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公開番号
2024157566
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-07
出願番号
2024127778,2022099209
出願日
2024-08-02,2014-12-12
発明の名称
最適化機能CRISPR-Cas系による配列操作のための系、方法および組成物
出願人
ザ・ブロード・インスティテュート・インコーポレイテッド
,
マサチューセッツ・インスティトュート・オブ・テクノロジー
,
国立大学法人 東京大学
,
プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/09 20060101AFI20241029BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】標的遺伝子配列および関連遺伝子産物の発現を変更するための系、方法、および組成物を提供する。
【解決手段】CRISPR-Cas系のCasタンパク質に関する構造情報、CRISPR複合体の改変成分の生成におけるこの情報の使用、CRISPR複合体の1つ以上の成分または改変成分をコードするベクターおよびベクター系、ならびにそのようなベクターおよび成分を設計および使用する方法が提供される。真核細胞中でCRISPR複合体形成を指向する方法およびCRISPR-Cas系を利用する方法も提供される。特に、本発明は、最適化機能CRISPR-Cas酵素系を包含する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物であって、細胞中の目的ゲノム遺伝子座中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列を含むガイドRNA(sgRNA)を含み、前記sgRNAの少なくとも1つのループは、1つ以上のアダプタータンパク質に結合する区別されるRNA配列の挿入物により改変されており、前記アダプタータンパク質は、1つ以上の機能ドメインと会合している組成物。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のsgRNAおよびCRISPR酵素を含む、天然に存在しないまたはエンジニアリングされたCRISPR-Cas複合体組成物。
【請求項3】
前記CRISPR酵素が、少なくとも1つの突然変異を含み、その結果、前記CRISPR酵素は、前記少なくとも1つの突然変異を有さないCRISPR酵素の5%以下のヌクレアーゼ活性を有し;および/または
少なくとも1つ以上の核局在化配列を含む、
請求項2に記載の天然に存在しないまたはエンジニアリングされたCRISPR-Cas複合体組成物。
【請求項4】
1つ以上の機能ドメインと会合している1つ以上のアダプタータンパク質が存在し、前記sgRNAの少なくとも1つのループ中に挿入された区別されるRNA分子に結合している、請求項1に記載のsgRNAまたは請求項2もしくは3に記載のCRISPR-Cas複合体。
【請求項5】
天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物であって、
細胞中の目的ゲノム遺伝子座中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列を含む1つ以上のガイドRNA(sgRNA)、
少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むCRISPR酵素
を含み、
前記CRISPR酵素は、少なくとも1つの突然変異を含み、その結果、前記CRISPR酵素は、前記少なくとも1つの突然変異を有さないCRISPR酵素の5%以下のヌクレアーゼ活性を有し、
少なくとも1つのsgRNAの少なくとも1つのループは、1つ以上のアダプタータンパク質に結合する区別されるRNA配列の挿入物により改変されており、
前記アダプタータンパク質は、1つ以上の機能ドメインと会合している
組成物。
【請求項6】
前記CRISPR酵素が、前記少なくとも1つの突然変異を有さないCRISPR酵素と比較して少なくとも97%、または100%縮小したヌクレアーゼ活性を有する、請求項2、3、4または5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記CRISPR酵素が、2つ以上の突然変異を含み、SpCas9タンパク質もしくは任意の対応するオルソログによるD10、E762、H840、N854、N863、もしくはD986もしくはSaCas9タンパク質によるN580の2つ以上が突然変異しており、または前記CRISPR酵素が、少なくとも1つの突然変異を含み、少なくとも1つのH840が突然変異している、請求項2、3、4、5または6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記CRISPR酵素が、SpCas9タンパク質もしくは任意の対応するオルソログによるD10A、E762A、H840A、N854A、N863AもしくはD986A、もしくはSaCas9タンパク質によるN580Aを含む2つ以上の突然変異、またはH840Aを含む少なくとも1つの突然変異を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記CRISPR酵素が、SpCas9タンパク質または任意の対応するオルソログによるH840A、またはD10AおよびH840A、またはD10AおよびN863Aを含む、請求項2、3、4、5または6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記CRISPR酵素が、
SaCas9タンパク質もしくは任意の対応するオルソログによるN580Aまたは;
SpCas9タンパク質、もしくは任意の対応するオルソログによるD10A、およびSaCas9タンパク質によるN580A
を含む、請求項2、3、4、5または6のいずれか一項に記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願および参照による組み込み
本出願は、2013年12月12日に出願された米国仮特許出願第61/915,251号明細書;2014年1月22日に出願された同第61/930,214号明細書;2014年2月12日に出願された同第61/939,242号明細書;2014年4月15日に出願された同第61/980,012号明細書;2014年9月25日に出願された同第62/055,484号明細書;2014年11月4日に出願された同第62/087,537号明細書;2013年12月12日に出願された同第61/915,267号明細書;および2014年2月12日に出願された同第61/939,256号明細書からの優先権を主張する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【0002】
上記の出願、ならびにそれらの出願においてまたはそれらの審査中に引用される全ての文献(「出願引用文献」)およびその出願引用文献において引用または参照される全ての文献、ならびに本明細書において引用または参照される全ての文献(「本明細書引用文献」)、および本明細書引用文献において引用または参照される全ての文献は、本明細書においてまたは本明細書に参照により組み込まれる任意の文献において挙げられる任意の製品に関する任意の製造業者の指示書、説明書、製品仕様書、および製品シートと一緒に、参照により本明細書に組み込まれ、本発明の実施において用いることができる。より具体的には、全ての参照文献は、それぞれの個々の文献が個別具体的に参照により組み込まれることが示されるような程度で参照により組み込まれる。
【0003】
本発明は、一般に、クラスター化等間隔短鎖回文リピート(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)(CRISPR)およびその成分に関するベクター系を使用し得る配列ターゲティング、例えば、ゲノム摂動または遺伝子編集を含む遺伝子発現の制御に使用される系、方法および組成物に関する。特に、本発明は、最適化機能CRISPR-Cas酵素系を包含する。
【0004】
連邦政府により資金提供された研究に関する記述
本発明は、National Institutes of Healthにより助成されたNIHパイオニアアワードDP1MH100706のもと政府支援を受けて作製された。政府は本発明において一定の権利を有する。
【0005】
本発明は、JST(科学技術振興機構)により2012年に助成された「ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基盤技術」の分野におけるPRESTO(戦略的創造研究推進事業、さきがけ)のもと政府支援を受けて作製された。JSTは、本発明において一定の権利を有する。
【0006】
本発明は、Ministry of Education,Culture,Sports,Science and Technology(MEXT)により2014年に助成された“Development of New CRISPR Cas9 System Set and Its Medical Application”の分野のもと政府支援を受けて作製された。MEXTは、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0007】
ゲノムシーケンシング技術および分析法の近年の進歩により、多様な範囲の生物学的機能および疾患に関連する遺伝因子を分類およびマッピングする技能が顕著に加速されている。正確なゲノムターゲティング技術は、個々の遺伝子エレメントの選択的摂動を可能とすることにより因果的遺伝子変異の体系的なリバースエンジニアリングを可能とするため、ならびに合成生物学、バイオテクノロジーおよび医薬用途を進歩させるために必要とされる。ゲノム編集技術、例えば、デザイナー亜鉛フィンガー、転写アクチベーター様エフェクター(TALE)、またはホーミングメガヌクレアーゼがターゲティングされるゲノム摂動の産生に利用可能であるが、安価で、設定が容易で、スケーラブルで、真核ゲノム内の複数位置をターゲティングしやすい新たなゲノムエンジニアリング技術が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
多彩な用途の配列ターゲティングのための代替的で堅牢な系および技術が差し迫って必要とされている。本発明は、この必要性に対処し、関連する利点を提供する。CRISPR/CasまたはCRISPR-Cas系(両方の用語は、本出願全体にわたり互換的に使用される)は特異的配列をターゲティングするためにカスタム化タンパク質の生成を要求しないが、単一Cas酵素を短鎖RNA分子によりプログラミングして特異的DNA標的を認識させることができ、換言すると、Cas酵素は、前記短鎖RNA分子を使用して特異的DNA標的にリクルートすることができる。ゲノムシーケンシング技術および分析法のレパートリーへのCRISPR-Cas系の付加により方法論が顕著に簡易化され、多様な範囲の生物学的機能および疾患に関連する遺伝因子を分類およびマッピングする技能が加速される。有害効果を有さずにゲノム編集にCRISPR-Cas系を有効に利用するため、特許請求される本発明の態様であるそれらのゲノムエンジニアリングツールのエンジニアリングおよび最適化の態様を理解することが重要である。
【0009】
一態様において、本発明は、天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物であって、細胞中の目的ゲノム遺伝子座中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列を含むガイドRNA(sgRNA)を含み、sgRNAの少なくとも1つのループは、1つ以上のアダプタータンパク質に結合する区別されるRNA配列の挿入物により改変されており、アダプタータンパク質は、1つ以上の機能ドメインと会合している組成物を提供する。2つ以上の機能ドメインが存在する場合、機能ドメインは、同一であっても異なっていてもよく、例えば、2つの同一または2つの異なるアクチベーターまたはリプレッサーであり得る。一態様において、本発明は、本明細書に記載のsgRNAおよびCRISPR酵素を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされたCRISPR-Cas複合体組成物を提供する。一態様において、本発明は、本明細書に記載の天然に存在しないまたはエンジニアリングされたCRISPR-Cas複合体組成物であって、CRISPR酵素は、少なくとも1つの突然変異を含み、その結果、CRISPR酵素が少なくとも1つの突然変異を有さないCRISPR酵素の5%以下のヌクレアーゼ活性を有し;および/または少なくとも1つ以上の核局在化配列を有する組成物を提供する。
【0010】
一態様において、本発明は、本明細書に記載のsgRNAまたはCRISPR-Cas複合体であって、1つ以上の機能ドメインに会合している1つ以上のアダプタータンパク質が存在し、sgRNAの少なくとも1つのループ中に挿入された区別されるRNA配列に結合している複合体を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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