特許ウォッチ

公開番号2024158996
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074692
出願日2023-04-28
発明の名称積層剥離容器、および積層剥離容器用プリフォーム
出願人株式会社吉野工業所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B65D 1/02 20060101AFI20241031BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】内容物の残量が多くなるのを抑制する。
【解決手段】収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器12、および内容器が積層状態で内装された外容器11を備え、筒状の口部13、筒状の肩部15、筒状の胴部16、およびカップ状の底部17が、容器軸O方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設され、内容器において、口部より下方に位置する部分には、周方向に幅を有して容器軸方向に延びる白化ライン部23Aが設けられ、白化ライン部における結晶化度の最大値が、内容器における肩部および胴部それぞれにおいて、白化ライン部を除く部分の結晶化度の最大値より高くなっている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が積層状態で内装された外容器を備え、筒状の口部、筒状の肩部、筒状の胴部、およびカップ状の底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設され、
前記内容器において、前記口部より下方に位置する部分には、周方向に幅を有して容器軸方向に延びる白化ライン部が設けられ、
前記白化ライン部における結晶化度の最大値が、前記内容器における前記肩部および前記胴部それぞれにおいて、前記白化ライン部を除く部分の結晶化度の最大値より高くなっている、積層剥離容器。
続きを表示（約 730 文字）【請求項２】
前記白化ライン部の結晶化度は、前記内容器における外面から内面側に向かうに従い低くなっている、請求項１に記載の積層剥離容器。
【請求項３】
収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が積層状態で内装された外容器を備え、筒状の口部、筒状の肩部、筒状の胴部、およびカップ状の底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設された積層剥離容器を成形するためのプリフォームであって、
前記内容器を成形するための有底筒状の内プリフォームと、
前記外容器を成形するための有底筒状の外プリフォームと、を備え、
前記外プリフォーム内に前記内プリフォームが挿入され、
前記内プリフォームにおいて、前記内容器の口部となる部分より下方に位置する部分には、周方向に幅を有して容器軸方向に延びる白化ライン部が設けられ、
前記白化ライン部における結晶化度の最大値が、前記内プリフォームにおいて、前記内容器における肩部および胴部となる部分のうち、前記白化ライン部を除く部分の結晶化度の最大値より高くなっている、積層剥離容器用プリフォーム。
【請求項４】
前記白化ライン部の結晶化度は、前記内プリフォームにおける内面および外面のうちのいずれか一方の面からいずれか他方の面側に向かうに従い低くなり、
前記白化ライン部のヘイズ値は、１０％以上８４％以下となっている、請求項３に記載の積層剥離容器用プリフォーム。
【請求項５】
前記白化ライン部に占める熱結晶化部分の肉厚の割合は、３５％未満となっている、請求項４に記載の積層剥離容器用プリフォーム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、積層剥離容器、および積層剥離容器用プリフォームに関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、例えば下記特許文献１に示されるような、収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および内容器が積層状態で内装された外容器を備え、筒状の口部、筒状の肩部、筒状の胴部、およびカップ状の底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設された積層剥離容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１９－１４２１８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
内容物の減少に伴い、内容器がいびつに減容変形して内容物の残量が多くなることを抑えることに改善の余地があった。
【０００５】
本発明は、内容物の残量が多くなるのを抑制することができる積層剥離容器、および積層剥離容器用プリフォームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の一態様に係る積層剥離容器は、収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が積層状態で内装された外容器を備え、筒状の口部、筒状の肩部、筒状の胴部、およびカップ状の底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設され、前記内容器において、前記口部より下方に位置する部分には、周方向に幅を有して容器軸方向に延びる白化ライン部が設けられ、前記白化ライン部における結晶化度の最大値が、前記内容器における前記肩部および前記胴部それぞれにおいて、前記白化ライン部を除く部分の結晶化度の最大値より高くなっている。
【０００７】
白化ライン部における結晶化度の最大値が、内容器における肩部および胴部それぞれにおいて、白化ライン部を除く部分の結晶化度の最大値より高くなっているので、内容器において、口部より下方に位置する部分のうち、白化ライン部の剛性が、他の部分の剛性より高くなる。これにより、内容物の減少に伴う内容器の減容変形時に、内容器の白化ライン部を柱として、他の部分が収縮するため、内容器がいびつに減容変形するのを抑制することが可能になり、内容器の外面と外容器の内面との間に、容器軸方向に延びる外気の導入空間を確保しやすくなり、内容物の残量が多くなるのを抑えることができる。
【０００８】
前記白化ライン部の結晶化度は、前記内容器における外面から内面側に向かうに従い低くなってもよい。
【０００９】
白化ライン部の結晶化度が、内容器における外面から内面側に向かうに従い低くなっているので、プリフォームをブロー成形して得られる積層剥離容器の状態では、外容器の内面と内容器の外面との間のスペースが狭く、白化ライン部を内容器に設けることができないことが明らかであり、白化ライン部は、内容器を成形するための内プリフォームに、外容器を成形するための外プリフォーム内に挿入する前に設けておくほかない。
そして、白化ライン部を設けた内プリフォームを外プリフォーム内に挿入してプリフォームを得た後に、プリフォームをブロー成形すると、内プリフォームのうちの白化ライン部が延伸しにくくなる。
これにより、内容器における白化ライン部を、外容器の内面に貼り付きにくくすることが可能になり、例えば、内容器および外容器が同一の材質で形成されたとしても、内容物の減少に伴い、内容器を外容器の内面から剥離しやすくすることができるとともに、内容器の白化ライン部が肉厚になり、内容物の減少に伴う内容器の減容変形時に、内容器の白化ライン部を柱として、他の部分が収縮するため、内容器がいびつに減容変形するのを抑制することが可能になり、内容器の外面と外容器の内面との間に、容器軸方向に延びる外気の導入空間を確保しやすくなり、内容物の残量が多くなるのを抑えることができる。
【００１０】
本発明の一態様に係る積層剥離容器用プリフォームは、収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が積層状態で内装された外容器を備え、筒状の口部、筒状の肩部、筒状の胴部、およびカップ状の底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設された積層剥離容器を成形するためのプリフォームであって、前記内容器を成形するための有底筒状の内プリフォームと、前記外容器を成形するための有底筒状の外プリフォームと、を備え、前記外プリフォーム内に前記内プリフォームが挿入され、前記内プリフォームにおいて、前記内容器の口部となる部分より下方に位置する部分には、周方向に幅を有して容器軸方向に延びる白化ライン部が設けられ、前記白化ライン部における結晶化度の最大値が、前記内プリフォームにおいて、前記内容器における肩部および胴部となる部分のうち、前記白化ライン部を除く部分の結晶化度の最大値より高くなっている。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許