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公開番号2024160883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2023076375
出願日2023-05-03
発明の名称複合構造材料
出願人株式会社タケナカダンボール,国立大学法人高知大学
代理人弁理士法人清原国際特許事務所
主分類C08L 77/04 20060101AFI20241108BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
本発明は、複合構造材料が抗菌性及び難燃性を有する組成物で塗布され、前記組成物はポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)を含むイオンコンプレックスからなり、当該イオンコンプレックスは、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)と金属イオンとの反応物である、複合構造材料及び、当該複合構造材料に抗菌性及び難燃性を有する組成物を塗布又は上塗りする方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
複合構造材料が抗菌性及び難燃性を有する組成物で塗布され、前記組成物はポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)を含むイオンコンプレックスからなり、当該イオンコンプレックスは、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)と金属イオンとの反応物である、複合構造材料及び当該複合構造材料に抗菌性及び難燃性を有する組成物を塗布又は上塗りする方法を備えている。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
複合構造材料が抗菌性及び難燃性を有する組成物で塗布され、
前記組成物はポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)を含むイオンコンプレックスからなり、
当該イオンコンプレックスは、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)と金属イオンとの反応物である、複合構造材料。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記イオンコンプレックスは、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とミョウバン由来の金属イオンとの反応物、及び前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とヘキサデシルピリジニウムブロミド(HDP)由来の金属イオンとの反応物の混合物である、請求項1に記載の複合構造材料。
【請求項3】
前記イオンコンプレックスの成分のモル比が、前記ミョウバン1molあたり、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)のカルボキシル基が2-3molであることを特徴とする請求項2に記載の複合構造材料。
【請求項4】
前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)を構成するグルタミン酸がD-グルタミン酸、L-グルタミン酸、又はD-グルタミン酸及びL-グルタミン酸の混合物であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の複合構造材料。
【請求項5】
前記複合構造材料が、ダンボール、パルプ又は再生紙のいずれか1種から選択されることを特徴とする、請求項1乃至3に記載の複合構造材料。
【請求項6】
前記ミョウバンが、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の複合構造材料。
【請求項7】
複合構造材料に抗菌性及び難燃性を有する組成物を塗布又は上塗りする方法であって、
前記組成物はポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)を含むイオンコンプレックスからなり、
当該イオンコンプレックスは、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とミョウバン、及び前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とヘキサデシルピリジニウムブロミド(HDP)との反応物であり、
前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とミョウバンを水で混合し反応させ、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とミョウバンのイオンコンプレックスを得た後、乾燥させ、乾燥物を得る工程と、
前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とヘキサデシルピリジニウムブロミド(HDP)を水で混合し反応させ、前記ポリ-γ-グルタミン酸Na(PGA)とヘキサデシルピリジニウムブロミド(HDP)のイオンプレックスを得た後、乾燥させ、乾燥物を得る工程と、
各イオンコンプレックスの乾燥物を、低級アルコール又は中級アルコールに溶解し組成物の溶液を得る工程と、
前記組成物の溶液を複合構造材料に塗布又は上塗りする工程と、を含む方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複合構造材料に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスによる感染拡大により、新たな生活様式が確立し巣ごもり需要が発生している。健康で安全な生活を過ごすために、住居、オフィス、飲食又は災害等に関する分野において、衛生環境の改善や安全性の向上が求められている。
【0003】
飛沫感染のような感染症を防止する手段として、卓上に設けられるセパレートや、簡易個室を設けることで、他者との接触を極力減らし、感染を防止する需要が増加している。このようなセパレート等は主にダンボールやアクリル板等を材料に安価で容易に利用できるものとなっている。
【0004】
食中毒や感染症などの原因となる病原性の微生物を予防的に抑制する目的で、抗菌材料を複合構造材料に使用することにより抗菌作用を付与している。
【0005】
また抗菌材料に使用される抗菌剤は、無機系抗菌剤、有機系抗菌剤、天然系抗菌剤に大別される。無機系抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の金属イオンが古くから知られている。特に銀イオンは、抗菌効果の持続性が高く耐熱性にも優れているので、ダンボールやプラスチック等に配合する際の成形加工に適している。ただし銀イオンは、真菌類に対する抑制効果が弱いことが欠点であり、また有機系抗菌剤は化学合成品よりも製造コストが高く、耐熱性や加工性が悪い点でも依然として課題が残る。
【0006】
上記の問題を解決するため、複合構造材料に第四級アンモニウム塩を固定化する技術が知られている。例えば特許文献1には、ポリ-γ-グルタミン酸イオン(以下、「PGA」と記載することもある)と第四級アンモニウムイオンから形成されるイオンコンプレックスが記載されている。当該イオンコンプレックスは水に不溶性のポリマーであり、有機系抗菌剤と同等の抗菌性や安全性を有し、複合構造材料との接着性が高く、表面塗装、配合等が可能であるため、加工性に優れるものである。また、腐食性を有するハロゲンを含まないため、低腐食性に優れた素材である。さらには、当該イオンコンプレックスは、それ自体、プラスチック、フィルム、繊維などへ成型可能な物性を有している。当該特許文献には、イオンコンプレックスから成形されたフィルムが、抗菌性を有する材料として有用であることが記載されている。
【0007】
このような背景の下、抗菌剤やイオンコンプレックスを塗布した複合構造材料が広く使用されるようになった。例えば住宅、オフィス等だけではなく災害時の避難所でも、簡易に使用できかつ、衛生的であることからセパレートや簡易ベッド等の用途で広く使用されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1のイオンコンプレックスを使用した複合構造材料は可燃性であり、住宅等の火災や、災害時の避難所で火の不始末等による火災が発生した際、ダンボール等の複合構造材料が延焼することにより、火災が広くなり被害が大きくなるという問題点があった。そのため、抗菌性だけでなく、難燃性を有するイオンコンプレックスを開発することが当該技術分野において望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第5279080号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、ポリ-γ-グルタミン酸Naと、ミョウバンのイオンコンプレックスとして優れた抗菌性と難燃性を有する組成物が得られることを見出して、本発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)

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