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公開番号
2024173822
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2024088867
出願日
2024-05-31
発明の名称
樹脂組成物
出願人
株式会社クラレ
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C08L
67/02 20060101AFI20241205BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】生分解性、耐熱性、及び透明性のバランスに優れる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ブロック共重合体(I)と、脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と、環状エステル化合物(III)とを含有する樹脂組成物であって、前記ブロック共重合体(I)が、ポリ乳酸単位(a)を主成分とするブロック構造単位(A)と、脂肪族ジオール(b1)及び脂肪族ジカルボン酸(b2)に由来する単位を含有するポリエステル単位(b)を主成分とするブロック構造単位(B)とを含み、前記ブロック共重合体(I)と前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と前記環状エステル化合物(III)の合計100質量%に対し、前記環状エステル化合物(III)が0.005~10質量%である、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ブロック共重合体(I)と、脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と、環状エステル化合物(III)とを含有する樹脂組成物であって、
前記ブロック共重合体(I)が、ポリ乳酸単位(a)を主成分とするブロック構造単位(A)と、脂肪族ジオール(b1)及び脂肪族ジカルボン酸(b2)に由来する単位を含有するポリエステル単位(b)を主成分とするブロック構造単位(B)とを含み、
前記ブロック共重合体(I)と前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と前記環状エステル化合物(III)の合計100質量%に対し、前記環状エステル化合物(III)が0.005~10質量%である、樹脂組成物。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)が、バイオマス樹脂及び生分解性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)が、ポリ乳酸系樹脂である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記環状エステル化合物(III)が、脂肪族ジオール(c1)及び脂肪族ジカルボン酸(c2)に由来する構造を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記脂肪族ジオール(c1)及び前記脂肪族ジオール(b1)は同一であり、前記脂肪族ジカルボン酸(c2)及び前記脂肪族ジカルボン酸(b2)は同一である、請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ブロック共重合体(I)の数平均分子量が5,000~400,000である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ブロック構造単位(B)の数平均分子量が1,000~300,000である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ブロック共重合体(I)のガラス転移温度が-80℃以上15℃以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記ブロック共重合体(I)のガラス転移温度が-80℃以上-45℃以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記ブロック共重合体(I)の融点が110℃以上180℃未満である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
環境保護の見地から、バイオプラスチックに関する開発が盛んに行われている。バイオプラスチックであるポリ乳酸は、光合成により生産されるとうもろこし等の植物由来再生可能資源を原料とし、幅広い分野において利用されることが期待されている。
しかし、ポリ乳酸は、石油系プラスチックと比べると脆く、耐衝撃性、及び耐熱性等に劣ることが知られている。そのため、ポリ乳酸は、樹脂材料としての使用が制限されることがある。ポリ乳酸の欠点を改良する試みとして、例えば、特定の可塑剤や結晶核剤を利用する技術が検討されている(例えば特許文献1)。また、特定のポリエステルとポリ乳酸とを共重合したブロック共重合体とポリ乳酸の組成物を利用する技術が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-62573号公報
特開2001-335623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バイオプラスチック材料からなる最終製品には、汎用性の観点から、生分解性特性を有しつつ、耐衝撃性や耐熱性に優れ、さらに透明性に優れるものが望まれる。しかし、耐熱性の向上を目的としてポリ乳酸の結晶化度を向上させた場合、透明性が低下する傾向があった。
そこで本発明は、生分解性、耐熱性、及び透明性のバランスに優れる樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明を想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
【0006】
[1] ブロック共重合体(I)と、脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と、環状エステル化合物(III)とを含有する樹脂組成物であって、
前記ブロック共重合体(I)が、ポリ乳酸単位(a)を主成分とするブロック構造単位(A)と、脂肪族ジオール(b1)及び脂肪族ジカルボン酸(b2)に由来する単位を含有するポリエステル単位(b)を主成分とするブロック構造単位(B)とを含み、
前記ブロック共重合体(I)と前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と前記環状エステル化合物(III)の合計100質量%に対し、前記環状エステル化合物(III)が0.005~10質量%である、樹脂組成物。
[2] 前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)が、バイオマス樹脂及び生分解性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)が、ポリ乳酸系樹脂である、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記環状エステル化合物(III)が、脂肪族ジオール(c1)及び脂肪族ジカルボン酸(c2)に由来する構造を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記脂肪族ジオール(c1)及び前記脂肪族ジオール(b1)は同一であり、前記脂肪族ジカルボン酸(c2)及び前記脂肪族ジカルボン酸(b2)は同一である、上記[4]に記載の樹脂組成物。
[6] 前記ブロック共重合体(I)の数平均分子量が5,000~400,000である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 前記ブロック構造単位(B)の数平均分子量が1,000~300,000である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 前記ブロック共重合体(I)のガラス転移温度が-80℃以上15℃以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 前記ブロック共重合体(I)のガラス転移温度が-80℃以上-45℃以下である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記ブロック共重合体(I)の融点が110℃以上180℃未満である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 前記ブロック構造単位(A)が、ポリL-乳酸に由来する構造単位又はポリD-乳酸に由来する構造単位を含有する、上記[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 前記ブロック構造単位(A)と前記ブロック構造単位(B)の合計100質量%に対し、前記ブロック構造単位(A)が5質量%以上95質量%以下である、上記[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] 前記脂肪族ジオール(b1)が、アルキル基を分岐鎖として有するジオールである、上記[1]~[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14] 前記脂肪族ジオール(b1)の炭素数が4以上30以下である、上記[1]~[13]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15] 前記分岐鎖がメチル基である、上記[13]に記載の樹脂組成物。
[16] 前記脂肪族ジオール(b1)が3-メチル-1,5-ペンタンジオールである、上記[1]~[15]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[17] 前記脂肪族ジカルボン酸(b2)の炭素数が4以上12以下である、上記[1]~[16]のいずれかに記載の樹脂組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、生分解性、耐熱性、及び透明性のバランスに優れる樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施態様の一例に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施態様は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下の記載に限定されない。
また本明細書において、実施態様の好ましい形態を示すが、個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、好ましい形態である。数値範囲で示した事項について、いくつかの数値範囲がある場合、それらの下限値と上限値とを選択的に組み合わせて好ましい形態とすることができる。
なお、本明細書において、「XX~YY」との数値範囲の記載がある場合、「XX以上YY以下」を意味する。
本明細書において、「~単位」(ここで「~」は重合体を示す)とは「~に由来する構造単位」を意味する。例えば「ポリ乳酸単位」とは「ポリ乳酸に由来する構造単位」を意味し、「ポリエステル単位」とは「ポリエステルに由来する構造単位」を意味する。
本明細書において、「主鎖」とは、分子中において最も長い分子鎖を意味する。また、「分岐鎖」とは、分子中における主鎖以外の分子鎖を意味する。
本明細書において、「L-乳酸単位」とは、ブロック構造単位(A)における、L-乳酸に由来する構造単位を意味する。なお、ブロック構造単位(A)がラクチドに由来する構造単位を含み、かつ該ラクチドに由来する構造単位中に、L-乳酸に由来する構造単位が含まれる場合、該L-乳酸に相当する部分も、L-乳酸単位に含まれる。
本明細書において、「D-乳酸単位」とは、ブロック構造単位(A)における、D-乳酸に由来する構造単位を意味する。なお、ブロック構造単位(A)がラクチドに由来する構造単位を含み、かつ該ラクチドに由来する構造単位中に、D-乳酸に由来する構造単位が含まれる場合、該D-乳酸に相当する部分も、D-乳酸単位に含まれる。
本明細書において、「ポリDL-乳酸」とは、L-乳酸単位及びD-乳酸単位を含有するポリ乳酸を意味する。ポリDL-乳酸としては、ポリL-乳酸ブロック及びポリD-乳酸ブロックを含むブロック共重合体、L-乳酸単位及びD-乳酸単位をランダムに含むランダム共重合体等が挙げられる。
本明細書において、「DL-乳酸」とは、D-乳酸とL-乳酸との混合物を意味する。本明細書において、「DL-ラクチド」とは、D-ラクチドとL-ラクチドとの混合物を意味する。本明細書において、「meso-ラクチド」とは、D-乳酸とL-乳酸のそれぞれ1つずつの単位から形成されるラクチドを意味する。
本明細書において、「融点」とは、融解ピーク温度を意味し、融解ピークが複数ある場合には最も高温側に存在する融点ピークにおける融解ピーク温度を意味する。融点は、示差走査熱量計によって求めることができ、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
【0009】
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、ブロック共重合体(I)と、脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と、環状エステル化合物(III)とを含有する樹脂組成物であって、前記ブロック共重合体(I)が、ポリ乳酸単位(a)を主成分とするブロック構造単位(A)と、脂肪族ジオール(b1)及び脂肪族ジカルボン酸(b2)に由来する単位を含有するポリエステル単位(b)を主成分とするブロック構造単位(B)とを含み、前記ブロック共重合体(I)と前記脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と前記環状エステル化合物(III)の合計100質量%に対し、前記環状エステル化合物(III)が0.005~10質量%である。
本発明者らは、種々検討を行った結果、特定のブロック共重合体(I)と、脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と、特定量の環状エステル化合物(III)とを含有する樹脂組成物は、生分解性、耐熱性、及び透明性のバランスに優れることを見出した。
【0010】
本実施形態の樹脂組成物が、生分解性、耐熱性、及び透明性のバランスに優れる理由は定かではなく、様々な要因が複合するが、以下の様に推測される。
環状エステル化合物(III)はエステル構造を含むことから、同様にエステル構造を含むブロック共重合体(I)や脂肪族ポリエステル系樹脂(II)と相容性が高い。それにより、樹脂組成物の結晶化度が向上した場合においても、透明性低下が抑制される。また、環状エステル化合物(III)は、環状であることから、分子的な自由度は低く結晶核剤的な効果、すなわち結晶化度向上やガラス転移温度向上(耐熱性向上)にも寄与する。上記理由により、本実施形態の樹脂組成物は、生分解性、耐熱性、及び透明性のバランスに優れるもの推測される。
(【0011】以降は省略されています)
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