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公開番号2024176214
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094595
出願日2023-06-08
発明の名称異常検出装置および異常検出方法
出願人カナデビア株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E02B 7/20 20060101AFI20241212BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】脚柱の温度を考慮して脚柱の異常を適切に検出する。
【解決手段】異常検出装置40は、スキンプレートが複数の脚柱により支持されるラジアルゲートにおいて、脚柱の異常を検出する装置である。異常検出装置40は、複数の脚柱に含まれる一の脚柱を注目脚柱として、注目脚柱にかかる応力を示す応力評価値を測定する評価値測定部46と、注目脚柱の温度を測定する脚柱温度測定部47と、注目脚柱の温度から導かれる温度関連値と、注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す温度-応力情報421を記憶する記憶部42と、脚柱温度測定部47による注目脚柱の温度の測定値を用いて温度-応力情報421を参照することにより、注目脚柱の応力評価値の正常値を特定し、評価値測定部46による注目脚柱の応力評価値の測定値と、当該正常値とを比較することにより、異常の有無を判定する判定部41とを備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
スキンプレートが複数の脚柱により支持されるラジアルゲートにおいて、脚柱の異常を検出する異常検出装置であって、
前記複数の脚柱に含まれる一の脚柱を注目脚柱として、前記注目脚柱にかかる応力を示す応力評価値を測定する評価値測定部と、
前記注目脚柱の温度を測定する脚柱温度測定部と、
前記注目脚柱の温度から導かれる温度関連値と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す温度-応力情報を記憶する記憶部と、
前記脚柱温度測定部による前記注目脚柱の温度の測定値を用いて前記温度-応力情報を参照することにより、前記注目脚柱の応力評価値の正常値を特定し、前記評価値測定部による前記注目脚柱の応力評価値の測定値と、前記正常値とを比較することにより、異常の有無を判定する判定部と、
を備える異常検出装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の異常検出装置であって、
前記脚柱温度測定部が、前記注目脚柱を含む2以上の脚柱の温度を個別に測定し、
前記温度関連値が、前記2以上の脚柱の温度から導かれ、
前記判定部が、前記2以上の脚柱の温度の測定値を用いて、前記注目脚柱の応力評価値の前記正常値を特定する異常検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の異常検出装置であって、
前記温度関連値が、前記注目脚柱を含む2つの脚柱の温度差である異常検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の異常検出装置であって、
前記ラジアルゲートの水位を測定する水位計をさらに備え、
前記記憶部が、複数の水位における前記関係を示す複数の温度-応力情報を記憶し、
前記判定部が、前記正常値の特定に利用する温度-応力情報を、前記水位計による水位の測定値を用いて前記複数の温度-応力情報から選択する異常検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の異常検出装置であって、
前記ラジアルゲートの水位を測定する水位計をさらに備え、
前記温度-応力情報が、一定の水位における前記関係を示し、
前記記憶部が、前記ラジアルゲートの水位と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す水位-応力情報を記憶し、
前記判定部が、前記水位計による水位の測定値と前記一定の水位との差に対応する補正量を前記水位-応力情報から取得し、前記注目脚柱の応力評価値の前記測定値と前記正常値との比較において、前記補正量を用いて前記測定値または前記正常値を補正する異常検出装置。
【請求項6】
スキンプレートが複数の脚柱により支持されるラジアルゲートにおいて、脚柱の異常を検出する異常検出装置であって、
前記複数の脚柱に含まれる一の脚柱を注目脚柱として、前記注目脚柱にかかる応力を示す応力評価値を測定する評価値測定部と、
前記注目脚柱の温度を測定する脚柱温度測定部と、
前記ラジアルゲートの水位を測定する水位計と、
前記ラジアルゲートの水位と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す水位-応力情報を記憶する記憶部と、
前記水位計による水位の測定値を用いて前記水位-応力情報を参照することにより、前記注目脚柱の応力評価値の正常値を特定し、前記評価値測定部による前記注目脚柱の応力評価値の測定値と、前記正常値とを比較することにより、異常の有無を判定する判定部と、
を備え、
前記記憶部が、前記注目脚柱の温度から導かれる温度関連値と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す温度-応力情報を記憶し、
前記水位-応力情報が、一定の温度関連値に対応し、
前記判定部が、前記注目脚柱の温度の測定値から導かれる温度関連値と前記一定の温度関連値との差に対応する補正量を前記温度-応力情報から取得し、前記注目脚柱の応力評価値の前記測定値と前記正常値との比較において、前記補正量を用いて前記測定値または前記正常値を補正する異常検出装置。
【請求項7】
スキンプレートが複数の脚柱により支持されるラジアルゲートにおいて、脚柱の異常を検出する異常検出方法であって、
a)前記複数の脚柱に含まれる一の脚柱を注目脚柱として、前記注目脚柱にかかる応力を示す応力評価値を測定する工程と、
b)前記注目脚柱の温度を測定する工程と、
c)前記注目脚柱の温度から導かれる温度関連値と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す温度-応力情報が予め準備されており、前記b)工程における前記注目脚柱の温度の測定値を用いて前記温度-応力情報を参照することにより、前記注目脚柱の応力評価値の正常値を特定する工程と、
d)前記a)工程における前記注目脚柱の応力評価値の測定値と、前記正常値とを比較することにより、異常の有無を判定する工程と、
を備える異常検出方法。
【請求項8】
スキンプレートが複数の脚柱により支持されるラジアルゲートにおいて、脚柱の異常を検出する異常検出方法であって、
a)前記複数の脚柱に含まれる一の脚柱を注目脚柱として、前記注目脚柱にかかる応力を示す応力評価値を測定する工程と、
b)前記注目脚柱の温度を測定する工程と、
c)前記ラジアルゲートの水位を測定する工程と、
d)前記ラジアルゲートの水位と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す水位-応力情報が予め準備されており、前記c)工程における水位の測定値を用いて前記水位-応力情報を参照することにより、前記注目脚柱の応力評価値の正常値を特定する工程と、
e)前記a)工程における前記注目脚柱の応力評価値の測定値と、前記正常値とを比較することにより、異常の有無を判定する工程と、
を備え、
前記注目脚柱の温度から導かれる温度関連値と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す温度-応力情報が予め準備されており、
前記水位-応力情報が、一定の温度関連値に対応し、
前記注目脚柱の温度の測定値から導かれる温度関連値と前記一定の温度関連値との差に対応する補正量が前記温度-応力情報から取得され、
前記e)工程における前記注目脚柱の応力評価値の前記測定値と前記正常値との比較において、前記補正量を用いて前記測定値または前記正常値が補正される異常検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検出装置および異常検出方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ダム等においてラジアルゲートが用いられている。ラジアルゲートの脚柱は、常時、水圧による圧縮荷重を受ける。また、ラジアルゲートの設置から長時間が経過している場合、脚柱の劣化が懸念される。そこで、例えば、数年に1回の周期で定期検査が行われ、ラジアルゲートの柱脚の健全性が、ひずみ計測および目視等により確認される。また、特許文献1では、ラジアルゲートにおける異常を検出する異常検出装置が開示されている。当該装置では、扉体と駆動部とを連結する連結媒体にかかる荷重を示す値が支持荷重値として取得され、脚柱にかかる応力を示す値が脚柱評価値として取得される。ラジアルゲートの水位、扉体の開度、および、支持荷重値に基づいて脚柱評価値の正常値が推定され、取得される脚柱評価値と推定される正常値とを比較することにより、ラジアルゲートにおける異常の有無が判定される。
【0003】
なお、特許文献2では、コンクリート構造物の表層部に生じる温度ひび割れを抑制するシステムが開示されている。当該システムでは、コンクリート構造物に設置された緊張構造が、緊張材に緊張力を導入する緊張手段を含む。コンクリート構造物の周辺の外気温に基づいて温度応力が算出され、緊張手段が緊張すべき緊張力が算出される。また、特許文献3では、マスコンクリートの温度ひび割れ管理を行う手法が開示されており、マスコンクリート構造物の温度およびひずみをそれぞれ計測する温度計およびひずみ計が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-37394号公報
特開2015-212466号公報
特開2001-207430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既述のように、特許文献1では、脚柱にかかる応力を示す評価値に基づいてラジアルゲートにおける異常の有無が判定されるが、脚柱にかかる応力は、温度の影響も受ける。したがって、脚柱の温度を考慮して脚柱の異常を適切に検出する手法が求められている。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、脚柱の温度を考慮して脚柱の異常を適切に検出することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様1は、スキンプレートが複数の脚柱により支持されるラジアルゲートにおいて、脚柱の異常を検出する異常検出装置であって、前記複数の脚柱に含まれる一の脚柱を注目脚柱として、前記注目脚柱にかかる応力を示す応力評価値を測定する評価値測定部と、前記注目脚柱の温度を測定する脚柱温度測定部と、前記注目脚柱の温度から導かれる温度関連値と、前記注目脚柱の応力評価値の正常値との関係を示す温度-応力情報を記憶する記憶部と、前記脚柱温度測定部による前記注目脚柱の温度の測定値を用いて前記温度-応力情報を参照することにより、前記注目脚柱の応力評価値の正常値を特定し、前記評価値測定部による前記注目脚柱の応力評価値の測定値と、前記正常値とを比較することにより、異常の有無を判定する判定部とを備える。
【0008】
本発明の態様2は、態様1の異常検出装置であって、前記脚柱温度測定部が、前記注目脚柱を含む2以上の脚柱の温度を個別に測定し、前記温度関連値が、前記2以上の脚柱の温度から導かれ、前記判定部が、前記2以上の脚柱の温度の測定値を用いて、前記注目脚柱の応力評価値の前記正常値を特定する。
【0009】
本発明の態様3は、態様2の異常検出装置であって、前記温度関連値が、前記注目脚柱を含む2つの脚柱の温度差である。
【0010】
本発明の態様4は、態様1ないし3のいずれか1つの異常検出装置であって、前記ラジアルゲートの水位を測定する水位計をさらに備え、前記記憶部が、複数の水位における前記関係を示す複数の温度-応力情報を記憶し、前記判定部が、前記正常値の特定に利用する温度-応力情報を、前記水位計による水位の測定値を用いて前記複数の温度-応力情報から選択する。
(【0011】以降は省略されています)

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