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公開番号2024173681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2024063175
出願日2024-04-10
発明の名称光学系、撮像装置および光学系の製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/18 20060101AFI20241205BHJP(光学)
要約【課題】回折面を有し、小型かつ高い光学性能を有する光学系を提供する。
【解決手段】光学系Lは、回折面と1面以上の平面ではない屈折面とを含む光学系であり、回折面の光路差関数をψ、回折次数をm、回折面の設計波長をλ0、入射波長をλ、面の光路差分散をP(λ)、設計波長における面の光路差関数をψ0とし、面の光路差関数ψ 0(λ)、回折面の光路差関数ψおよび回折面が特定の条件を満足する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回折面と1面以上の平面ではない屈折面とを含む光学系であって、
前記回折面の光路差関数をψ、回折次数をm、前記回折面の設計波長をλ

、入射波長をλ、面の光路差分散をP

(λ)、前記設計波長における前記面の光路差関数をψ

とし、前記面の光路差関数ψ


(λ)と前記回折面の光路差関数ψを、
JPEG
2024173681000039.jpg
26
48
と定義するとき、前記回折面が、
JPEG
2024173681000040.jpg
16
32
なる条件を満足することを特徴とする光学系。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
基準波長をd線、主分散をF線とC線、前記面の光路差関数の分散率をdψ

0,d
とするとき、
JPEG
2024173681000041.jpg
10
49
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
基準波長をd線、主分散をg線とF線し、前記回折面の光路差関数の分散率をdψ
g,F
とするとき、
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2024173681000042.jpg
10
68
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項4】
回折光学素子に設けられた前記回折面における焦点距離をfmoe、前記回折光学素子を含む前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.4<fmoe / f<30.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項5】
前記光学系のうち最も像側のレンズ面から像面までのバックフォーカスをskd、前記光学系のうち最も物体側のレンズ面から像面までの光学全長をTLとするとき、
0.04<skd/TL<0.30
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項6】
前記面の光路差分散P

(λ)を最適化変数として設計されたことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の光学系と、
前記光学系を介して被写体を撮像する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
回折面と1面以上の平面ではない屈折面とを含む光学系の製造方法であって、
前記光学系は、前記回折面の光路差関数をψ、回折次数をm、前記回折面の設計波長をλ

、入射波長をλ、面の光路差分散をP

(λ)、前記設計波長における前記面の光路差関数をψ

とし、前記面の光路差関数ψ


(λ)と前記回折面の光路差関数ψを、
JPEG
2024173681000043.jpg
22
47
と定義するとき、前記回折面が、
JPEG
2024173681000044.jpg
16
31
なる条件を満足する前記光学系を製造することを特徴とする光学系の製造方法。
【請求項9】
1つまたは複数のプロセッサによって実施される方法であって、
回折面の光路差関数をψ、回折次数をm、前記回折面の設計波長をλ

、入射波長をλ、面の光路差分散をP

(λ)、前記設計波長における前記面の光路差関数をψ

とし、前記面の光路差関数ψ


(λ)と前記回折面の光路差関数ψを、
JPEG
2024173681000045.jpg
25
53
JPEG
2024173681000046.jpg
17
34
とするとき、
前記回折次数mと、前記設計波長λ

と、前記入射波長λとを取得するステップと、
前記光路差分散P

(λ)と、前記面の光路差関数ψ

と、前記ステップにおいてそれぞれ取得された前記回折次数m、前記設計波長λ

および前記入射波長λとに基づいて、前記回折面の光路差関数ψを出力するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
1つまたは複数のプロセッサによって実施される方法であって、
回折面の光路差関数をψ、回折次数をm、前記回折面の設計波長をλ

、入射波長をλ、面の光路差分散をP

(λ)、前記設計波長における前記面の光路差関数をψ

とし、前記面の光路差関数ψ


(λ)と前記回折面の光路差関数ψを、
JPEG
2024173681000047.jpg
23
50
とするとき、
前記入射波長λを取得するステップと、
前記入射波長λが前記設計波長λ

の場合と前記設計波長λ

以外の場合とで異なる前記光路差分散P

(λ)を入力するステップと、
入力された前記光路差分散P

(λ)と、前記回折次数mと、前記設計波長λ

と、前記入射波長λと、前記面の光路差関数ψ

とに基づいて、前記回折面の光路差関数ψを出力するステップと、を含むことを特徴とする方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回折面を有する光学系に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
光路差関数を用いて回折面を幾何光学的に表現する方法が非特許文献1や特許文献1に開示されている。また、その方法を用いて設計された回折面を含む様々な光学系も知られている。
【0003】
また、特許文献2~4には、入射光のサブ波長の形状寸法を有するナノ構造を含むメタサーフェスレンズが開示されている。メタサーフェスレンズの光の偏向作用は回折面と同様に一般化スネルの法則で扱えるが、メタサーフェスレンズは従来知られている回折面と異なり、その分散を制御できることが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
宮前 博,「回折レンズ系の幾何光学的取り扱い」,光学,27,513(1998)
【特許文献】
【0005】
特許第7086709号公報
米国特許公開2022/0082794号公報
米国特許公開2022/0206186号公報
米国特許10,670,782号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献および特許文献1に開示された光路差関数による回折面を用いた光学系は、回折面の分散が波長のみで決まるため、回折面の分散を制御できないという課題を有する。特許文献2、3はメタサーフェスにより分散制御を行う例を開示しているが、その説明は定性的であり、具体的に実施可能な数値が開示されておらず、幾何光学的な光学設計ができないという課題を有する。
【0007】
特許文献4には、メタ原子の位相遅延量を波長ごとに計算し、メタサーフェス素子の分散を制御するようにメタ原子を配置した、分散制御されたメタサーフェス素子の設計および製造方法が開示されている。しかしながら、電磁場解析をベースとした素子の設計方法を、屈折面等との組み合わせで構成される光学系の設計に用いることは効率的ではない。従来の回折面を用いた光学設計と同様に、幾何光学的な取扱いによる光学設計が望まれる。
【0008】
本発明は、分散制御された回折面を用いた光学設計を可能とし、小型かつ高い光学性能を有する光学系を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての光学系は、回折面と1面以上の平面ではない屈折面とを含む光学系であり、回折面の光路差関数をψ、回折次数をm、回折面の設計波長をλ

、入射波長をλ、面の光路差分散をP

(λ)、設計波長における面の光路差関数をψ

とし、面の光路差関数ψ

0
(λ)と回折面の光路差関数ψを、
【0010】
JPEG
2024173681000002.jpg
22
45
(【0011】以降は省略されています)

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