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公開番号2024166223
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024152332,2020549605
出願日2024-09-04,2019-03-15
発明の名称マクロファージベース療法
出願人ザ ユニバーシティ コート オブ ザ ユニバーシティ オブ エジンバラ
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/0786 20100101AFI20241121BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ヒトにおける非極性化単球由来成熟マクロファージの投与及び肝硬変の治療におけるそれらの効果は、これまでに評価されていない。
【解決手段】本発明は、肝疾患の治療における使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ、及びそれを必要とするヒトの線維症を治療する方法における使用のためのマクロファージに関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
肝疾患の治療における使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記マクロファージが単球由来である、請求項1に記載の使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ。
【請求項3】
前記マクロファージが成熟マクロファージである、請求項1又は2に記載の使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ。
【請求項4】
前記マクロファージが、マクロファージ供給源細胞における発現と比較して少なくとも5倍である少なくとも1つの表面25F9又はCD206の上昇した発現によって特徴付けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ。
【請求項5】
前記マクロファージが、CD163及びCD169の1つ又は複数の発現の上昇によって更に特徴付けられる、請求項4に記載の使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ。
【請求項6】
前記非極性化マクロファージが、罹患した患者の末梢血から単離されたCD14+単球から調製される、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ。
【請求項7】
前記CD14+単球が、100ng/mlの濃度でM-CSFと共に7日間インキュベートされる、請求項6に記載の使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージ。
【請求項8】
それを必要とするヒトの線維症を治療する方法における使用のためのマクロファージ。
【請求項9】
それを必要とするヒトに前記マクロファージの1回又は複数回用量を投与することによって、線維症を治療するための請求項8に記載のマクロファージ。
【請求項10】
前記マクロファージが、前記ヒト自身のPBMC、健康ドナーPBMC、又は骨髄を含む幹細胞、胚性幹細胞若しくは人工多能性幹細胞に由来する、請求項8又は9に記載のマクロファージ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
肝硬変は西欧諸国の主要な健康問題である。英国では、肝疾患が第5位の死亡原因であり、2010年における100万人を超える死は肝硬変の結果であると推定された。この疾患は、進行性組織損傷、線維性瘢痕及び肝機能喪失による高いレベルの罹患率に関連しており、末期疾患の唯一の治療選択肢は肝移植である。しかしながら、ドナー臓器の利用性は需要を満たすことができず、末期肝疾患の患者はしばしば移植に好適ではない。移植を受けた者は、健康リスクの増加を伴う生涯にわたる免疫抑制が必要となる。2015年には、611人の患者が英国の生体肝移植のリストに載っていたと報告されている。患者は、肝移植を受けるまで、最大2年間待機している可能性がある。登録後1年の時点で、患者の17%は依然として肝移植リスト上で待機していた。同様に、米国では、肝移植待機リスト(LTWL)上に、ドナー臓器を特定できない可能性がある多くの患者がいる。約1700人の患者が、毎年待機リスト上で死亡するか、又は健康の悪化によりリストから除外される一方で、約6500人が、6か月以上リストに載っている。末期肝疾患の治療は、世界的に大きな関心事となっている。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
肝疾患の非代償性期末への移行を防止又は遅延させる代替療法が緊急に必要である。
【0003】
肝硬変の病理は、高アルコール消費、肥満、代謝障害、ウイルス感染、又は自己免疫疾患等の多数の原因因子によって駆動され、健康な肝細胞組織及び肝臓構造が徐々に失われ、筋線維芽細胞由来の線維性瘢痕に置き換わる。例えば、アルコール、ウイルス等、肝臓の損傷を促進する因子が除外されると、肝線維症は少なくとも部分的に可逆的であり、肝臓の再生が可能となることがますます認識されてきている。
【0004】
実験的肝障害後の肝再生の動物モデルは、マクロファージが線維性肝疾患の制御と修復に重要な役割を果たす可能性があることを示している。肝臓のマクロファージは、常在性クッパー細胞及び補充された造血性由来のマクロファージを含む、細胞の不均一な集団であり、食作用等を含む傷害後の肝臓の再生応答において多様な役割を持ち、免疫寛容、肝星細胞の活性化/サイトカインの産生及び細胞外マトリックスの分解を介する炎症及び線維化の促進と解消の両方を維持する。
【0005】
肝疾患へのマクロファージ指向治療アプローチがいくつか報告されている(例えば、Tackeら、J. Hepatology 2017; 66:1300~1312頁でレビューされるように)が、マクロ病状におけるファージ機能及び相互作用の複雑な性質に起因した様々な課題に直面している。更に、マクロファージサブセットは全く反対の機能が発揮されることがあり、治療的介入のためには、投与するマクロファージの特定の特性、並びにそれらの最適な投与量及びタイミングを慎重に検討し、確立する必要があることを示唆する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ヒトにおける非極性化単球由来成熟マクロファージの投与及び肝硬変の治療におけるそれらの効果は、これまでに評価されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、第1の態様では、本発明は、肝疾患の治療における使用のための自家単離非極性化ヒトマクロファージを提供する。
【0008】
一部の実施形態では、本発明の任意の態様又は実施形態に従って使用するための非極性化ヒトマクロファージは、単球由来である。一部の実施形態では、本発明の任意の態様又は実施形態に従って使用するための非極性化ヒトマクロファージは、成熟マクロファージである。適切には、本発明に従って使用するためのマクロファージは、25F9又はCD206等の少なくとも1つのマクロファージ関連表面マーカーの高発現又は上昇発現を特徴とする;一部の実施形態では、発現は、前駆細胞又は新しく単離された末梢血単球等の供給源細胞上のこれらのマーカーの発現レベルと比較して、「高い」又は「上昇」している。他の表面マーカーには、CD163又はCD169の1つ又は複数の存在及び/又は高発現が含まれる。一部の実施形態では、0日目の単離されたCD14+単球と比較して、CD93の欠如及び炎症性サイトカイン受容体CCR2の減少が検出され得る。特定の実施形態では、非極性化マクロファージは、CD45/CD14の陽性発現により特徴付けられ、80%を超える生存率を有し、表面マーカー25F9及びCD206については、0日目の元の単球のMFIよりも5倍以上高いMFI(平均蛍光強度)を有する。
【0009】
一実施形態では、本発明の任意の態様又は実施形態に従って使用するための自家単離非極性化ヒトマクロファージは、罹患患者の末梢血から単離されたCD14+単球から調製される。適切には、これらのCD14+単球をM-CSFと少なくとも48時間、又は3~5日間、又は7日間インキュベートする。一部の実施形態では、M-CSFは、約100ng/mlの濃度で使用されるが、これは、所望の特性を有する非極性化マクロファージを得るために変動し得ることが理解されよう。一実施形態では、本発明の任意の態様又は実施形態に従って使用するための非極性化マクロファージは、本明細書の実施例に記載されているプロセスによって取得されるか、又は取得可能である。特に、本プロセスは、本明細書の実施例4A又は実施例4Bに記載されている通りである。さらなる態様では、本発明は、実施例4A又は実施例4Bに記されるプロセスによって取得されるか、又は取得可能である自家マクロファージを提供する。一部の実施形態では、単球は、本明細書に記載されるように、T細胞培地中でインキュベートされる。
【0010】
一部の実施形態では、本発明に従った自家単離非極性化ヒトマクロファージは、肝硬変における使用のためのものであり、好ましくは、肝硬変は、高アルコール消費、肥満、代謝障害又はウイルス感染のいずれかによって引き起こされ、最も好ましくは、アルコール誘発肝硬変、NASH又はHCVである。
(【0011】以降は省略されています)

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