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公開番号
2024158700
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023074104
出願日
2023-04-28
発明の名称
液晶性樹脂組成物
出願人
ポリプラスチックス株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
101/12 20060101AFI20241031BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】低誘電率及び低誘電正接を有し、低そり性及び機械的強度に優れる成形体を与える、流動性が良好な液晶性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る液晶性樹脂組成物は、液晶性樹脂及びガラス繊維を含有し、ガラス繊維の含有量は、液晶性樹脂100質量部に対して、10~100質量部であり、ガラス繊維は、長径/短径が1.5~6.0である扁平な断面形状を有し、ガラス繊維の長径は、10~40μmであり、ガラス繊維を構成するガラスの測定周波数1GHzにおける比誘電率は、6以下であり、ガラス繊維を構成するガラスの測定周波数1GHzにおける誘電正接は、0.003以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)液晶性樹脂、及び
(B)ガラス繊維
を含有し、
前記(B)ガラス繊維の含有量は、(A)液晶性樹脂100質量部に対して、10~100質量部であり、
前記(B)ガラス繊維は、短径に対する長径の比が1.5~6.0である扁平な断面形状を有し、
前記(B)ガラス繊維の長径は、10~40μmであり、
前記(B)ガラス繊維を構成するガラスの測定周波数1GHzにおける比誘電率は、6以下であり、
前記(B)ガラス繊維を構成するガラスの測定周波数1GHzにおける誘電正接は、0.003以下である液晶性樹脂組成物。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記(A)液晶性樹脂は、芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を構成成分として有する芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドである請求項1に記載の液晶性樹脂組成物。
【請求項3】
更に(C)板状充填剤を含有し、
前記(C)板状充填剤の含有量は、(A)液晶性樹脂100質量部に対して、2.5~10質量部である請求項1又は2に記載の液晶性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(C)板状充填剤は、タルク及びマイカからなる群より選択される1種以上を含む請求項3に記載の液晶性樹脂組成物。
【請求項5】
更に(D)中空フィラーを含有し、
前記(D)中空フィラーの含有量は、(A)液晶性樹脂100質量部に対して、2.5~17.5質量部である請求項1又は2に記載の液晶性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(D)中空フィラーは、ガラスバルーンを含む請求項5に記載の液晶性樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶性樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶性ポリエステル樹脂に代表される液晶性樹脂は、優れた機械的強度、耐熱性、耐薬品性、電気的性質等をバランス良く有し、優れた寸法安定性も有するため高機能エンジニアリングプラスチックとして広く利用されている。一方、近年、携帯電話;無線LAN;GPS、VICS(登録商標)、ETC等のITS技術等の情報通信分野において著しい技術発達がなされている。これに応じて、マイクロ波、ミリ波等の高周波領域において適用できる高性能な高周波対応電子部品のニーズが強くなっている。このような電子部品を構成する材料は、個々の電子部品の設計に応じて、適切な誘電特性を有することが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、融点320℃以上の全芳香族液晶ポリエステル90~45重量%、アスペクト比が2以下の無機球状中空体10~40重量%、アスペクト比が4以上の無機充填剤0~15重量%を配合した組成物を射出成形して得られる、比誘電率が3.0以下、誘電正接が0.04以下の全芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物成形体が、耐ハンダリフロー等の耐熱性を有し、誘電特性に優れ、マイクロ波、ミリ波等の高周波帯域で用いられる情報通信機器の送受信部品の固定あるいは保持部材に用いられる成形体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-27021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような高周波対応電子部品は、誘電特性に優れることに加え、低そり性が求められる。そのような要求を実現するため、例えば、特許文献1の実施例に開示されている、液晶ポリエステルと微小中空球体とタルクとを含む組成物のように、中空フィラーと板状充填剤とを含有する液晶性樹脂組成物を用いることができる。しかし、本発明者らの検討によれば、このような従来の液晶性樹脂組成物は、機械的強度に劣ることが判明した。
【0006】
加えて、液晶性樹脂組成物を成形して成形体を得る場合、該液晶性樹脂組成物には、良好な流動性が求められる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低誘電率及び低誘電正接を有し、低そり性及び機械的強度に優れる成形体を与える、流動性が良好な液晶性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、液晶性樹脂と、所定の低誘電ガラスからなる扁平断面ガラス繊維とを所定の含有量で含有する液晶性樹脂組成物は、低誘電率及び低誘電正接を有し、低そり性及び機械的強度に優れ、流動性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
【0009】
(1) (A)液晶性樹脂、及び(B)ガラス繊維を含有し、記(B)ガラス繊維の含有量は、(A)液晶性樹脂100質量部に対して、10~100質量部であり、前記(B)ガラス繊維は、短径に対する長径の比が1.5~6.0である扁平な断面形状を有し、 前記(B)ガラス繊維の長径は、10~40μmであり、前記(B)ガラス繊維を構成するガラスの測定周波数1GHzにおける比誘電率は、6以下であり、前記(B)ガラス繊維を構成するガラスの測定周波数1GHzにおける誘電正接は、0.003以下である液晶性樹脂組成物。
【0010】
(2) 前記(A)液晶性樹脂は、芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構成単位を構成成分として有する芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドである(1)に記載の液晶性樹脂組成物。
(【0011】以降は省略されています)
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