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公開番号
2024164151
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-26
出願番号
2024141107,2023547198
出願日
2024-08-22,2023-04-26
発明の名称
医薬製剤含有フィルター内蔵シリンジ
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
9/08 20060101AFI20241119BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】シリンジに充填された溶液製剤中の粒子を投与直前に除去することができる製剤、及び注射用製剤に含まれる目視により検出可能な粒子を除去する方法を提供する。
【解決手段】溶液がシリンジに充填された注射用製剤であって、シリンジが、先端部60及び基端部を有する筒状に形成され、内部に収容した溶液を外部に注出するための注出孔64が先端部に設けられたバレル6と、バレルの内部において注出孔よりも基端側に配置されたフィルター8と、を備え、溶液が前記フィルターを介してフィルターの基端側から先端側に流入するように、フィルターが設けられており、フィルターがメンブレンであって、その材質が、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)、ポリスルホン(PS)及びアクリル共重合体から選択される1以上を含む、注射用製剤とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
溶液がシリンジに充填された注射用製剤であって、
シリンジが、
先端部及び基端部を有する筒状に形成され、内部に収容した溶液を外部に注出するための注出孔が前記先端部に設けられたバレルと、
前記バレルの内部において前記注出孔よりも基端側に配置されたフィルターと、を備え、
溶液が前記フィルターを介してフィルターの基端側から先端側に流入するように、フィルターが設けられており、
フィルターがメンブレンであって、その材質が、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)、ポリスルホン(PS)及びアクリル共重合体から選択される1以上を含む、注射用製剤。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
溶液がシリンジに充填された注射用製剤であって、
シリンジが、
先端部及び基端部を有する筒状に形成され、内部に収容した溶液を外部に注出するための注出孔が前記先端部に設けられたバレルと、
前記バレルの内部において前記注出孔よりも基端側に配置されたフィルターと、を備え、
溶液が前記フィルターを介してフィルターの基端側から先端側に流入するように、フィルターが設けられており、
フィルターがメンブレンであって、その材質が、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)、ポリスルホン(PS)及びアクリル共重合体から選択される1以上を含み、
当該溶液の排出において、排出された溶液から目視により検出可能な粒子を除去することができる、注射用製剤。
【請求項3】
メンブレンの材質が、アクリル共重合体である、請求項1又は2に記載の注射用製剤。
【請求項4】
アクリル共重合体が疎水性である、請求項3に記載の注射用製剤。
【請求項5】
フィルターが5μm以下、好ましくは5μmの孔径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の注射用製剤。
【請求項6】
フィルターの先端側には先端側副空間が設けられ、フィルターの基端側には基端側副空間が設けられ、バレルの軸心方向から視たとき、注出孔の面積は基端側副空間の面積よりも小さく、先端側副空間の面積よりも小さい、請求項1~5のいずれか一項に記載の注射用製剤。
【請求項7】
シリンジが、前記バレル内部の空間を基端側空間と先端側空間とに仕切る仕切手段を備え、
前記仕切手段は、前記バレルの内面に対して液密に接触するように配置される筒状のハウジングと、該ハウジングの内部を介して前記基端側空間と前記先端側空間とが連通又は非連通となるように前記ハウジングの内部に対して開閉可能に配置された中栓部とを備え、
前記ハウジングは、閉時係合部を有し、
前記中栓部は、前記閉時係合部に対して基端側から係合する閉時被係合部を有し、
前記仕切手段は、前記バレル内部に基端側から挿入されるピストンにより基端側から押圧力がかかると、前記閉時係合部及び前記閉時被係合部のうち一方が他方を乗り越えて、前記閉時係合部と前記閉時被係合部との係合が解除され、前記中栓部が前記ハウジングの内部に対して開放されて前記基端側空間と前記先端側空間とが連通するように構成されており、
前記フィルターがハウジングの先端側部分に保持された、請求項1~6のいずれか一項に記載の注射用製剤。
【請求項8】
前記閉時係合部及び前記閉時被係合部の一方は、前記閉時係合部及び前記閉時被係合部の他方に対して、先端側と基端側とに配置されている、請求項7に記載の注射用製剤。
【請求項9】
中栓部の材質が、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であり、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)である、請求項7又は8に記載の注射用製剤。
【請求項10】
シリンジが、前記バレル内部の空間を基端側空間と先端側空間とに仕切る仕切手段を備え、
前記仕切手段は、前記バレルの内面に対して液密に接触するように配置される筒状のハウジングを備え、
フィルターがハウジングの先端側部分に保持された、請求項1~6のいずれか一項に記載の注射用製剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効成分を含有する溶液が容器に充填された医薬製剤に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、種々の抗体含有製剤が開発され実用に供されているが、多くの抗体含有製剤は静脈注射用製剤として用いられている。一方、医療現場のニーズにより、抗体含有製剤を自己注射可能な皮下注射用製剤として開発する要望が高くなっている。特に、シリンジに溶液が封入されているプレフィルドシリンジ製剤が、利便性から開発の要望が高い。
【0003】
皮下注射用の抗体含有製剤を設計するにあたっては、1回あたりの抗体投与量が大量となる一方で(80~200mg程度)、皮下注射では一般的に注射液量の制限があることから、投与液中の抗体の高濃度化が必須となっている。
【0004】
近年、自己注射用のプレフィルドシリンジ製剤として医療現場で使用される製剤では、内部に薬剤が充填された筒状の注射器本体と、前記注射器本体の先端に取り付けられた注射針と、着脱可能に取り付けられた注射針を覆うシリンジキャップと、前記注射器本体内に挿入され、該注射器本体の軸芯方向にスライド移動可能なプランジャとを備えたシリンジが使用されている。
【0005】
プレフィルドシリンジ製剤を使用する際には、シリンジキャップを取り外し、投与部位に針を挿入後、プランジャロッドでプランジャを前方に移動させることで、薬液を排出・投与する。一般的に、本プランジャの摺動性を確保するために、プレフィルドシリンジの内壁及びプランジャに潤滑剤であるシリコーンオイル等を塗布することが行われている。
【0006】
抗体含有製剤においては、水溶液中での粒子の形成が問題となる。形成する粒子としては、二量体や三量体といった多量体よりも大きい凝集体であるが、一般的に目で見るのは困難とされる、1.5μm~50μm未満までの粒径の微粒子であるサブビジブル粒子(sub-visible particle、SVP)や、標準照度(2,000-3,000 lx程度)で目視により検出可能な可視粒子(visible particle:VP、100μmより大きい)が知られている。なお、医薬製剤における可視粒子の目視による検出率は実施者による間差が大きいが、日本薬局方に規定されている標準照度(2,000-3,000lx程度)においては100μmの粒径の粒子の検出感度が40%程度、150μmの粒径の粒子の検出感度が70%程度、200μmの粒径の粒子の検出感度がほぼ100%となることが報告されている(非特許文献1)。また、医薬製剤を観察する照度を上げたり、観察時間を長くすることで、実際には最小40μm程度の更に小さな粒径の粒子まで目視で検出することも可能である。本明細書では、特にこのような40μm以上~100μmの粒子を高照度でのみ目視により検出可能な粒子と呼ぶ。また、40μm以上の粒径を有する粒子は、高照度で目視により検出可能な粒子であり、目視により検出可能な粒子と称する。
【0007】
一般的に抗体は気液界面や固液界面といった界面において凝集する性質を有している。これら界面の存在が上記目視により検出可能な粒子の形成に寄与している可能性がある。抗体溶液を充填したシリンジにメカニカルストレスを与えることで、界面の存在に起因する微粒子の顕著な増加が報告されている(非特許文献2)。シリンジに充填された抗体溶液においては、気泡が存在することで気液界面が生じ、プランジャ及びシリンジバレルと接触することで、固液界面を形成する。また、プレフィルドシリンジのプランジャ及びバレルがシリコーン塗布されている場合、抗体溶液は固相表面のシリコーンと接触し、新たな固液界面が生じる。また、固液界面に吸着し、凝集したタンパク質はプレフィルドシリンジ製剤の溶液中の空気の移動により、液中に剥がれ落ち、可視粒子として現れることも報告されている(非特許文献3)。
【0008】
このような水溶液中で形成されたタンパク性の粒子は、免疫原性のリスクを否定できないため、体内に投与されないことが望ましい。
また、抗体含有製剤に限らず、低分子化合物又は中分子化合物を有効成分として含有するプレフィルドシリンジ製剤においても、内在性異物や外来性異物の粒子が問題となり得る。
【0009】
バイアルに充填された製剤中の粒子を投与直前に除去する方法として、移注針に孔径5μmのフィルターを備えたフィルターニードルや輸液セット中のインラインフィルターを使用することが挙げられる。フィルターニードルはBDブラントフィルターニードル(日本ベクトン・ディッキンソン社)やSterifix(登録商標)(B Braun社)という製品名で市販されている。また、複数の内容物を混合して投与する注射器において、チャンバー内の空間を湿潤部分と乾燥部分に仕切る封止機構及びフィルターを有する注射器(特許文献1~3)や、アンプルの薬液を注射針を通じて吸い込んで注射針を使って注射する場合に、異物を注射器内でろ過するためのフィルターを装着した注射器(特許文献4)が知られている。一方で、プレフィルドシリンジ製剤中の粒子を投与直前に除去する方法はこれまで確立されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開第2007-508898号公報
特開第2019-051338号公報
特表第2005-537106号公報
特表第2015-536213号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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