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公開番号2024176905
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095768
出願日2023-06-09
発明の名称通信用アンテナを備えたドローンおよびこのドローンを用いた監視システム並びに監視方法
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類H01Q 1/27 20060101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】監視対象物に設置されたパッシブ型のICタグとの無線通信をより良好な状態に維持でき、かつ、軽量化されたアンテナを備えたドローンおよびこのドローンを用いた監視システム並びに監視方法を提供する。
【解決手段】通信機6を構成するアンテナ7が、反射板9の下面に2枚のアンテナ素子8が並置された2素子型パッチアンテナであり、反射板9および各アンテナ素子8を厚さ3mm以下のアルミニウム合金板で形成し、反射板9の中央部の各アンテナ素子8の間の位置に形成されたカメラ用貫通穴9aが平面視でドローン1の中央部に位置するように反射板9をドローン1に設置し、ドローン1を真下から見上げた視野では、反射板9及び各アンテナ素子8が現れていて、反射板9の上方に配置されたカメラ装置5は、カメラ用貫通穴9aを通じてドローン1の下方の画像データを取得する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
監視対象物に設置されているパッシブ型のICタグとの無線通信に使用されるアンテナを備えた通信機およびカメラ装置が搭載されたドローンにおいて、
前記アンテナが、反射板とこの反射板の下面に間隔をあけて並置されている2枚の板状のアンテナ素子とを有する2素子型パッチアンテナであり、
前記反射板およびそれぞれの前記アンテナ素子は厚さ3mm以下のアルミニウム合金板で形成されていて、
前記反射板の中央部のそれぞれの前記アンテナ素子の間に相当する位置にカメラ用貫通穴が形成されていて、
前記反射板は前記カメラ用貫通穴が平面視で前記ドローンの中央部に位置するように前記ドローンに設置されていて、前記ドローンを真下から見上げた視野では前記反射板およびそれぞれの前記アンテナ素子が現れていて、
前記カメラ装置は前記反射板の上方に配置されていて、前記カメラ用貫通穴を通じて前記ドローンの下方の画像データが前記カメラ装置により取得される構成にしたドローン。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記反射板およびそれぞれの前記アンテナ素子の合計質量が1.2kg以下である請求項1に記載のドローン。
【請求項3】
前記反射板は、その周縁部が下方に折り曲げられた形状である請求項1または2に記載のドローン。
【請求項4】
前記反射板に、前記カメラ用貫通穴とは別に上下に貫通する通気孔が多数形成されている請求項1または2に記載のドローン。
【請求項5】
請求項1または2に記載のドローンと、前記監視対象物に設置されている前記ICタグと、無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得された監視用データが入力される演算装置とを備えた監視システムであって、
前記ICタグには、前記監視対象物の状態を検知するセンサ部による検知データが記憶されていて、無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得された前記検知データが前記監視用データとして使用されて、前記監視用データに基づいて前記演算装置により前記監視対象物の状態が判断される監視システム。
【請求項6】
前記監視対象物がマリンホースである請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
請求項1または2に記載のドローンと、前記監視対象物に設置されている前記ICタグと、無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得された監視用データが入力される演算装置とを用いた監視方法であって、
前記監視対象物の状態を前記監視対象物に設置されたセンサ部により検知して、前記センサ部による検知データを前記ICタグに記憶しておき、前記検知データを無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得して、この検知データを前記監視用データとして使用して、前記監視用データに基づいて前記演算装置により前記監視対象物の状態を判断する監視方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象物に設置されたパッシブ型ICタグとの通信用アンテナを備えたドローンおよびこのドローンを用いた監視システム並びに監視方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ドローンに搭載された通信機を利用して、マリンホースに設置されているパッシブ型のICタグからマリンホースでの圧力データを取得し、この圧力データに基づいて流体漏れの有無が判断される監視システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。パッシブ型のICタグと通信機との間の無線通信距離は概ね2m以下である。そのため、この無線通信をする際には、通信機のアンテナがICタグの例えば2m以内になるように、ドローンをICタグに近接した上方位置に位置決めしてホバリングする必要がある。したがって、アンテナはドローンに対してできるだけ下方位置に設置することが望ましく、また、ICタグとの無線通信距離を大きくできるアンテナ仕様が望ましい。
【0003】
ドローン操縦者は、ドローンに搭載されたカメラ装置による画像データを参照してドローンをICタグに近接した上方位置に位置決めする。そのため、カメラ装置が画像データを取得する際に、ドローンに搭載されたアンテナが邪魔になる位置に存在しないことが必要である。また、カメラ装置の存在によって、アンテナとICタグとの無線通信に悪影響が生じないようにすることも必要になる。さらには、ICタグとの無線通信距離を大きくできるアンテナ仕様であっても、アンテナの重量が増大するに伴ってドローンの荷重負担が大きくなるので飛行可能時間が短くなる。それ故、ドローンに搭載されるアンテナを軽量化しつつ、このアンテナとICタグとの無線通信を良好な状態に維持して、ICタグから監視用データをより確実に取得するには改善の余地ある。尚、このようにドローンに搭載された通信機を利用してパッシブ型のICタグから取得したデータに基づいて監視することは、マリンホースに限らず他の監視対象物に対しても適用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-46929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、監視対象物に設置されたパッシブ型のICタグとの無線通信をより良好な状態に維持でき、かつ、軽量化されたアンテナを備えたドローンおよびこのドローンを用いた監視システム並びに監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明のドローンは、監視対象物に設置されているパッシブ型のICタグとの無線通信に使用されるアンテナを備えた通信機およびカメラ装置が搭載されたドローンにおいて、前記アンテナが、反射板とこの反射板の下面に間隔をあけて並置されている2枚の板状のアンテナ素子とを有する2素子型パッチアンテナであり、前記反射板およびそれぞれの前記アンテナ素子は厚さ3mm以下のアルミニウム合金板で形成されていて、前記反射板の中央部のそれぞれの前記アンテナ素子の間に相当する位置にカメラ用貫通穴が形成されていて、前記反射板は前記カメラ用貫通穴が平面視で前記ドローンの中央部に位置するように前記ドローンに設置されていて、前記ドローンを真下から見上げた視野では前記反射板およびそれぞれの前記アンテナ素子が現れていて、前記カメラ装置は前記反射板の上方に配置されていて、前記カメラ用貫通穴を通じて前記ドローンの下方の画像データが前記カメラ装置により取得される構成にしたことを特徴とする。
【0007】
本発明の監視システムは、上記のドローンと、前記監視対象物に設置されている前記ICタグと、無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得された監視用データが入力される演算装置とを備えた監視対象物の監視システムであって、前記ICタグには、前記監視対象物の状態を検知するセンサ部による検知データが記憶されていて、無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得された前記検知データが前記監視用データとして使用されて、前記監視用データに基づいて前記演算装置により前記監視対象物の状態が判断されることを特徴とする。
【0008】
本発明の監視方法は、上記のドローンと、前記監視対象物に設置されている前記ICタグと、無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得された監視用データが入力される演算装置とを用いた監視対象物の監視方法であって、前記監視対象物の状態を前記監視対象物に設置されたセンサ部により検知して、前記センサ部による検知データを前記ICタグに記憶しておき、前記検知データを無線通信により前記ICタグから前記通信機により取得して、この検知データを前記監視用データとして使用して、前記監視用データに基づいて前記演算装置により前記監視対象物の状態を判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のドローンによれば、前記ドローンに搭載される前記通信機を構成する前記アンテナとして2素子型パッチアンテナを採用し、前記反射板およびそれぞれの前記アンテナ素子は厚さ3mm以下のアルミニウム合金板で形成されているので、前記アンテナの軽量化を図りつつ、前記ICタグとの無線通信距離を大きくし易くなっている。そして、前記ドローンを真下から見上げた視野では前記反射板およびそれぞれの前記アンテナ素子が現れていているので、前記アンテナは、前記カメラ装置や前記通信機の他の部品などに遮られることなく、前記ICタグと無線通信できる。
【0010】
前記反射板の中央部のそれぞれの前記アンテナ素子の間に相当する位置に形成されている前記カメラ用貫通穴が、平面視で前記ドローンの中央部に位置している。また、前記反射板の上方に配置されている前記カメラ装置は、前記カメラ用貫通穴を通じて前記ドローンの下方の画像データを取得するので、ドローン操縦者はこの画像データを参照することで、前記ドローンを前記ICタグに近接した上方位置に精度よく位置決めしてホバリングするには有利になる。その結果、前記ICタグと前記アンテナとの無線通信をより良好な状態に維持することが可能になり、前記監視対象物の状態を示すデータを前記ICタグからより確実に取得するには有利になる。
(【0011】以降は省略されています)

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