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公開番号2024160711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2023070070
出願日2023-04-21
発明の名称減衰バルブおよび緩衝器
出願人カヤバ株式会社
代理人個人
主分類F16F 9/50 20060101AFI20241108BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ポートの上流側の圧力に依存した減衰力特性の調整が可能な減衰バルブおよび車両における乗心地を向上できる緩衝器を提供する。
【解決手段】本発明における減衰バルブVは、ポート3aとポート3aの下流側の開口を取り囲む弁座3cを有する弁座部材3と、弁座3cに対して遠近する方向へ移動可能な可動体10と、弁座部材3に対して不動であって可動体10に対向する対向部材9と、対向部材9に対して可動体10へ向けて変位可能に設けられて可動体10に接触可能な接触体12と、接触体12を可動体10へ押圧するようにポート3aの上流側の圧力を接触体12に作用させるパイロット通路Pとを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ポートと前記ポートの下流側の開口を取り囲む弁座を有する弁座部材と、
前記弁座に対して遠近する方向へ移動可能な可動体と、
前記弁座部材に対して不動であって前記可動体に対向する対向部材と、
前記対向部材に対して前記可動体へ向けて変位可能に設けられて前記可動体に接触可能な接触体と、
前記接触体を前記可動体へ押圧するように前記ポートの上流側の圧力を前記接触体に作用させるパイロット通路とを備えた
ことを特徴とする減衰バルブ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記可動体は、前記弁座に離着座して前記ポートを開閉する
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
【請求項3】
前記可動体は、環状であって、
前記対向部材は、前記可動体の内周側に配置され、
内周側が前記対向部材の外周に装着されて外周が前記可動体に当接する環状のシール部材を備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の減衰バルブ。
【請求項4】
前記可動体は、環状であって、
前記対向部材は、前記可動体の内周側に配置されるとともに外周に環状溝を有し、
前記接触体は、前記環状溝内に装着される環状の弾性体である
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
【請求項5】
前記可動体は、環状であって、
前記対向部材は、前記可動体の内周側に配置され、
前記対向部材に設けられる固定ばね受と、
前記可動体と前記固定ばね受との間に介装されるばね部材とを備え、
前記ばね部材の一端が前記対向部材により径方向に調心され、
前記可動体は、内径が前記対向部材の前記可動体の移動範囲における外径よりも大径であって前記ばね部材の他端により径方向に調心される
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
【請求項6】
前記接触体は、前記可動体に接触すると前記可動体との間に摩擦力を生じさせる摩擦部材で形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
【請求項7】
前記可動体は、
前記対向部材側に向く面に前記接触体の挿入を許容する凹溝と、
前記対向部材側に向くとともに前記接触体に当接可能な面における前記凹溝の前記弁座部材側に隣接して設けられて前記凹溝から前記弁座部材側へ離間するほど前記対向部材に近づく傾斜面とを有し、
前記接触体を前記可動体へ向けて付勢するばねを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
【請求項8】
前記可動体は、
前記対向部材側に向く面であって前記弁座部材に最も接近した際に前記接触体に対向する接触体対向部の弁座部材側に隣接して前記接触体に接触しない逃げ部を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の減衰バルブ。
【請求項9】
アウターシェルと、前記アウターシェル内に軸方向へ移動可能に挿入されるピストンロッドとを備えて内部に少なくとも2つの作動室を有する緩衝器本体と、
前記作動室間に設けられる請求項1から8のいずれか一項に記載の減衰バルブとを備えた
ことを特徴とする緩衝器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、減衰バルブおよび緩衝器に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
車両の車体と車輪との間に介装される緩衝器に利用される減衰バルブは、たとえば、ポートを有するピストンと、ピストンの圧側室側端に重ねられて内周が固定されて外周の撓みが許容されてポートを開閉する環状のリーフバルブと、ピストンロッドの先端の外周に螺子結合されてピストンをピストンロッドに固定するとともに外周に環状の固定ばね受を有するピストンナットと、環状であってピストンナットの外周に摺動可能に装着されてピストンナットに対して軸方向へ移動可能であってリーフバルブの反ピストン側面に当接するとともに固定ばね受と軸方向で対向する可動ばね受と、固定ばね受と可動ばね受との間に介装されるコイルばねとを備えるものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
このように構成された減衰バルブは、コイルばねの付勢力でリーフバルブがピストンに押し付けられているので、緩衝器の伸長速度が低い場合にはコイルばねの付勢力によってリーフバルブが撓まずに着座したままとなる一方で、緩衝器の伸長速度が高くなるとコイルばねが縮んでリーフバルブが一気にポートを開放して減衰力が頭打ちになる飽和特性を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-128348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように従来の減衰バルブでは、前述のように飽和特性を実現できるが、コイルばねのばね定数とコイルばねが閉弁時のリーフバルブに与える初期荷重との設定によって減衰力特性(緩衝器の伸縮速度に対して緩衝器が発生する減衰力の特性)を調整する。コイルばねのばね定数の調整によりリーフバルブの開弁後の減衰力特性を調整でき、コイルばねがリーフバルブに与える初期荷重の調整により主としてリーフバルブの開弁圧を調整できる。
【0006】
このように従来の減衰バルブでは、コイルばねのばね定数と初期荷重との2つの調整要素によって減衰力特性を調整できるが、リーフバルブの上流側の圧力に応じて減衰力特性を調整したい場合にはコイルばねのばね定数と初期荷重との調整では対応できず、所望する減衰力特性を得るのが難しかった。
【0007】
そこで、本発明は、ポートの上流側の圧力に依存した減衰力特性の調整が可能な減衰バルブおよび車両における乗心地を向上できる緩衝器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を解決するために、本発明の減衰バルブは、ポートとポートを取り囲む弁座を有する弁座部材と、弁座に対して遠近する方向へ移動可能な可動体と、弁座部材に対して不動であって可動体に対向する対向部材と、対向部材に対して可動体へ向けて変位可能に設けられて可動体に接触可能な接触体と、接触体を可動体へ押圧するようにポートの上流側の圧力を接触体に作用させるパイロット通路とを備えている。
【0009】
このように構成された減衰バルブによれば、接触体が可動体に押し付けられる力が大きくなって可動体が弁座部材から離間する方向への移動を拘束する力が大きくなって、ポートを開放する開弁圧が高くなる。
【0010】
なお、減衰バルブにおける可動体が弁座に直接離着座してポートを開閉してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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