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公開番号
2024162299
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023077672
出願日
2023-05-10
発明の名称
電磁アクチュエータ
出願人
株式会社ミクニ
代理人
個人
主分類
H01F
7/06 20060101AFI20241114BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】構造の簡素化、低コスト化、部品点数の削減を図りつつ、削り屑等の異物を排除でき、可動子の円滑な動作を保証し得る電磁アクチュエータを提供する。
【解決手段】可動子80、固定子10,20、ボビンモジュールBm、第1環状シール部材Sr
1
を備え、ボビンモジュールBmが、固定子を軸線の方向に通す貫通孔h、貫通孔の一端側開口h1の外側に隣接して形成され第1環状シール部材を受けるボビン側受け部51、貫通孔の一端側開口寄りにおいて内壁面32aから突出して形成された突出部34を含み、固定子10は、突出部に嵌合される外周嵌合部13、ボビン側受け部と協働して第1環状シール部材を受ける固定子側受け部14を含み、ボビンモジュール及び固定子は、外周嵌合部が突出部に嵌合された組付け状態において、突出部から外れた貫通孔の内部空間Isから第1環状シール部材まで連通する連通路Cpを画定する。
【選択図】図17
特許請求の範囲
【請求項1】
所定の軸線に沿って往復動する可動子と、前記可動子を前記軸線の方向に往復動自在に収容する固定子と、前記固定子の周りに配置されたボビンモジュールと、前記ボビンモジュールと前記固定子の間に介在する第1環状シール部材と、を備え、
前記ボビンモジュールは、前記固定子を前記軸線の方向に通す貫通孔と、前記貫通孔の一端側開口の外側に隣接して形成され前記第1環状シール部材を受けるボビン側受け部と、前記貫通孔の一端側開口寄りにおいて内壁面から突出して形成された突出部を含み、
前記固定子は、前記突出部に嵌合される外周嵌合部と、前記ボビン側受け部と協働して前記第1環状シール部材を受ける固定子側受け部を含み、
前記ボビンモジュール及び前記固定子は、前記外周嵌合部が前記突出部に嵌合された組付け状態において、前記突出部から外れた前記貫通孔の内部空間から前記第1環状シール部材まで連通する連通路を画定する、
ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記ボビンモジュールは、前記貫通孔の一端側開口の内周縁領域において環状テーパ面を含み、
前記突出部は、前記軸線方向において前記環状テーパ面から外れた領域に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項3】
前記固定子は、前記軸線の方向に離隔して配置された第1固定子及び第2固定子を含み、
前記第1環状シール部材は、前記第1固定子と前記ボビンモジュールの間に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記ボビンモジュールは、前記貫通孔及び前記突出部を画定するボビンと、前記ボビンに巻回された励磁用のコイルと、前記コイルを覆う共に前記コイルの端部に接続された端子を囲繞するコネクタ部を形成する外側カバー部材を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項5】
前記ボビン側受け部は、前記外側カバー部材又は前記ボビンに形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項6】
前記第2固定子と前記ボビンの間に第2環状シール部材が配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項7】
前記ボビンは、前記軸線の方向において前記貫通孔の一端側開口寄りに形成されて前記第1固定子を前記軸線上に位置決めする第1位置決め部と、前記軸線の方向において前記貫通孔の他端側開口寄りに形成されて前記第2固定子を前記軸線上に位置決めする第2位置決め部を含み、
前記突出部は、前記第1位置決め部である、
ことを特徴とする請求項4ないし6いずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
【請求項8】
前記貫通孔は、前記軸線を中心とする第1貫通孔と、前記軸線の方向において前記第1貫通孔に隣接する共に前記第1貫通孔よりも小径の第2貫通孔を含み、
前記第1位置決め部は、前記第1貫通孔の領域において前記第1貫通孔の内壁面から突出して前記軸線の方向に伸長する複数の突条部を含み、
前記連通路は、前記複数の突条部同士の間の凹み領域により画定される、
ことを特徴とする請求項7に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項9】
前記外周嵌合部は、前記軸線の方向において前記第1位置決め部の途中まで嵌合される、
ことを特徴とする請求項8に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項10】
前記第1固定子は、前記可動子を受け入れる内周面を画定する円筒部と、前記円筒部の一端側を閉塞すると共に前記可動子の休止位置を規定する底壁部と、前記円筒部から径方向に延出するフランジ部を含み、
前記第2固定子は、前記可動子を受け入れると共にその先端において前記可動子を露出させる挿通孔を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の電磁アクチュエータ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドの電磁力を駆動力とする電磁アクチュエータに関し、特に、可動子を往復動自在に収容する円筒状の固定子(インナーヨーク)を備えた電磁アクチュエータに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の電磁アクチュエータとしては、所定の軸線方向に往復動するプランジャ(可動子)と、プランジャに固定されたシャフトピンと、プランジャを往復動自在に収容すると共に磁路を形成する二つの部材からなるインナーヨークとしての第1のコア部(第1固定子)及び第2のコア部(第2固定子)と、第1のコア部と第2のコア部の位置決め(軸心合わせ)を行う円筒状をなす樹脂製のカラーと、インナーヨーク及びカラーの周りに配置されたボビンと、ボビンに巻回された励磁用のコイルと、磁路を形成するアウターヨークとしてのケースと、ボビンとケースの間に配置された二つのシール部材と、を備えた電磁ソレノイドが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
上記の電磁アクチュエータにおいて、シール部材は、プランジャの往復動方向におけるボビンの両端面において、ボビンとケースの間に介在してシール機能を及ぼすだけのものである。また、第1のコア部と第2コア部をカラーに圧入して位置決めを行う場合、第1コア部及び第2コア部の外壁面がカラーの内壁面を押圧しながら挿入される。
したがって、第1コア部及び第2コア部の外壁面やカラーの内壁面に付着した粉塵やカラーの内壁面が削られて生じた削り屑等の異物が、プランジャ及びシャフトピンの移動空間内に入り込んで噛み込みを生じ、作動不良を招く虞がある。それ故に、削り屑等の異物が発生した場合には異物を排除できる構造が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7031171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、低コスト化、部品点数の削減等図りつつ、削り屑等の異物を排除でき、可動子の円滑な動作を保証し得る電磁アクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電磁アクチュエータは、所定の軸線に沿って往復動する可動子と、可動子を軸線の方向に往復動自在に収容する固定子と、固定子の周りに配置されたボビンモジュールと、ボビンモジュールと固定子の間に介在する第1環状シール部材とを備え、ボビンモジュールは、固定子を軸線の方向に通す貫通孔と、貫通孔の一端側開口の外側に隣接して形成され第1環状シール部材を受けるボビン側受け部と、貫通孔の一端側開口寄りにおいて内壁面から突出して形成された突出部を含み、固定子は、突出部に嵌合される外周嵌合部と、ボビン側受け部と協働して第1環状シール部材を受ける固定子側受け部を含み、ボビンモジュール及び固定子は、外周嵌合部が突出部に嵌合された組付け状態において、突出部から外れた貫通孔の内部空間から第1環状シール部材まで連通する連通路を画定する、構成となっている。
【0007】
上記電磁アクチュエータにおいて、ボビンモジュールは、貫通孔の一端側開口の内周縁領域において環状テーパ面を含み、突出部は、軸線の方向において環状テーパ面から外れた領域に形成されている、構成を採用してもよい。
【0008】
上記電磁アクチュエータにおいて、固定子は、軸線の方向に離隔して配置された第1固定子及び第2固定子を含み、第1環状シール部材は、第1固定子とボビンモジュールの間に配置されている、構成を採用してもよい。
【0009】
上記電磁アクチュエータにおいて、ボビンモジュールは、貫通孔及び突出部を画定するボビンと、ボビンに巻回された励磁用のコイルと、コイルを覆う共にコイルの端部に接続された端子を囲繞するコネクタ部を形成する外側カバー部材を含む、構成を採用してもよい。
【0010】
上記電磁アクチュエータにおいて、ボビン側受け部は、外側カバー部材又はボビンに形成されている、構成を採用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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