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公開番号2024165733
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082198
出願日2023-05-18
発明の名称ゴム組成物及びタイヤ
出願人TOYO TIRE株式会社
代理人弁理士法人蔦田特許事務所
主分類C08L 15/00 20060101AFI20241121BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】水添ジエン系ゴムを含むゴム組成物を高強度化する。
【解決手段】実施形態に係るゴム組成物は、水添ジエン系ゴムを含むゴム成分と、芳香族リン酸エステル金属塩を含む核剤と、を含む。水添ジエン系ゴム100質量部に対する核剤の量は0.05~10質量部である。水添ジエン系ゴムは、水添スチレンブタジエンゴム及び/又は水添アクリロニトリルブタジエンゴムであることが好ましい。該ゴム組成物は、さらに充填剤を、ゴム成分100質量部に対して10~200質量部含んでもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水添ジエン系ゴムを含むゴム成分と、芳香族リン酸エステル金属塩を含む核剤と、を含み、前記水添ジエン系ゴム100質量部に対する前記核剤の量が0.05~10質量部である、ゴム組成物。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記水添ジエン系ゴムが水添スチレンブタジエンゴム及び/又は水添アクリロニトリルブタジエンゴムである、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記水添ジエン系ゴムの水素添加率が70~99モル%である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項4】
さらに充填剤を含み、前記ゴム成分100質量部に対する前記充填剤の量が10~200質量部である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製されたタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いたタイヤに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
タイヤなどのゴム製品について、昨今サステナブルの観点などからさらなる長寿命化が求められている。タイヤの長寿命化のためには耐摩耗性の向上が求められ、そのためには強度、すなわち抗張積の高いゴム組成物が求められる。
【0003】
水添スチレンブタジエンゴムは、非水添のスチレンブタジエンゴムよりも高強度であり、その理由は架橋の不均質によるなどの報告がある(特許文献1の[0087]参照)。しかしながら、水添スチレンブタジエンゴムが高強度となるメカニズムについては不明な部分が多く、高強度化にはまだ改善の余地がある。
【0004】
ところで、天然ゴムは伸長結晶化により高強度の特性を発現することが知られている。これに対し、合成ジエン系ゴムは、天然ゴムほどには伸長結晶化が発現しない。そこで、合成ジエン系ゴムの結晶化を促進して高強度化を図るために核剤を配合することが提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2には、ジエン系ゴムに、結晶核剤としてパラフィン類又は高級飽和脂肪酸と、可塑剤として低分子量ジエン重合体又は脂肪酸エステルを配合することが開示されている。特許文献3には、ジエン系ゴムに、成核剤として二金属テトラカルボキシレートを配合することによりひずみ誘起結晶化を促進することが開示されている。
【0006】
一方、樹脂材料において核剤を添加することが知られている。樹脂材料の場合、溶融状態で加工後、脱型する際に冷却する必要があり、核剤を添加することで脱型温度を高めて生産性を向上することができる。このように樹脂材料における核剤は、ポリマーの結晶化工程で核生成を促進することにより均一で微細な結晶の生成に役立つものであり、ゴム材料の場合とは目的が大きく異なる。例えば、特許文献4には、オレフィン系樹脂に、芳香族リン酸エステル金属塩を含む核剤を添加し、これによりオレフィン系樹脂の結晶化速度を高めて特性を改善することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-138967号公報
特開平9-31248号公報
特表2017-537176号公報
国際公開第2020/153343号
【非特許文献】
【0008】
高木隆一他「加硫ゴム材料の伸長変形過程におけるESR情報」、日本ゴム協会誌、第83巻第10号、p311-317、2010年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、水添スチレンブタジエンゴムなどの水添ジエン系ゴムが高強度である要因が伸長結晶化によるものであるとの仮説を立て、従来はオレフィン系樹脂に用いられている核剤を水添ジエン系ゴムに適用することにより、伸長結晶化による高強度化を図れるのではないかと考えた。
【0010】
なお、非特許文献1には、水添アクリロニトリルブタジエンゴムが伸長結晶化により高強度化することが示されているが、この伸長結晶化を促進する核剤として芳香族リン酸エステル金属塩を用いることは記載されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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