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公開番号2024168205
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084684
出願日2023-05-23
発明の名称未加硫混練りゴムの加工方法およびシステム
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B29C 48/92 20190101AFI20241128BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】多数種類の未加硫混練りゴムの特徴量に適した加工条件を簡便に決定して、加工された未加硫混練りゴムを効率的に製造できる加工方法およびシステムを提供する。
【解決手段】準備段階S100として、演算装置4に入力したデータセット10から選択された対象特徴11の特徴量に基づいたクラスタリングにより、データセット10を複数のグループに分類した分類データセット10aを作成し、分類データセット10aを教師データとする機械学習により予測モデル20を構築し、グループ毎に加工装置3で未加硫混練りゴムを良品に加工できる基準加工条件を設定したプリセットデータ30を演算装置4に入力しておき、加工工程S200では、演算装置4に入力した入力データD1と予測モデル20とを用いて演算装置4により、未加硫混練りゴムRが分類されるグループを予測し、予測したそのグループに対して設定されている基準加工条件で未加硫混練りゴムRを加工装置3により加工する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
混練機による混練り工程を経た未加硫混練りゴムを加工装置に投入し、前記加工装置を演算装置により制御して、前記演算装置に入力した加工条件で前記未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工する未加硫混練りゴムの加工方法において、
準備段階として、配合を異ならせた多数種類の前記未加硫混練りゴムについて前記加工装置に投入される前にその特徴を示す特徴量を多数種類の特徴に対して取得してデータセットとして前記演算装置に入力し、前記データセットから複数種類の前記特徴を対象特徴として選択して、前記演算装置を用いてそれぞれの前記対象特徴の前記特徴量に基づいて、教師なし機械学習による分類を行って、前記データセットを指定した所定数の複数のグループに分類した分類データセットを作成し、
それぞれの前記対象特徴の前記特徴量を説明変数とし、分類した所定数の複数の前記グループを目的変数として、前記演算装置を用いて前記分類データセットを教師データとする機械学習により予測モデルを構築し、
それぞれの前記グループ毎に前記加工装置で前記未加硫混練りゴムを良品に加工できる基準加工条件を予め設定したプリセットデータを前記演算装置に入力しておき、
前記準備段階の完了後に、前記未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工する際には、前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムのそれぞれの前記対象特徴を示す特徴量を取得して入力データとして前記演算装置に入力し、前記入力データと前記予測モデルとを用いて前記演算装置により、複数の前記グループの中から前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムが分類されるグループを予測し、予測したそのグループに対して設定されている前記基準加工条件で前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工する未加硫混練りゴムの加工方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記データセットに、それぞれの前記特徴量を取得した取得時期を追加しておき、
同一の前記グループに分類される前記未加硫混練りゴムについてのそれぞれの前記取得時期に基づいて、前記演算装置により、所定の前記対象特徴の前記特徴量の時系列分析を行って、前記グループを予測する際には、前記時系列分析の結果に基づいて補正した前記入力データを用いる請求項1に記載の未加硫混練りゴムの加工方法。
【請求項3】
教師なし機械学習による前記分類は、それぞれの前記対象特徴に対する主成分分析による次元削減を行って得られた多数種類の前記未加硫混練りゴムの主成分得点に基づいて行う請求項1または2に記載の未加硫混練りゴムの加工方法。
【請求項4】
前記データセットには、同一の特徴種で変形程度が異なる複数の変形領域のそれぞれに前記特徴量を有する前記特徴が存在していて、複数の前記変形領域のそれぞれに前記特徴量を有する前記特徴種を前記対象特徴として選択する場合には、それぞれの前記変形領域を個別の前記特徴として扱って前記対象特徴として選択する請求項1または2に記載の未加硫混練りゴムの加工方法。
【請求項5】
前記対象特徴の選択では、前記未加硫混練りゴムの粘弾性特性を示す複数の前記特徴を有する特徴群と粘性特性を示す複数の前記特徴を有する特徴群と回転振動によって得られるトルク特性を示す複数の前記特徴を有する特徴群の中から少なくとも二つの前記特徴郡を選択して、選択したそれぞれの前記特徴郡の中から少なくとも一つの前記特徴を前記対象特徴として選択する請求項1または2に記載の未加硫混練りゴムの加工方法。
【請求項6】
前記データセットは、前記未加硫混練りゴムの配合を特定する配合ラベルを前記特徴として備えていて、前記対象特徴として前記配合ラベルを選択する請求項1または2に記載の未加硫混練りゴムの加工方法。
【請求項7】
前記加工装置が押出機の場合には、前記加工条件がスクリュー温度、コンベヤ速度、押し出ダイ形状、スクリュー温度、および、シリンダ温度であり、前記加工装置が圧延機の場合には、前記加工条件がコンベヤ速度、クーリングドラム温度、ロール間ギャップ、ロール速度、および、切り出し幅であり、前記加工装置が加硫装置の場合には、前記加工条件が加硫温度、加硫圧力、および、加硫時間である請求項1または2に記載の未加硫混練りゴムの加工方法。
【請求項8】
混練機による混練り工程を経た未加硫混練りゴムが投入される加工装置と、前記加工装置を制御する演算装置とを備えて、前記演算装置に入力された加工条件で前記未加硫混練りゴムが前記加工装置により加工される未加硫混練りゴムの加工システムにおいて、
前記演算装置には、配合を異ならせた多数種類の前記未加硫混練りゴムについて前記加工装置に投入される前にその特徴を示す特徴量が多数種類の特徴に対して取得されてデータセットとして入力されていて、前記データセットから対象特徴として選択された複数種類の前記特徴の前記特徴量に基づいて、前記演算装置を用いて教師なし機械学習による分類が行われることにより、前記データセットが指定された所定数の複数のグループに分類された分類データセットが作成されていて、
それぞれの前記対象特徴の前記特徴量を説明変数とし、分類された所定数の複数の前記グループを目的変数として、前記演算装置を用いて前記分類データセットを教師データとする機械学習により予測モデルが構築されていて、
それぞれの前記グループ毎に前記加工装置で前記未加硫混練りゴムを良品に加工できる基準加工条件が予め設定されて前記演算装置に入力されていて、
前記未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工する際には、前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムのそれぞれの前記対象特徴を示す特徴量が取得されて入力データとして前記演算装置に入力されて、複数の前記グループの中から、前記入力データと前記予測モデルとを用いて前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムが分類されているグループが予測されて、予測されたそのグループに対して設定されている前記基準加工条件で前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムが前記加工装置により加工される未加硫混練りゴムの加工システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、未加硫混練りゴムの加工方法およびシステムに関し、より詳しくは、ゴムの特徴量(ゴム物性値)が異なる多数種類の未加硫混練りゴムについて、それぞれのゴムの特徴量に適した加工条件を簡便に決定して、所望の仕様に加工された未加硫混練りゴムを効率的に製造できる未加硫混練りゴムの加工方法およびシステムに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
混練機による混練り工程を経た未加硫混練りゴムは、押出機、圧延機、加硫装置などの加工装置により所望の仕様に加工される。それぞれの加工工程では、未加硫混練りゴムを所望の仕様に加工するために適切な加工条件が設定されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の発明では、押し出された未加硫ゴムの寸度および形状を維持するために、未加硫ゴムの物性や環境条件を含む特性に合わせて、押出速度およびコンベヤの搬送速度の速度変更パターンを定めている。
【0003】
タイヤなどのゴム製品の製造現場では、配合が異なるあるいは同一の配合でも混練り条件が異なる多数種類の未加硫混練りゴムが使用されているので、押出速度およびコンベヤの搬送速度の速度変更パターンを定めて加工を行うだけでは、それぞれの未加硫混練りゴムを所望の仕様に加工することは難しい。未加硫混練りゴムの特徴量が類似していれば同じ加工条件にすることで概ね同品質に加工することができる。したがって、ゴムの特徴量が異なる多数種類の未加硫混練りゴムについて、それぞれのゴムの特徴量に適した加工条件を簡便に決定して、所望の仕様に加工された未加硫混練りゴムを効率的に製造するには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平7-60821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ゴムの特徴量が異なる多数種類の未加硫混練りゴムについて、それぞれのゴムの特徴量に適した加工条件を簡便に決定して、所望の仕様に加工された未加硫混練りゴムを効率的に製造できる未加硫混練りゴムの加工方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の未加硫混練りゴムの加工方法は、混練機による混練り工程を経た未加硫混練りゴムを加工装置に投入し、前記加工装置を演算装置により制御して、前記演算装置に入力した加工条件で前記未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工する未加硫混練りゴムの加工方法において、準備段階として、配合を異ならせた多数種類の前記未加硫混練りゴムについて前記加工装置に投入される前にその特徴を示す特徴量を多数種類の特徴に対して取得してデータセットとして前記演算装置に入力し、前記データセットから複数種類の前記特徴を対象特徴として選択して、前記演算装置を用いてそれぞれの前記対象特徴の前記特徴量に基づいて、教師なし機械学習による分類を行って、前記データセットを指定した所定数の複数のグループに分類した分類データセットを作成し、それぞれの前記対象特徴の前記特徴量を説明変数とし、分類した所定数の複数の前記グループを目的変数として、前記演算装置を用いて前記分類データセットを教師データとする機械学習により予測モデルを構築し、それぞれの前記グループ毎に前記加工装置で前記未加硫混練りゴムを良品に加工できる基準加工条件を予め設定したプリセットデータを前記演算装置に入力しておき、前記準備段階の完了後に、前記未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工する際には、前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムのそれぞれの前記対象特徴を示す特徴量を取得して入力データとして前記演算装置に入力し、前記入力データと前記予測モデルとを用いて前記演算装置により、複数の前記グループの中から前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムが分類されるグループを予測し、予測したそのグループに対して設定されている前記基準加工条件で前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工することを特徴とする。
【0007】
本発明の未加硫混練りゴムの加工システムは、混練機による混練り工程を経た未加硫混練りゴムが投入される加工装置と、前記加工装置を制御する演算装置とを備えて、前記演算装置に入力された加工条件で前記未加硫混練りゴムが前記加工装置により加工される未加硫混練りゴムの加工システムにおいて、前記演算装置には、配合を異ならせた多数種類の前記未加硫混練りゴムについて前記加工装置に投入される前にその特徴を示す特徴量が多数種類の特徴に対して取得されてデータセットとして入力されていて、前記データセットから対象特徴として選択された複数種類の前記特徴の前記特徴量に基づいて、前記演算装置を用いて教師なし機械学習による分類が行われることにより、前記データセットが指定された所定数の複数のグループに分類された分類データセットが作成されていて、それぞれの前記対象特徴の前記特徴量を説明変数とし、分類された所定数の複数の前記グループを目的変数として、前記演算装置を用いて前記分類データセットを教師データとする機械学習により予測モデルが構築されていて、それぞれの前記グループ毎に前記加工装置で前記未加硫混練りゴムを良品に加工できる基準加工条件が予め設定されて前記演算装置に入力されていて、前記未加硫混練りゴムを前記加工装置により加工する際には、前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムのそれぞれの前記対象特徴を示す特徴量が取得されて入力データとして前記演算装置に入力されて、複数の前記グループの中から、前記入力データと前記予測モデルとを用いて前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムが分類されているグループが予測されて、予測されたそのグループに対して設定されている前記基準加工条件で前記加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムが前記加工装置により加工されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、分類した同一のグループに属する未加硫混練りゴムどうしはその特徴量どうしが類似するため、同じ加工条件であれば概ね同品質に加工できる。そして、それぞれのグループ毎に適した基準加工条件を予め設定していて、前記予測モデルも構築されている。そのため、未加硫混練りゴムを加工装置で加工する際には、加工装置に投入されるその未加硫混練りゴムの前記入力データを入力するだけで、それぞれの前記入力データを有する未加硫混練りゴムに適した加工条件を予め設定している基準加工条件として簡便に演算装置を用いて決定できる。その結果、特徴量が様々に異なっていても、所望の仕様に加工された未加硫混練りゴムを効率的に製造できる。
【0009】
また、グループの予測には入力データと教師あり機械学習により構築された予測モデルを用いる。それ故、未加硫混練りゴムの配合が新規の配合であっても、前記入力データがあれば、その未加硫混練りゴムが分類されるグループを予測でき、予測したそのグループに適した基準加工条件でその未加硫混練りゴムを加工できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
未加硫混練りゴムの加工システムの実施形態を例示する説明図である。
データセットを例示する説明図である。
未加硫混練りゴムの加工方法の実施形態の手順を例示するフロー図である。
主成分分析の結果を例示する説明図である。
クラスタリングの結果を例示する説明図である。
分類データセットを例示する説明図である。
プリセットデータを例示する説明図である。
入力データを例示する説明図である。
予測モデルを用いた予測結果を例示する説明図である。
変形例でのデータセットを例示する説明図である。
変形例での未加硫混練りゴムの加工方法の手順を例示するフロー図である。
時系列分析の結果を例示するグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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