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公開番号2024171978
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089369
出願日2023-05-31
発明の名称プレストレス鋼桁の製造方法
出願人川田工業株式会社
代理人個人
主分類E04C 3/10 20060101AFI20241205BHJP(建築物)
要約【課題】下フランジコンクリートにおけるひずみ変形を抑制するとともに、圧縮ひずみ差を減少させることにより、クラックの発生を効果的に防止することができるプレストレス鋼桁の製造方法を提供する。
【解決手段】分割方式のプレストレス鋼桁を製造する方法において、下フランジ14の下面に配置されているジベル21のうち、下フランジ14の端部14aから最も近い位置にある最端部側のジベル21Aの下フランジ幅方向中央部に切欠部23が形成され、最端部側のジベル21Aの外側の端部が、2列目以降のジベル21Bの両端部よりも外側に位置するように構成されている鋼材11を使用することを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
垂直なウェブと、その上下にそれぞれ形成された水平な上フランジ及び下フランジとによって構成された鋼材であって、複数本のジベルが、下フランジの下面において、下フランジの幅方向に沿った向きで、下フランジの長手方向へ間隔を置いて並列するように配置された鋼材を複数本用意し、
それらの鋼材を直列させ、隣り合う端部同士を連結して一本の鋼桁を組み立て、
鋼桁にプレフレクションを載荷して曲げ変形させ、
この状態で鋼材の下フランジの周りにコンクリートを打設して、連結部以外の部位に下フランジコンクリートを形成し、
下フランジコンクリートの硬化後にプレフレクション荷重をリリースして、鋼桁の曲げ変形を元に戻すことにより、下フランジコンクリートにプレストレスを導入し、
添接板を取り外して、一本の鋼桁を複数のブロックに分割し、
輸送後にブロックを連結し、下フランジの連結部にコンクリートを打設して、下フランジコンクリートを一体化することによりプレストレス鋼桁を製造する方法において、
前記鋼材として、下フランジの下面に配置されているジベルのうち、下フランジの端部から最も近い位置にある最端部側のジベルの下フランジ幅方向中央部に切欠部が形成されている鋼材を使用することを特徴とするプレストレス鋼桁の製造方法。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記最端部側のジベルの外側の端部が、2列目以降のジベルの両端部よりも外側に位置するように構成されている鋼材を使用することを特徴とする、請求項1に記載のプレストレス鋼桁の製造方法。
【請求項3】
下フランジの下面に配置されている複数本のジベルの間の1つの領域又は複数の各領域において、頭付きスタッドが、下フランジの幅方向へ間隔を置いて複数個配置されている鋼材を使用することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のプレストレス鋼桁の製造方法。
【請求項4】
前記最端部側のジベル、及び、2列目から5列目のジベルのうち、少なくとも1つのジベルとして、上向きテーパ面を有する、断面が台形状のジベルが、下フランジの下面に配置されている鋼材を使用することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のプレストレス鋼桁の製造方法。
【請求項5】
垂直なウェブと、その上下にそれぞれ形成された水平な上フランジ及び下フランジとによって構成され、
複数本のジベルが、下フランジの下面において、下フランジの幅方向に沿った向きで、下フランジの長手方向へ間隔を置いて並列するように配置され、
前記ジベルのうち、下フランジの端部から最も近い位置にある最端部側のジベルの下フランジ幅方向中央部に切欠部が形成されていることを特徴とするプレストレス鋼桁用の鋼材。
【請求項6】
前記最端部側のジベルの外側の端部が、2列目以降のジベルの両端部よりも外側に位置するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載のプレストレス鋼桁用の鋼材。
【請求項7】
下フランジの下面に配置されている複数本のジベルの間の1つ領域又は複数の各領域において、頭付きスタッドが、下フランジの幅方向へ間隔を置いて複数個配置されていることを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載のプレストレス鋼桁用の鋼材。
【請求項8】
前記最端部側のジベル、及び、2列目から5列目のジベルのうち、少なくとも1つのジベルとして、上向きテーパ面を有する、断面が台形状のジベルが、下フランジの下面に配置されていることを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載のプレストレス鋼桁用の鋼材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、下フランジコンクリートにプレストレスを導入してプレストレス鋼桁を製造する方法に関し、特に、分割方式のプレストレス鋼桁の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
プレストレス鋼桁は、I型断面の鋼材(垂直なウェブと、その上下にそれぞれ形成された水平な上フランジ及び下フランジとからなる鋼材)に、プレフレクションを載荷して曲げモーメントを与え、その状態で下フランジの周りにコンクリートを打設し、その硬化後にプレフレクションを解除して、下フランジコンクリートにプレストレスを導入する、という方法によって製造されている。
【0003】
プレストレス鋼桁の製造方法には、いくつかの方式があり、一本の鋼材に対して上記のような方法を実施するオーソドックスな方式のほかに、複数本の鋼材を使用し、それらの鋼材を連結した状態でコンクリートにプレストレスを導入し、その後、分割することを特徴とする、「分割方式」と呼ばれるプレストレス鋼桁の製造方法等が知られている。
【0004】
分割方式のプレストレス鋼桁の製造方法は、現地施工の省力化、長支間桁の輸送と架設の容易化のために開発されたものであり、次のような手順で実施される。まず、工場において、図10(1)に示すように、複数本(この例では3本)のI型断面の鋼材11を直列させて、隣り合う端部同士を突き合わせ、添接板18を用いて連結し、一本の鋼桁10を組み立てる。
【0005】
添接板18は、図示されている位置(鋼材11のウェブ同士を連結する位置)だけでなく、上フランジ同士を連結する位置、及び、下フランジ14同士を連結する位置にもそれぞれ配置し、ボルト孔に挿通したボルトを締結してそれぞれ固定する。尚、鋼材11の下フランジ14の上面及び下面には、多数のジベル21(ずれ止め)が配置されている。
【0006】
次に、図10(2)に示すように、鋼桁10にプレフレクションを載荷して、設計曲げモーメントを包含するプレフレクション曲げモーメントを与え、曲げ変形させる。その状態で鋼材11の各下フランジ14の周りに(より具体的には、図10(2)において破線で示す位置に、下フランジ14の上面、下面、及び、側面をそれぞれ覆うように)コンクリートを打設して、下フランジコンクリート16を形成する。尚、下フランジ14の連結部17(下フランジ14同士を連結する添接板が配置される部位、及び、その近傍部位)にはコンクリートは打設せず、ブランクとしておく。
【0007】
下フランジコンクリート16が硬化したら、プレフレクション荷重をリリースして、図10(3)に示すように、鋼桁10の曲げ変形を元に戻す。その際に生じるリリース曲げモーメントによって、下フランジ14の引張力の減少分が、ジベル21(図10(1)参照)を介してコンクリートの圧縮力に変換され、下フランジコンクリート16にプレストレスが導入される。
【0008】
次に、図10(4)に示すように、添接板を取り外して、一本の鋼桁10を複数(この例では3つ)のブロック(一本の鋼材11と下フランジコンクリート16からなる分割ブロック)に分割する。そして、それらの分割ブロックを現地へ輸送し、図10(5)に示すように、再び添接板18を用いて連結する。最後に、下フランジ14の連結部17(図10(5)において破線で示す位置)にコンクリートを打設してブランクを埋め、一連の下フランジコンクリート16を一体化させる(連続した状態とする)。
【0009】
分割方式によってプレストレス鋼桁を製造する場合、下フランジコンクリート16にプレストレスを導入する工程を実施する際に、下フランジコンクリート16にクラックが発生することがある。
【0010】
下フランジコンクリート16にプレストレスを導入する時点では、連結部17(図10(2)参照)にはコンクリートは打設されていないため、その両側には、図10(3)に示すように、下フランジコンクリート16の端部16aが形成されることになる。そして、プレフレクション荷重をリリースして、鋼桁10の変形を元に戻す際に、ポアソン比ひずみにより下フランジ14の両側縁が幅方向(桁軸直角方向)へ膨出するような変形が発生する。このため、下フランジコンクリート16の端部16a付近においてコンクリート断面が急変して応力集中が発生し、その結果、桁軸直角方向の引張応力が端部16a付近に作用することになる。このような、端部16a付近における応力集中と引張応力が、クラックの発生原因の一つであると考えられている。
(【0011】以降は省略されています)

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