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公開番号2024172005
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089411
出願日2023-05-31
発明の名称偏光フィルムおよびその製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241205BHJP(光学)
要約【課題】偏光特性の加湿信頼性に優れた偏光フィルムおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】偏光子の少なくとも一方の面に硬化物層を備える偏光フィルムであって、硬化物層が特定のホウ素含有化合物およびホウ酸を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物層である偏光フィルム。硬化性樹脂組成物中の特定のホウ素含有化合物とホウ酸との質量比が1:0.1~1:30.0であることが好ましい。硬化性樹脂組成物中の一般式(1)で表される化合物の含有量が0.05~5質量%であり、ホウ酸の含有量が0.1~2質量%であることが好ましい。偏光子はホウ酸を10~22質量%含有する偏光子であることが好ましい。偏光子のホウ酸を含有する割合をA質量%、硬化性樹脂組成物のホウ酸を含有する割合をB質量%としたとき、A:B=1:0.001~1:0.1であることが好ましい。

【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
偏光子の少なくとも一方の面に硬化物層を備える偏光フィルムであって、
前記硬化物層が下記一般式(1):
JPEG
2024172005000013.jpg
24
148
で表される化合物(ただし、Xは反応性基であり、Yは分岐鎖を有してもよい炭素数1~12のアルキレン基、または置換基を有してもよいフェニレン基であり、R

およびR

はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい、脂肪族炭化水素基、アリール基、またはヘテロ環基を表す)およびホウ酸を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物層であることを特徴とする偏光フィルム。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記硬化性樹脂組成物中の前記一般式(1)で表される化合物と前記ホウ酸との質量比が1:0.1~1:30.0である請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項3】
前記硬化性樹脂組成物はさらに下記一般式(2):
JPEG
2024172005000014.jpg
37
148
で表される化合物(ただし、R

は水素原子またはメチル基であり、R

およびR

はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基または環状エーテル基であって、R

およびR

は環状複素環を形成してもよい)を含有するものである請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項4】
前記硬化性樹脂組成物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量が0.05~5質量%であり、前記ホウ酸の含有量が0.1~2質量%である請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項5】
前記偏光子はホウ酸を10~22質量%含有する偏光子である請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項6】
前記偏光子のホウ酸を含有する割合をA質量%、前記硬化性樹脂組成物のホウ酸を含有する割合をB質量%としたとき、A:B=1:0.001~1:0.1である請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項7】
前記硬化物層の厚みが1μm以上、2μm以下である請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項8】
偏光子の少なくとも一方の面に接着剤層を介して透明保護フィルムが積層された偏光フィルムであって、前記接着剤層が前記硬化物層である請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項9】
前記透明保護フィルムがトリアセチルセルロース系樹脂フィルムである請求項8記載の偏光フィルム。
【請求項10】
前記透明保護フィルムと前記接着剤層との間に、互いが相溶した相溶層を備える請求項8に記載の偏光フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光子の少なくとも一方の面に硬化物層を備える偏光フィルム、特には偏光子の少なくとも一方の面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが積層された偏光フィルムおよびその製造方法に関する。当該偏光フィルムはこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置、CRT、PDPなどの画像表示装置を形成し得る。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
時計、携帯電話、PDA、ノートパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TVなどの用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光フィルムにおいてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性などが求められている。
【0003】
偏光子としては、高透過率、高偏光度を有することから、例えばポリビニルアルコール(以下、単に「PVA」ともいう)にヨウ素を吸着させ、延伸した構造のヨウ素系偏光子が最も一般的に広く使用されている。一般的に偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系の材料を水に溶かしたいわゆる水系接着剤によって、偏光子の両面に透明保護フィルムを貼り合わせたものが用いられている(下記特許文献1)。透明保護フィルムとしては、透湿度の高いトリアセチルセルロースなどが用いられる。前記水系接着剤を用いた場合(いわゆるウェットラミネーション)には、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせた後に、乾燥工程が必要となる。
【0004】
一方、前記水系接着剤の代わりに、活性エネルギー線硬化性接着剤が提案されている。活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて偏光フィルムを製造する場合には、乾燥工程を必要としないため、偏光フィルムの生産性を向上させることができる。例えば、本発明者らにより、N-置換アミド系モノマーを硬化性成分として使用した、ラジカル重合型の活性エネルギー線硬化性接着剤が提案されている(下記特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-296427号公報
特開2012-052000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載の活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて形成された接着剤層は、例えば60℃温水に6時間浸漬後の色抜け、ハガレの有無を評価する耐水性試験に関しては、十分クリア可能である。しかしながら近年では、耐水性試験がより過酷な条件に代わってきていることに加え、偏光フィルムの偏光特性の加湿信頼性を維持向上することが要求されてきている。したがって、特許文献2に記載の活性エネルギー線硬化性接着剤も含めて、現在まで報告されている偏光フィルム用接着剤については、特に偏光特性の加湿信頼性の点でさらなる改良の余地があるのが実情であった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて開発されたものであり、偏光特性の加湿信頼性に優れた偏光フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
さらには、前記偏光フィルムを用いた光学フィルムを提供すること、前記偏光フィルムまたは光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、偏光子の少なくとも一方の面に備えられた硬化物層に特定のホウ素含有化合物とホウ酸とを共存させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を解決するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、偏光子の少なくとも一方の面に硬化物層を備える偏光フィルムであって、前記硬化物層が下記一般式(1):
JPEG
2024172005000001.jpg
26
147
で表される化合物(ただし、Xは反応性基であり、Yは分岐鎖を有してもよい炭素数1~12のアルキレン基、または置換基を有してもよいフェニレン基であり、R

およびR

はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい、脂肪族炭化水素基、アリール基、またはヘテロ環基を表す)およびホウ酸を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物層であることを特徴とする偏光フィルム(1)に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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