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公開番号2024161190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2024151593,2024038282
出願日2024-09-03,2020-03-18
発明の名称区画貫通処理構造、区画貫通処理部材及び区画貫通処理方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類A62C 3/16 20060101AFI20241108BHJP(人命救助;消防)
要約【課題】建築物の防火構造に用いる部材が効率よく耐火性能及び消火性能を発揮し、かつ建築物の防火構造に用いる挿通部材のずれを抑制する区画貫通処理構造、区画貫通処理部材及び区画貫通処理方法を提供する。
【解決手段】建築物の仕切り部11に形成され、かつ内部に長尺の挿通体21が挿通される区画貫通部15を防火構造であって、区画貫通部15にスリーブ状で挿入された挿通部材3と、挿通部材3の少なくとも一端部30側、及び仕切り部11に接し、挿通部材3の位置を固定する係止部材4と、挿通部材3の少なくとも一端部30側に設けられ、仕切り部11に設けられる区画貫通部15の開口13Dと挿通体21との間隙50を覆うシート状の包覆部5とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理構造であって、
前記区画貫通部にスリーブ状で挿入された挿通部材と、
前記挿通部材の少なくとも一端部側、及び前記仕切り部に接し、前記挿通部材の位置を固定する係止部材と、
前記挿通部材の少なくとも一端部側に設けられ、前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間隙を覆うシート状の包覆部とを備える、区画貫通処理構造。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記包覆部が、前記挿通体の軸方向の動きに対する裕度を持って固定される、請求項1に記載の区画貫通処理構造。
【請求項3】
前記包覆部が、外側から巻き付けられた紐状部材又は粘着テープ、及び、内側に配置された粘着層又は耐火材の少なくともいずれかによって前記挿通体に固定される、請求項1又は2に記載の区画貫通処理構造。
【請求項4】
前記係止部材が、前記仕切り部と前記挿通部材との間隙を覆っている、請求項1~3のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
【請求項5】
前記係止部材が、前記仕切り部と前記挿通部材との間隙に入っている、請求項1~4のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
【請求項6】
前記係止部材が、前記仕切り部及び前記挿通部材の両端部側に接している、請求項1~5のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
【請求項7】
前記係止部材が、耐火材、発泡体、パテ材及びコーキング材からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
【請求項8】
建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするために用いる区画貫通処理部材であって、
スリーブ状である、又は、スリーブ状に変形可能な挿通部材と、
前記仕切り部における前記挿通部材の位置を固定するための係止部材と、
前記仕切り部に設けられる貫通孔と前記挿通体との間隙を覆うためのシート状の包覆部とを備える、区画貫通処理部材。
【請求項9】
建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理方法であって、
請求項1~7に記載の区画貫通処理構造及び請求項8に記載の区画貫通処理部材の少なくともいずれかを前記区画貫通部に設ける工程を含む区画貫通処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の防火構造に用いられる区画貫通処理構造、区画貫通処理部材及び区画貫通処理方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
集合住宅、オフィスビル、学校等の建築物において、壁等の仕切り部には、ケーブル類、配管類などの長尺の挿通体を挿通するために、区画貫通部が設けられることがある。区画貫通部は、いずれかの区画で火災が発生した際に、他の区画への延焼を防止するために、防火措置を施した構造(防火構造)にすることが求められている。仕切り部は、2枚の壁部からなり、壁部間が中空部となっている中空壁が一般的である。
【0003】
区画貫通部を防火構造とする方法は、例えば、長尺の挿通体と貫通孔の間隙に、耐火パテを充填する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、耐火パテを袋体内部に詰めた耐火パックなどの不定形充填材で挿通体と貫通孔の間隙を充填する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。不定形充填材を使用する場合、予め決められた量の耐火パテを袋体内部に詰めた耐火パックやスリーブをキット化した商品を使用することが一般的である。
また、上記の耐火パテや不定形充填材の設置を容易にし、耐火性及び消火性を向上させるために筒状の挿通部材が区画貫通部に配設されることがある。挿通部材は、区画貫通部において適切な位置に配置されることで、耐火性能及び消火性能を発揮する。挿通部材は、弾性突起部を有し、弾性突起部が貫通孔の外側に突き出て、貫通孔の外側に掛けることで貫通孔に簡単に設置することができる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6348320号公報
特許第6150933号公報
特許第5779435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、挿通部材の内側には、ケーブル類及び配管類等の長尺の挿通体が通されており、挿通部材の設置後に挿通体を動かした場合には、挿通部材や挿通部材の内部の耐火パテなどが設置されていた適切な位置からずれてしまうことがある。また、地震等の外力によっても、挿通部材などが設置されていた適切な位置からずれてしまうことがある。このように、挿通部材や挿通部材の内部の耐火パテなどが設置されていた適切な位置からずれてしまうことによって、区画貫通部の防火構造として望まれる耐火性能及び消火性能を発揮することが困難となる。
【0006】
そこで、上記問題に鑑み、本発明は、建築物の防火構造に用いる部材が効率よく耐火性能及び消火性能を発揮し、かつ建築物の防火構造に用いる挿通部材のずれを抑制する区画貫通処理構造、区画貫通処理部材及び区画貫通処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記[1]~[9]を要旨とする。
[1]建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理構造であって、前記区画貫通部にスリーブ状で挿入された挿通部材と、前記挿通部材の少なくとも一端部側、及び前記仕切り部に接し、前記挿通部材の位置を固定する係止部材と、前記挿通部材の少なくとも一端部側に設けられ、前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間隙を覆うシート状の包覆部とを備える、区画貫通処理構造。
[2]前記包覆部が、前記挿通体の軸方向の動きに対する裕度を持って固定される、[1]に記載の区画貫通処理構造。
[3]前記包覆部が、外側から巻き付けられた紐状部材又は粘着テープ、及び、内側に配置された粘着層又は耐火材の少なくともいずれかによって前記挿通体に固定される、[1]又は[2]に記載の区画貫通処理構造。
[4]前記係止部材が、前記仕切り部と前記挿通部材との間隙を覆っている、[1]~[3]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[5]前記係止部材が、前記仕切り部と前記挿通部材との間隙に入っている、[1]~[4]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[6]前記係止部材が、前記仕切り部及び前記挿通部材の両端部側に接している、[1]~[5]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[7]前記係止部材が、耐火材、発泡体、パテ材及びコーキング材からなる群から選ばれる1種以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[8]建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするために用いる区画貫通処理部材であって、スリーブ状である、又は、スリーブ状に変形可能な挿通部材と、前記仕切り部における前記挿通部材の位置を固定するための係止部材と、前記仕切り部に設けられる貫通孔と前記挿通体との間隙を覆うためのシート状の包覆部とを備える、区画貫通処理部材。
[9]建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理方法であって、[1]~[7]に記載の区画貫通処理構造及び[8]に記載の区画貫通処理部材の少なくともいずれかを前記区画貫通部に設ける工程を含む区画貫通処理方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建築物の防火構造に用いる部材が効率よく耐火性能及び消火性能を発揮し、かつ建築物の防火構造に用いる挿通部材のずれを抑制する区画貫通処理構造、区画貫通処理部材及び区画貫通処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造を示す断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造の係止部材の配置を示す断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理方法を示す斜視図(その1)である。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理部材を示す断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理方法を示す斜視図(その2)である。
本発明の第2の実施形態に係る区画貫通処理部材を示す断面図である。
本発明の第2の実施形態に係る区画貫通処理方法を示す斜視図である。
本発明の第3の実施形態に係る区画貫通処理構造を示す断面図である。
本発明の第3の実施形態に係る区画貫通処理部材を示す断面図(その1)である。
本発明の第3の実施形態に係る区画貫通処理部材を示す断面図(その2)である。
本発明の第3の実施形態に係る区画貫通処理方法を示す斜視図である。
本発明の第4の実施形態に係る区画貫通処理部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施形態を用いてより詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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