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公開番号
2024173755
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2024084836
出願日
2024-05-24
発明の名称
樹脂組成物ペレット、多層構造体、及び樹脂組成物ペレットの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
29/04 20060101AFI20241205BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】多層構造体等のフィルムを製造した際の写像性に優れた、エチレン-ビニルアルコール共重合体、極性基を含有する熱可塑性樹脂、及び脂肪族カルボン酸金属塩を含む樹脂組成物ペレットを提供する。
【解決手段】エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)、極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)、及び脂肪族カルボン酸金属塩(C)を含有する樹脂組成物ペレットであって、
前記脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属種が長周期型周期表第4周期dブロックに属する元素から選択される少なくとも1種であり、
前記樹脂組成物ペレットに含有される脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での全含有量に対する、樹脂組成物ペレットの表層部における脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での含有量の比が0.55以上である、樹脂組成物ペレット。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)、極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)、及び脂肪族カルボン酸金属塩(C)を含有する樹脂組成物ペレットであって、
前記脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属種が長周期型周期表第4周期dブロックに属する元素から選択される少なくとも1種であり、
前記樹脂組成物ペレットに含有される脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での全含有量に対する、樹脂組成物ペレットの表層部における脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での含有量の比が0.55以上である、樹脂組成物ペレット。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
樹脂組成物ペレットの表層部における脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での含有量が5ppm以上である、請求項1記載の樹脂組成物ペレット。
【請求項3】
前記極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)の質量比〔(A)/(B)〕が70/30~99/1である、請求項1又は2記載の樹脂組成物ペレット。
【請求項4】
前記脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属種が亜鉛である、請求項1又は2記載の樹脂組成物ペレット。
【請求項5】
前記樹脂組成物ペレットが、更に極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)を含む、請求項1又は2記載の樹脂組成物ペレット。
【請求項6】
前記極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)の質量比〔(A)/(D)〕が70/30~99/1である、請求項5記載の樹脂組成物ペレット。
【請求項7】
前記極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)と極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)の合計に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)の質量比〔(A)/(B)+(D)〕が50/50~99/1である、請求項5記載の樹脂組成物ペレット。
【請求項8】
前記極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)に対する、極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)の質量比〔(B)/(D)〕が0.01~10である、請求項5記載の樹脂組成物ペレット。
【請求項9】
請求項1又は2記載の樹脂組成物ペレットから形成された層を有する多層構造体。
【請求項10】
請求項1又は2記載の樹脂組成物ペレットの製造方法であって、
エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)、及び極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)を含む樹脂組成物ペレットに、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を配合する工程を含む、樹脂組成物ペレットの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物ペレットに関し、更に詳しくは、写像性に優れる樹脂組成物ペレットに関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」と称する)は、高分子側鎖に存在する水酸基同士の水素結合のため、非常に強い分子間力を有する。それゆえに、結晶性が高く、また、非晶部分においても分子間力が高いため、EVOHを用いたフィルムは、気体分子等が通過しにくく、優れたガスバリア性を示す。
また、EVOHに他の熱可塑性樹脂を配合することにより、ガスバリア性以外の機能を付与することも行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ロングラン成形性と、ロングラン成形後の成形物の耐屈曲疲労性に優れた樹脂組成物ペレットとして、EVOH、オレフィン-カルボン酸ビニルエステル共重合体及び/又はそのケン化物、及び脂肪酸金属塩を含有し、前記脂肪酸金属塩が該ペレットの内部および外部表面にそれぞれ存在する樹脂組成物ペレットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-060496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示されているようなEVOH、オレフィン-カルボン酸ビニルエステル共重合体及び/又はそのケン化物、及び脂肪酸金属塩を含有するペレットは、これを用いて多層構造体等のフィルムを製造した際の写像性が低く、更なる改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明ではこのような背景の下において、多層構造体等のフィルムを製造した際の写像性に優れた、EVOH、極性基を含有する熱可塑性樹脂、及び脂肪族カルボン酸金属塩を含む樹脂組成物ペレットの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
しかるに本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定の脂肪族カルボン酸金属塩を用い、これをペレットの表層部に多く含有させることにより、写像性に優れたペレットが得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1] EVOH(A)、極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)、及び脂肪族カルボン酸金属塩(C)を含有する樹脂組成物ペレットであって、
前記脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属種が長周期型周期表第4周期dブロックに属する元素から選択される少なくとも1種であり、
前記樹脂組成物ペレットに含有される脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での全含有量に対する、樹脂組成物ペレットの表層部における脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での含有量の比が0.55以上である、樹脂組成物ペレット。
[2] 樹脂組成物ペレットの表層部における脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属換算での含有量が5ppm以上である、[1]に記載の樹脂組成物ペレット。
[3] 前記極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)に対する、EVOH(A)の質量比〔(A)/(B)〕が70/30~99/1である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物ペレット。
[4] 前記脂肪族カルボン酸金属塩(C)の金属種が亜鉛である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物ペレット。
[5] 前記樹脂組成物ペレットが、更に極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物ペレット。
[6] 前記極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)に対する、EVOH(A)の質量比〔(A)/(D)〕が70/30~99/1である、[5]に記載の樹脂組成物ペレット。
[7] 前記極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)と極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)の合計に対する、EVOH(A)の質量比〔(A)/(B)+(D)〕が50/50~99/1である、[5]又は[6]に記載の樹脂組成物ペレット。
[8] 前記極性基を含有しない熱可塑性樹脂(D)に対する、極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)の質量比〔(B)/(D)〕が0.01~10である、[5]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物ペレット。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物ペレットから形成された層を有する多層構造体。
[10] [1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物ペレットの製造方法であって、
EVOH(A)、及び極性基を含有する熱可塑性樹脂(B)を含む樹脂組成物ペレットに、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を配合する工程を含む、樹脂組成物ペレットの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のペレットは、このペレットから多層構造体等のフィルムを製造した際の写像性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態の例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が、次に説明する実施形態に限定されるものではない。
また、本発明において「フィルム」とは、「テープ」や「シート」をも含めた意味である。
(【0011】以降は省略されています)
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