との間に配置されて、前記コイルへの通電により前記第二固定鉄心に吸引される第二可動鉄心と、
前記第一可動鉄心を前記第二固定鉄心側へ付勢するばねとを備え、
前記第一可動鉄心は、内外二重に配置される内筒部及び外筒部と、前記内筒部と前記外筒部の軸方向の一端をつなぐ連結部と、前記内筒部の他端に位置する内側底部とを有し、
前記第二可動鉄心は、有底筒状で、外側底部と、前記外側底部の外周縁に起立して内径が前記内筒部の外径より大きい中間筒部とを有し、前記外側底部を前記第二固定鉄心側へ向けて前記中間筒部を前記外筒部の内側に摺動可能に挿入しており、
前記ばねは、一端側が前記内筒部の内側に挿入されて、前記内側底部と前記第一固定鉄心との間に介装されている
ことを特徴とするソレノイド。
続きを表示(約 440 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のソレノイドを備えて圧力制御通路の途中に設けられる電磁弁であって、
前記圧力制御通路を開閉する弁体を備え、
前記ソレノイドは、前記コイルへの通電時に生じる前記第二可動鉄心を前記第二固定鉄心側へ吸引する力を前記弁体に前記圧力制御通路を閉じる方向へ付与する
ことを特徴とする電磁弁。
【請求項3】
請求項2に記載の電磁弁を備える緩衝器であって、
シリンダと、
前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッドと、
前記シリンダと前記ロッドが軸方向へ相対移動する際に液体が流れる主通路と、
前記主通路を開閉する主弁体と、
途中に絞りが設けられて、前記主通路の前記主弁体より上流側の圧力を前記主弁体の背面に減圧して導く圧力導入通路と、
前記圧力導入通路の前記絞りより下流に接続されて、前記電磁弁が設けられる前記圧力制御通路とを備えている
ことを特徴とする緩衝器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドと、ソレノイドを備えた電磁弁と、ソレノイドを含む電磁弁を備えた緩衝器に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ソレノイドの中には、コイルと、コイルへの通電により磁界が発生すると、磁束が流れてコイルの軸方向の一方へ引き寄せられる可動鉄心とを備え、この可動鉄心を引き寄せる力を推力として他の部材(対象物)に付与するとともに、その推力を通電量に応じて変更できるものがある。このようなソレノイドは、例えば、電磁弁に利用されている。
【0003】
そして、その電磁弁の中には、圧力制御通路の途中に設けられ、ソレノイドの他に、圧力制御通路を開閉する弁体と、この弁体を開く方向へ付勢するばねとを備え、ソレノイドで弁体に閉じる方向の推力を与えるものがある。この電磁弁によれば、ソレノイドへ供給する電流量を増やすほど電磁弁の開弁圧が高くなり、電磁弁の上流側の圧力を高められる。このような電磁弁は、例えば、緩衝器に利用されている。
【0004】
そして、その緩衝器の中には、電磁弁の他に、緩衝器の伸縮時に液体が流れる主通路と、この主通路を開閉する主弁体とを備え、主弁体の背面に形成される背圧室に電磁弁を設けた圧力制御通路を接続するものがある。この緩衝器によれば、ソレノイドへ供給する電流量を増やして電磁弁の開弁圧を高くするほど主弁体の背圧(背圧室の圧力)が高くなり、発生する減衰力を大きくできる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-173716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、緩衝器が車両のサスペンション等に利用される場合、車両が良路を走行する通常走行時の乗り心地を良好にする上では、通常走行時に発生する減衰力を小さくするのが好ましい。そして、従来のソレノイドを含む電磁弁を備えた緩衝器では、ソレノイドへ供給する電流量を小さくしたときに発生する減衰力を小さくできるので、通常走行時の消費電力を抑えて節電できる。とはいえ、従来の緩衝器において、ソレノイドへの通電が断たれるフェール時に電磁弁が全開となって主弁体の背圧が最小となってしまっては、フェール時の減衰力が不足してしまう。
【0007】
このため、特開2014-173716号公報に記載の緩衝器に設けられる電磁弁の弁体は、圧力制御通路を開閉する二つの開閉部を有する。そして、一方の開閉部がばねによって開く方向へ付勢されるとともに、ソレノイドによって閉じる方向の推力を付与される圧力制御時の開閉部として機能する。その一方、他方の開閉部は、ソレノイドの非通電時にばねの付勢力によって一方の開閉部が全開となった状態で、圧力制御通路における一方の開閉部で開閉される部分より下流側を閉じる。
【0008】
さらに、上記緩衝器は、圧力制御通路における一方の開閉部で開閉される部分と他方の開閉部で開閉される部分の間に接続されて、途中にパッシブ弁を設けたフェール通路を備えている。これにより、ソレノイドの非通電時に電磁弁における他方の開閉部で圧力制御通路が閉塞されると、背圧室の液体がフェール通路を通過するようになり、主弁体の背圧がパッシブ弁の開弁圧に設定される。このため、従来の緩衝器においても、フェール時に緩衝器の減衰力が不足しない。
【0009】
しかし、上記緩衝器のように、背圧室に接続されて主弁体の背圧を設定する通路として、圧力制御通路とフェール通路の二つを設け、ソレノイドの通電時と非通電時とで背圧室に接続される通路を切換えるようにしたのでは、緩衝器の構造が複雑化してコストがかかる。そうかといって、電磁弁の弁体をばねで閉じる方向へ付勢し、ソレノイドで弁体へ開く方向の推力を与えるようにした場合、ソレノイドの通電時と非通電時とで背圧室に接続される通路を切換える必要はないものの、発生する減衰力を小さくする場合にソレノイドへ供給する電流量を大きくしなければならず、通常走行時の消費電力が大きくなってしまう。
【0010】
つまり、ソレノイドが緩衝器の減衰力を可変にする電磁弁に利用される場合等には、ソレノイドへ供給する電流量が小さい場合に弁体等の対象物に与える推力を小さくするとともに、ソレノイドの非通電時にも、上記推力と同方向へ対象物を付勢したい場合があるが、従来のソレノイドでは、そのようにはできない。このため、従来のソレノイドを緩衝器の減衰力を可変にする電磁弁に利用した場合には、緩衝器の構造が複雑になったり、車両の通常走行時の消費電力が大きくなったりする問題がある。
(【0011】以降は省略されています)
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