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公開番号
2024166337
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2024160431,2019152588
出願日
2024-09-17,2019-08-23
発明の名称
リコピンの異性化方法、シス異性体リコピン含有組成物及びその製造方法
出願人
カゴメ株式会社
代理人
主分類
C07C
5/22 20060101AFI20241121BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明が解決しようとする課題は、トランス体リコピンからシス異性体リコピンへの異性化の効率化である。
【解決手段】本願発明者が鋭意検討して見出したのは、環状ポリスルフィド又はヨウ素をリコピンの異性化触媒として用いることである。すなわち、リコピン、油脂及び異性化触媒を混合し、加熱をすることにより、リコピンを効率的にトランス体からシス異性体に異性化する方法、並びに、シス異性体リコピン含有組成物及びその製造方法を提供することである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シス異性体リコピン含有組成物の製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、次の工程である:
混合:ここで混合されるのは、少なくとも、リコピン、油脂及び異性化触媒であり、
加熱:ここで加熱されるのは、リコピン、油脂及び異性化触媒であり、その時期は、混合と同時又は混合後であり、
前記リコピンの由来は、トマト加工品であり、
当該トマト加工品は、トマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト、トマトパルプ、及びトマトパウダーのうち、何れか一つ以上であり、
前記リコピン含有組成物におけるリコピンの濃度は、0.13mM以上であり、
前記異性化触媒は、環状ポリスルフィドであり、
前記環状ポリスルフィドは、レンチオニンである。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
請求項1の製造方法であって、
混合される異性化触媒あたりのリコピンの濃度(総リコピン(mM)/異性化触媒(mM))は、13以下である。
【請求項3】
シス異性体リコピン含有組成物であって、それが含有するのは、次のとおりである:
シス異性体リコピン: ここで、総リコピンあたりのシス異性体リコピン(シス異性体リコピン(mM)/総リコピン(mM))は、0.39以上であり、
前記リコピン含有組成物におけるリコピンの濃度は、0.13mM以上であり、
異性化触媒: ここで、異性化触媒は、環状ポリスルフィドであり、
及び、
油脂であり、
前記環状ポリスルフィドは、レンチオニンである。
【請求項4】
請求項3のシス異性体リコピン含有組成物であって、
総リコピンあたりの5-シスリコピン(5-シスリコピン(mM)/総リコピン(mM))は、0.071以上である。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明が関係するのは、リコピンの異性化方法、シス異性体リコピン含有組成物及びその製造方法である。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
リコピンは、トマトに含まれている赤い色素であり、天然に存在するカロテノイド化合物の一種である。リコピンは、強い抗酸化作用を有しており、飲食品、化粧品、医薬品、動物用飼料などへの添加物として広く使用されている。リコピンには11個の共役π結合があるため、様々なシス体が存在しており、シス異性体リコピン(11個の共役π結合のうち、1個でもシス型を含む異性体)は、トランス体リコピンよりも腸管吸収性が良いことが知られている(非特許文献1)。中でも、5-シスリコピンはトランス体リコピンやその他のシス異性体リコピンに比べて、安定性が高く、抗酸化能も高いことが知られている(非特許文献2、3)。しかしながら、市販のリコピン組成物において、シス異性体リコピンの含有率は低く、多くはトランス体リコピンであり、腸管吸収性を向上させるためには、シス異性体リコピンが多く含まれる組成物が求められる。
【0003】
リコピンをトランス体からシス体へ異性化する方法として、特許文献1が開示するのは、リコピンを有機溶媒中でヨウ素を触媒として光異性化する方法である。特許文献2及び3が開示するのは、リコピンを有機溶媒中で固体触媒とともに加熱する方法である。特許文献4が開示するのは、リコピンを有機溶媒に溶解させて特定波長の光を照射する方法である。特許文献5が開示するのは、リコピンを胡麻油中に溶解・分散させて加熱する方法である。特許文献6が開示するのは、リコピンを超臨界抽出し加熱する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2007-522166号公報
特表2010-500302号公報
特表2010-502572号公報
特表2015-051929号公報
特開2017-001959号公報
特開2017-019756号公報
【非特許文献】
【0005】
ファイラ(Failla)、他2名、Journal of Nutrition、2008年、第138巻、第482~486ページ。
ケイス(Chasse)、他10名、Journal of Molecular Structure (Theochem)、2001年、第571巻、第27~37ページ。
ミュラー(Muller)、他5名、Journal of Agricultural and Food Chemistry、2011年、第59巻、第4504~4511ページ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、トランス体リコピンからシス異性体リコピンへの異性化の効率化である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上を踏まえて、本願発明者が鋭意検討して見出したのは、環状ポリスルフィド又はヨウ素を異性化触媒として用いて、リコピン及び油脂と混合して異性化反応を行うことである。すなわち、リコピン、油脂及び異性化触媒を混合し、加熱をすることにより、リコピンを効率的にトランス体からシス異性体に異性化する方法、並びに、シス異性体リコピン含有組成物及びその製造方法である。この観点から、本発明を定義すると、以下のとおりである。
【0008】
本発明に係るシス異性体リコピン含有組成物の製造方法を構成するのは、少なくとも、混合工程及び加熱工程である。混合工程において、少なくとも、リコピン、油脂及び異性化触媒が混合される。加熱工程において、リコピン、油脂及び異性化触媒が加熱される。加熱工程の時期は、混合と同時又は混合後である。異性化触媒は、環状ポリスルフィド又はヨウ素である。ここで、混合される異性化触媒あたりのリコピンの濃度(総リコピン(mM)/異性化触媒(mM))は、13以下であることが好ましい。加熱温度は40℃以上であればよく、80℃以上であることが好ましい。環状ポリスルフィドは、レンチオニンであることが好ましく、その由来は、食経験の豊富な食材であり、例えば、Lentinus属のキノコである。Lentinus属のキノコの中でも、椎茸であることが好ましく、乾燥されたものがより好ましい。ヨウ素の由来は、食経験の豊富な食材であり、例えば、海藻類又は魚介類であることが好ましい。
【0009】
本発明に係るリコピンの異性化方法を構成するのは、少なくとも、混合工程及び加熱工程である。混合工程において、少なくとも、リコピン、油脂及び異性化触媒が混合される。加熱工程において、リコピン、油脂及び異性化触媒が加熱される。加熱工程の時期は、混合と同時又は混合後である。異性化触媒は、環状ポリスルフィド又はヨウ素である。ここで、混合される異性化触媒あたりのリコピンの濃度(総リコピン(mM)/異性化触媒(mM))は、13以下であることが好ましい。
【0010】
本発明に係るシス異性体リコピン含有組成物が含有するのは、シス異性体リコピン、油脂及び異性化触媒である。総リコピンあたりのシス異性体リコピン(シス異性体リコピン(mM)/総リコピン(mM))は、0.39以上であり、異性化触媒は、環状ポリスルフィド又はヨウ素である。さらに、総リコピンあたりの5-シスリコピン(5-シスリコピン(mM)/総リコピン(mM))は、0.071以上である。環状ポリスルフィドは、レンチオニンであることが好ましく、その由来は、食経験の豊富な食材であり、例えば、Lentinus属のキノコである。Lentinus属のキノコの中でも、椎茸であることが好ましく、乾燥されたものがより好ましい。ヨウ素の由来は、食経験の豊富な食材であり、例えば、海藻類、または魚介類であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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