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公開番号2024171944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089321
出願日2023-05-31
発明の名称試料ホルダー及び電子顕微鏡
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類H01J 37/20 20060101AFI20241205BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ガスまたは液体内の試料を光照射下でその場観察可能とする試料ホルダー、電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】環境セルは、それぞれ隔膜と隔膜を支持し、開口部の設けられたフレームとを備える2つのシリコンチップ(1,5)の組み合わせとして構成され、試料ホルダーの本体部11に収容され、蓋14により固定されている。電子顕微鏡の電子線の光軸20に沿って、蓋の開口部、2つのシリコンチップの開口部、及び本体部の開口部が重なるように配置され、2つのシリコンチップのいずれかの開口部に光を照射可能な位置に発光素子31を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電子顕微鏡による観察対象である試料を封入する環境セルを保持する試料ホルダーであって、
前記環境セルを収容可能な凹部が設けられた本体部と、
前記凹部に収容された前記環境セルを固定する蓋と、
前記試料に光を照射する光照射部と、を備え、
前記本体部の前記凹部の底面及び前記蓋にはそれぞれ開口部が設けられ、
前記環境セルは、それぞれ隔膜と前記隔膜を支持し、開口部の設けられたフレームとを備える第1及び第2のシリコンチップを組み合わせて構成され、前記第1のシリコンチップの前記隔膜と前記第2のシリコンチップの前記隔膜との間に前記試料を封入する空間が形成されており、
前記電子顕微鏡の電子線の光軸に沿って、前記蓋の開口部、前記第1のシリコンチップの開口部、前記第2のシリコンチップの開口部及び前記本体部の開口部が重なるように位置し、前記第2のシリコンチップはシール材を介して前記本体部に設置され、前記第1のシリコンチップ及び前記本体部はそれぞれシール材を介して前記蓋が固定され、
前記光照射部は、前記第1のシリコンチップの開口部または前記第2のシリコンチップの開口部に光を照射可能な位置に配置された発光素子を備える試料ホルダー。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記光照射部は、前記発光素子を前記蓋または前記本体部に取り付ける支持部を備え、
前記発光素子は、前記発光素子の光量の高い方向に前記試料が位置するよう前記支持部に取り付けられる試料ホルダー。
【請求項3】
請求項2において、
前記発光素子が前記蓋に取り付けられる場合、前記支持部は前記蓋の開口部の縁よりも前記光軸側に前記発光素子を位置させ、前記発光素子が前記本体部に取り付けられる場合、前記支持部は前記本体部の開口部の縁よりも前記光軸側に前記発光素子を位置させる試料ホルダー。
【請求項4】
請求項3において、
前記発光素子が前記蓋に取り付けられる場合、前記支持部は前記蓋の上面よりも下側に前記発光素子を位置させ、前記発光素子が前記本体部に取り付けられる場合、前記支持部は前記本体部の下面よりも上側に前記発光素子を位置させる試料ホルダー。
【請求項5】
請求項1において、
前記光照射部は、前記発光素子を前記蓋または前記本体部に取り付ける支持部及び前記発光素子に電源を供給する配線を備え、
前記発光素子、前記支持部及び前記配線の少なくとも一部は、絶縁被膜で覆われ、前記絶縁被膜はさらに導電被膜により覆われている試料ホルダー。
【請求項6】
請求項1において、
前記発光素子が前記第1のシリコンチップの開口部に光を照射する場合、前記第1のシリコンチップのフレームの開口部の側面が反射抑制部位とされ、前記発光素子が前記第2のシリコンチップの開口部に光を照射する場合、前記第2のシリコンチップのフレームの開口部の側面が反射抑制部位とされる試料ホルダー。
【請求項7】
請求項6において、
シリコンチップの開口部の側面を前記反射抑制部位とするため、前記シリコンチップの開口部にその形状にあわせた低反射部材をはめ込む、または前記シリコンチップの開口部に低反射材が蒸着あるいは塗布され、
前記低反射部材または前記低反射材の材料は、単結晶シリコンよりも前記発光素子からの光を多く吸収する材料である試料ホルダー。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項において、
前記本体部は、前記環境セルの前記試料を封入する空間にガスや液体を供給する配管を内蔵する試料ホルダー。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項において、
前記発光素子はLEDである試料ホルダー。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載された試料ホルダーを搭載する電子顕微鏡。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスまたは液体内で試料を観察する試料ホルダーとそれを搭載した電子顕微鏡に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
環境分野向けの電子顕微鏡観察ニーズの一つとして、例えば、人工光合成や水素製造向けの光触媒の解析がある。光触媒のその場観察(in situ観察)を行うためには、液体やガス中に試料である光触媒を載置し、光を照射した状態で観察する必要がある。
【0003】
特許文献1には、様々な環境下でのその場観察を可能とするため、試料へガスまたは液体を導入する、あるいは電気化学または熱実験のための電気接点を可能とするサンプルホルダが開示されている。
【0004】
特許文献2には、レーザー光を用いて局所的に試料を加熱することが可能な電子顕微鏡が開示されている。電子顕微鏡としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)が想定され、試料を載置する試料ホルダーは対物レンズ上部磁極と対物レンズ下部磁極との間隙に挿入される。このため、同じ間隙に光ファイバーを導入するための光ファイバー用ホルダーを電子顕微鏡に取り付ける。光ファイバー用ホルダーの微動機構により、光ファイバーからの光スポットが試料に照射されるよう調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-85349号公報
特開2008-171774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては、試料を光照射下で観察することについては開示されていない。そこで、例えば、特許文献2に開示されるような光ファイバーにより光を試料に照射することを考えると以下のような課題がある。
【0007】
まず、光ファイバー用ホルダーを電子顕微鏡側に装備する必要があり、大掛かりな装置改造が必要になる。また、加熱のためにレーザー光を照射する特許文献2の場合と異なり、光触媒のその場観察のためには、試料に対して、太陽光と同等の強度の白色光や紫外光を試料(光触媒)に照射する必要がある。このため、光ファイバーで電子顕微鏡内に導入した光を試料上に集光させる必要がある。しかしながら、TEMあるいは走査透過型電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)では、上述のように試料ホルダーは対物レンズ上部磁極と対物レンズ下部磁極との間隙に挿入され、この間隙が大きい程、装置の分解能は低下する。特許文献1開示の技術と特許文献2開示の技術とを組み合わせるとすれば、対物レンズ上部磁極と対物レンズ下部磁極との間隙に試料ホルダーに加え、光を照射するための光ファイバー用ホルダーや集光光学系を組み込むことが必要となり、電子顕微鏡の分解能を低下させることなく、高い照度の光を試料に照射させながら光触媒のその場観察を行うことは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施の形態である試料ホルダーは、電子顕微鏡による観察対象である試料を封入する環境セルを保持する試料ホルダーであって、環境セルを収容可能な凹部が設けられた本体部と、凹部に収容された環境セルを固定する蓋と、試料に光を照射する光照射部と、を備え、本体部の凹部の底面及び蓋にはそれぞれ開口部が設けられ、環境セルは、それぞれ隔膜と隔膜を支持し、開口部の設けられたフレームとを備える第1及び第2のシリコンチップを組み合わせて構成され、第1のシリコンチップの隔膜と第2のシリコンチップの隔膜との間に試料を封入する空間が形成されており、電子顕微鏡の電子線の光軸に沿って、蓋の開口部、第1のシリコンチップの開口部、第2のシリコンチップの開口部及び本体部の開口部が重なるように位置し、第2のシリコンチップはシール材を介して本体部に設置され、第1のシリコンチップ及び本体部はそれぞれシール材を介して蓋が固定され、光照射部は、第1のシリコンチップの開口部または第2のシリコンチップの開口部に光を照射可能な位置に配置された発光素子を備える。
【発明の効果】
【0009】
試料ホルダーの厚さをほとんど変えることなく、試料ホルダーに光照射機能を備えることが可能となる。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
光照射機能を有する試料ホルダー(部分)の模式図である。
環境セルの構成を説明するための模式図である。
光照射機能を有する試料ホルダー(部分)の模式図である。
光照射機能を有する試料ホルダー(部分)の模式図である。
光照射機能を有する試料ホルダー(部分)の模式図である。
光照射機能を有する試料ホルダーを搭載した電子顕微鏡の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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