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公開番号2024165437
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081647
出願日2023-05-17
発明の名称インドシアニングリーン誘導体を有する共重合体、光増感剤、医薬組成物、および、その製造方法
出願人国立研究開発法人物質・材料研究機構,国立大学法人 筑波大学
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類C08F 220/00 20060101AFI20241121BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】光温熱療法において光増感剤として使用可能な新規共重合体を提供する。
【解決手段】以下の式(I)で示される繰り返し単位と式(II)で示される繰り返し単位とを含む共重合体である。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024165437000015.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">69</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">103</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の式(I)で示される繰り返し単位と式(II)で示される繰り返し単位とを含む共重合体。
TIFF
2024165437000011.tif
69
106
(式(I)または(II)中、


及びR

は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、


、R

及びR

は、それぞれ独立して、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、炭素数7~10のアラルキル基、または式:R

-C(=O)-(式中、R

は、OH基、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシル基、または無置換若しくは置換アミノ基を表す)の基を表し、


及びL

は、それぞれ独立して、OまたはNHであり、


及びL

は、2価の基であり、
Zは、式(III)または式(IV)で表され、
JPEG
2024165437000012.jpg
52
168
Xは、アニオンを表す。)
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記L

及びL

は、それぞれ独立して、炭素数1~5の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3~5の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数5~10の二価の環状脂肪族炭化水素基、炭素数5~10の二価の芳香族炭化水素基、-O-、-S-、-N(R

)-(式中、R

は、水素原子、または炭素数1~12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す)、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-O-C(=O)-NH-、-S(=O)-、-S(=O)-O-、-S(=O)

-、-S(=O)

-O-、-CH=N-、またはこれらを組み合わせた基である、請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
前記共重合体の全繰り返し単位数に対する、式(II)で表される繰り返し単位数の割合が、1~50%である、請求項1に記載の共重合体。
【請求項4】
式(I)で示される繰り返し単位数に対する式(II)で表される繰り返し単位数の比((II)/(I))が、1/1000~1/2である、請求項1に記載の共重合体。
【請求項5】
式(II)で表される構成単位を、1または2つ有する、請求項1に記載の共重合体。
【請求項6】


及びR

は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1~3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、


、R

及びR

は、それぞれ独立して、炭素数1~3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、


は、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレンを表し、


は、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレンを表す、
請求項1に記載の共重合体。
【請求項7】





、R

、R

及びR

は、-CH

を表し、


は、-O-を表し、


は、-NH-を表し、


は、-CH

-CH

-を表し、


は、-CH

-CH

-CH

-を表し、
Xは、Clを表し、
Zは、式(III)で表される、
JPEG
2024165437000013.jpg
43
79
請求項6に記載の共重合体。
【請求項8】
分子量(MW)は、1000~100000である、請求項1に記載の共重合体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の共重合体を含む、光温熱療法用の光増感剤。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の共重合体を含む、医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、四級アンモニウムカチオンを有する繰り返し単位と、インドシアニングリーンまたはインドシアニングリーン誘導体を有する繰り返し単位とを含む共重合体、それを含む光温熱療法用の光増感剤、ならびにそれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
光温熱療法は、光を吸収し発熱する物質を腫瘍組織に局在させ、当該物質に光を照射して腫瘍を加温することで抗腫瘍効果を得る、がん治療方法である。腫瘍を加温することで、腫瘍細胞のアポトーシスが誘導され、腫瘍細胞の薬剤耐性や免疫などの性質が変化することが知られており、光温熱療法は、このような特性を利用してがん細胞を死滅させるものである。
【0003】
インドシアニングリーン(ICG)は、臨床的に安全性が確認されている近赤外(NIR)色素であり、乳癌のセンチネルリンパ節の同定等で臨床でも広く使用されている。800nm付近の波長の光を吸収し発熱する特徴を有しており、この特性を利用して、近年ではICGの光温熱療法への利用が試みられている。ICGを用いる光温熱療法は、一般的に、ICGを局所投与した後レーザーを投与部位に複数回照射するプロトコールで実施されるが、抗腫瘍効果は高くないのが現状であり、少ないNIR照射回数で十分な治療効果が得られる光温熱療法に対するニーズが存在する。
【0004】
これに対して、カチオン脂質である1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)を組み込んだリポソームにインドシアニングリーンを静電気的に吸着させることで、ICGの光学特性が向上し、光温熱療法におけるICGの有効性が改善することが示されている(非特許文献1)。
しかし、このリポソームに吸着させたICGでは、生体内投与後、迅速にリポソームから漏れ出すといった問題がある。
【0005】
ところで、本発明者らは、四級アンモニウムカチオンを有する繰り返し単位と、ポルフィリン化合物またはその塩を有する繰り返し単位とを含む共重合体を含む光増感剤が、腫瘍組織内に局所的に長期間残存することを見出し、この特性を利用して、腫瘍組織のマーキング剤または光線力学的治療法における光増感剤として使用することを提案している(特許文献1)。この共重合体を光線力学的治療法で利用する場合、光増感剤を腫瘍組織に局所的に投与した後は、比較的長期間にわたって追加の投与なしで、赤色可視光を繰り返し照射するだけで、腫瘍組織の増大を抑制することができるものである。もっとも、この報告は、四級アンモニウムカチオンを有する共重合体とすることで、ポルフィリン化合物の光学特性を変えたり、共重合体の細胞内取り込みや細胞内分布の挙動を変えることを教示するものではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Miranda,Dyego,et al.“Indocyanine green binds to DOTAP liposomes for enhanced optical properties and tumor photoablation.”Biomaterials science 7.8(2019):3158-3164.
【特許文献】
【0007】
国際公開第2023/013175号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、光温熱療法において光増感剤として使用した際に、優れた抗腫瘍活性を有する、共重合体およびその製造方法、ならびにその共重合体を含む光温熱療法用の光増感剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を達成すべく、ICGをそのまま投与する従来の光温熱療法で治療効果が低い原因を探求し、ICG単体では、周囲の温度上昇率が大きくないことに加え、細胞内への取り込み量は多くなく細胞内では細胞全体に拡散していた。また、ICGをそのまま投与する従来の光温熱療法では、実際、アポトーシスが然程誘導されていないことも確認した。
そこで、これらの特性を改善すべく検討を重ね、四級アンモニウムカチオンとインドシアニングリーンとの共重合体を用いてこれらの特性を調べたところ、周囲の温度上昇率が増大するとともに、細胞内への取り込み量が増大し、細胞内ではエンドソーム内に局在しているという興味深い知見を得た。また、アポトーシスが照射直後から誘導され、がん細胞殺傷効果が大幅に改善されることを確認した。
【0010】
本発明は、このような知見に基づくものであり、以下の共重合体およびその製造方法、ならびにその共重合体を含む光温熱療法用の光増感剤を提供する。
[1] 以下の式(I)で示される繰り返し単位と式(II)で示される繰り返し単位とを含む共重合体。
JPEG
2024165437000001.jpg
69
106
(式(I)または(II)中、


及びR

は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、


、R

及びR

は、それぞれ独立して、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数5~10のシクロアルキル基、炭素数7~10のアラルキル基、または式:R

-C(=O)-(式中、R

は、OH基、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシル基、または無置換若しくは置換アミノ基を表す)の基を表し、


及びL

は、それぞれ独立して、OまたはNHであり、


及びL

は、2価の基であり、
Zは、式(III)または式(IV)で表され、
JPEG
2024165437000002.jpg
52
168
Xは、アニオンを表す。)
[2] 前記L

及びL

は、それぞれ独立して、炭素数1~5の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3~5の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数5~10の二価の環状脂肪族炭化水素基、炭素数5~10の二価の芳香族炭化水素基、-O-、-S-、-N(R

)-(式中、R

は、水素原子、または炭素数1~12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す)、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-O-C(=O)-NH-、-S(=O)-、-S(=O)-O-、-S(=O)

-、-S(=O)

-O-、-CH=N-、またはこれらを組み合わせた基である、[1]に記載の共重合体。
[3] 前記共重合体の全繰り返し単位数に対する、式(II)で表される繰り返し単位数の割合が、1~50%である、[1]または[2]に記載の共重合体。
[4] 式(I)で示される繰り返し単位数に対する式(II)で表される繰り返し単位数の比((II)/(I))が、1/1000~1/2である、[1]~[3]のいずれかに記載の共重合体。
[5] 式(II)で表される構成単位を、1または2つ有する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の共重合体。
[6] R

及びR

は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1~3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、


、R

及びR

は、それぞれ独立して、炭素数1~3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表し、


は、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレンを表し、


は、炭素数1~5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレンを表す、
[1]~[5]のいずれか一項に記載の共重合体。
[7] R




、R

、R

及びR

は、-CH
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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