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公開番号2025004570
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-15
出願番号2023104339
出願日2023-06-26
発明の名称タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
出願人横浜ゴム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 15/00 20060101AFI20250107BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、タイヤにしたときに優れたグリップ性能及び耐サーキット摩耗性を示すタイヤ用ゴム組成物、並びに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供することを課題とする。
【解決手段】変性共役ジエン系ゴム(A1)を含むゴム成分(A)と、カーボンブラック及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種からなる充填剤(B)と、オイル、液状ポリマー及び熱可塑性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種からなる可塑剤(C)とを含有し、変性共役ジエン系ゴム(A1)が、特定の式を満たし、且つ、窒素原子、ケイ素原子及びそれに隣接する酸素原子を含む変性基を有する、共役ジエン系ゴムであり、変性共役ジエン系ゴム(A1)、充填剤(B)及び可塑剤(C)を所定量含有する、タイヤ用ゴム組成物。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
変性共役ジエン系ゴム(A1)を含むゴム成分(A)と、
カーボンブラック及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種からなる充填剤(B)と、
オイル、液状ポリマー及び熱可塑性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種からなる可塑剤(C)とを含有し、
前記変性共役ジエン系ゴム(A1)が、下記式(1)を満たし、且つ、窒素原子、ケイ素原子及びそれに隣接する酸素原子を含む変性基を有する、共役ジエン系ゴムであり、
前記ゴム成分(A)中の前記変性共役ジエン系ゴム(A1)の割合が、50質量%以上であり、
前記充填剤(B)の含有量が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して100質量部以上であり、
前記可塑剤(C)の含有量が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して100質量部以上である、タイヤ用ゴム組成物。
IVw
10%
≦3.1×10
-6
×Mw
10%
-2.77 (1)
式(1)中のMw
10%
及びIVw
10%
については以下のとおりである。
変性共役ジエン系ゴムについて示差屈折率検出器及び粘度検出器を検出器とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定を行う。示差屈折率検出器によるクロマトグラムのピークのうち、ピーク全体の面積の10%の面積となる高分子量側の部分を用いて求められた重量平均分子量をMw
10%
とする。また、粘度検出器によるクロマトグラムのピークのうち、ピーク全体の面積の10%の面積となる高分子量側の部分を用いて求められた重量平均固有粘度をIVw
10%
とする。ただし、重量平均固有粘度の単位はdL/gである。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記変性共役ジエン系ゴム(A1)が、下記式(2)を満たす、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
St+Vn≦50質量% (2)
式(2)中、Stは、変性共役ジエン系ゴム全体に対するスチレンに由来する繰り返し単位の割合(質量%)を表し、Vnは、変性共役ジエン系ゴム全体に対する共役ジエンに由来する1,2-ビニル構造の繰り返し単位の割合(質量%)を表す。
【請求項3】
前記変性共役ジエン系ゴム(A1)が、
3分岐以上の星形構造を有し、前記星形構造の少なくとも1つの分岐鎖がアルコキシシリル基又はハロシリル基を含むビニル系単量体に由来する部分を有し、
前記部分において、さらなる主鎖分岐構造を有する、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
前記充填剤(B)が、少なくともカーボンブラックを含み、
前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して100~200質量部である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項5】
前記充填剤(B)が、少なくともカーボンブラックを含み、
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が180m

/g以上である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項6】
前記可塑剤(C)が、少なくとも熱可塑性樹脂を含み、
前記熱可塑性樹脂が、テルペン系樹脂、C5/C9系樹脂、C9系樹脂、DCPD系樹脂、DCPD/C9系樹脂、水添C5/C9系樹脂、水添C9系樹脂、水添DCPD系樹脂、及び、水添DCPD/C9系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造された、タイヤ。
【請求項8】
レース用に用いられる、請求項7に記載のタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、性能向上の観点から、カーボンブラック及びシリカなどの充填剤を配合したタイヤ用ゴム組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-28902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、安全性等の観点から、タイヤ(特に、レース用タイヤ)に対して、グリップ性能、及び、耐サーキット摩耗性(サーキット走行等の高シビアリティ条件下での耐摩耗性)のさらなる向上が求められている。
このようななか、本発明者らが特許文献1等に記載の従来のタイヤ用ゴム組成物について検討したところ、タイヤにしたときのグリップ性能及び耐サーキット摩耗性についてさらなる改善が望ましいことが明らかになった。
【0005】
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、タイヤにしたときに優れたグリップ性能及び耐サーキット摩耗性を示すタイヤ用ゴム組成物、並びに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ゴム成分として特定の変性共役ジエン系ゴムを所定量配合し、充填剤及び可塑剤の種類と配合量を最適化することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
【0007】
[1] 変性共役ジエン系ゴム(A1)を含むゴム成分(A)と、
カーボンブラック及びシリカからなる群より選択される少なくとも1種からなる充填剤(B)と、
オイル、液状ポリマー及び熱可塑性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種からなる可塑剤(C)とを含有し、
上記変性共役ジエン系ゴム(A1)が、下記式(1)を満たし、且つ、窒素原子、ケイ素原子及びそれに隣接する酸素原子を含む変性基を有する、共役ジエン系ゴムであり、
上記ゴム成分(A)中の上記変性共役ジエン系ゴム(A1)の割合が、50質量%以上であり、
上記充填剤(B)の含有量が、上記ゴム成分(A)100質量部に対して100質量部以上であり、
上記可塑剤(C)の含有量が、上記ゴム成分(A)100質量部に対して100質量部以上である、タイヤ用ゴム組成物。
IVw
10%
≦3.1×10
-6
×Mw
10%
-2.77 (1)
式(1)中のMw
10%
及びIVw
10%
については以下のとおりである。
変性共役ジエン系ゴムについて示差屈折率検出器及び粘度検出器を検出器とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定を行う。示差屈折率検出器によるクロマトグラムのピークのうち、ピーク全体の面積の10%の面積となる高分子量側の部分を用いて求められた重量平均分子量をMw
10%
とする。また、粘度検出器によるクロマトグラムのピークのうち、ピーク全体の面積の10%の面積となる高分子量側の部分を用いて求められた重量平均固有粘度をIVw
10%
とする。ただし、重量平均固有粘度の単位はdL/gである。
[2] 上記変性共役ジエン系ゴム(A1)が、下記式(2)を満たす、[1]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
St+Vn≦50質量% (2)
式(2)中、Stは、変性共役ジエン系ゴム全体に対するスチレンに由来する繰り返し単位の割合(質量%)を表し、Vnは、変性共役ジエン系ゴム全体に対する共役ジエンに由来する1,2-ビニル構造の繰り返し単位の割合(質量%)を表す。
[3] 上記変性共役ジエン系ゴム(A1)が、
3分岐以上の星形構造を有し、上記星形構造の少なくとも1つの分岐鎖がアルコキシシリル基又はハロシリル基を含むビニル系単量体に由来する部分を有し、
上記部分において、さらなる主鎖分岐構造を有する、[1]または[2]に記載のタイヤ用ゴム組成物。
[4] 上記充填剤(B)が、少なくともカーボンブラックを含み、
上記カーボンブラックの含有量が、上記ゴム成分(A)100質量部に対して100~200質量部である、[1]~[3]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[5] 上記充填剤(B)が、少なくともカーボンブラックを含み、
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が180m

/g以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[6] 上記可塑剤(C)が、少なくとも熱可塑性樹脂を含み、
上記熱可塑性樹脂が、テルペン系樹脂、C5/C9系樹脂、C9系樹脂、DCPD系樹脂、DCPD/C9系樹脂、水添C5/C9系樹脂、水添C9系樹脂、水添DCPD系樹脂、及び、水添DCPD/C9系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]~[5]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造された、タイヤ。
[8] レース用に用いられる、[7]に記載のタイヤ。
【発明の効果】
【0008】
以下に示すように、本発明によれば、タイヤにしたときに優れたグリップ性能及び耐サーキット摩耗性を示すタイヤ用ゴム組成物、並びに、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、GPCのクロマトグラムの一例である。
図2は、本発明のタイヤの実施態様の一例を表す部分断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物等について説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
また、タイヤ用ゴム組成物について、タイヤにしたときのグリップ性能及び耐サーキット摩耗性をそれぞれ単に「グリップ性能」及び「耐サーキット摩耗性」とも言う。
また、本明細書において、10のべき乗をEで表すことがある。例えば、E+5は10の5乗を表す。
(【0011】以降は省略されています)

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