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公開番号2024157328
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071626
出願日2023-04-25
発明の名称船舶の風圧制御装置
出願人株式会社新来島どっく
代理人弁理士法人山内特許事務所
主分類B63B 15/00 20060101AFI20241030BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】船舶の上部構造物に対する風圧を低減するだけでなく、積極的に推進力に変換する風圧制御装置を提供する。
【解決手段】船舶Sの甲板2上の前方部分に上部構造物3が設けられ、船舶Sの船首にウインドスクリーン5が設けられ、ウインドスクリーン5は、その前方において、上端に向かうに従い後傾する傾斜整流面6を備えており、船体の前方からの風が、傾斜整流面6で整流されて上部構造物3の上方へ流れる部位に、断面翼形の揚力発生板10が配置されている。船舶の前方からの風が、ウインドスクリーン5の傾斜整流面6によって整流されて層流となって上部構造物3の上方へ流れていくが、この層流の中に揚力発生板10が配置されているので、揚力発生板10によって前方上向きの揚力が効果的に発生する。この揚力は船舶の推進力に変換できるので航行中の省エネルギー化が達成できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
船舶の甲板上の前方部分に上部構造物が設けられ、
該船舶の船首にウインドスクリーンが設けられ、
前記ウインドスクリーンは、その前方において、上端に向かうに従い後傾する傾斜整流面を備えており、
船体の前方からの風が、前記ウインドスクリーンの傾斜整流面で整流されて前記上部構造物の上方へ流れる部位に、断面翼形の揚力発生板が配置されている
ことを特徴とする船舶の風圧制御装置。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記揚力発生板が、NACA4418の翼形を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の船舶の風圧制御装置。
【請求項3】
前記揚力発生板が、支持架台によって前記甲板上に支持され、かつ風に対する迎角を可変に調整できる
ことを特徴とする請求項1記載の船舶の風圧制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の風圧制御装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、船舶の甲板上の前方に設けられた居住区等の上部構造物に対する風圧を利用して船舶の推力に変換する船舶の風圧制御装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車運搬船は乾舷が高く船体正面の風圧面積が大きい。コンテナ船は積み荷のコンテナを多く積むと風圧面積が大きくなる。上部構造物が大きい大型客船も水面上の風圧抵抗が大きくなる。これらの大形船舶では、風圧を低減して省エネルギー化する技術が既に開発されている。
【0003】
このような船舶一般における風圧を低減する装置としては、特許文献1の従来技術がある。
この従来技術では、図6に示すように、船舶107の上甲板108の上に設けられた上部構造物109(居住区を含む)の前面の左右および上部の各コーナー部に、断面翼形の帯状付加物103,106を設けている。
上部構造物109に当たる風は、平面的には左右に分かれ、垂直方向では下から上へ吹き上げる空気の流れとなる。この場合、帯状付加物103,106には揚力が発生するので、この揚力によって風圧抵抗を低減できると説明されている。
【0004】
しかしながら、上記従来技術における船舶107では上部構造物109に当たる風111は、当たった直後には乱流となるので、風の通り道に断面翼形の帯状付加物103,106を置いたとしても、充分な揚力を発揮することはできなかった。よって風圧低減効果も充分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭61-196892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、船舶の上部構造物に対する風圧を低減するだけでなく、積極的に推進力に変換する風圧制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の船舶の風圧制御装置は、船舶の甲板上の前方部分に上部構造物が設けられ、該船舶の船首にウインドスクリーンが設けられ、前記ウインドスクリーンは、その前方において、上端に向かうに従い後傾する傾斜整流面を備えており、船体の前方からの風が、前記ウインドスクリーンの傾斜整流面で整流されて前記上部構造物の上方へ流れる部位に、断面翼形の揚力発生板が配置されていることを特徴とする。
第2発明の船舶の風圧制御装置は、第1発明において、前記揚力発生板が、NACA4418の翼形を備えていることを特徴とする。
第3発明の船舶の風圧制御装置は、第1発明において、前記揚力発生板が、支持架台によって前記甲板上に支持され、かつ風に対する迎角を可変に調整できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、船舶の前方からの風が、ウインドスクリーンの傾斜整流面によって整流されて層流となって上部構造物の上方へ流れていくが、この層流の中に揚力発生板が配置されているので、揚力発生板によって前方上向きの揚力が効果的に発生する。この揚力は船舶の推進力に変換できるので航行中の省エネルギー化が達成できる。
第2発明によれば、揚力発生板がNACA4418の翼形であるので、広い迎角範囲で高い揚力を発揮できる。
第3発明によれば、揚力発生板の取付角度が可変であると、船首からの風に対し最も高い揚力が発生するように調整できるので、発生する揚力を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る風圧低減装置を備えた自動車運搬船Sの前方部分を示す側面図である。
(A)は本発明におけるウインドスクリーン5の傾斜整流面6による整流作用の説明図、(B)は傾斜整流面を有しないウインドスクリーンの説明図である。
図1に示す風圧制御装置において揚力Dfが発生する原理の説明図である。
(A)図は揚力発生板10の説明図、(B)図はNACA4418の翼形をもつ揚力発生板10aの説明図、(C)図は断面長四角形の揚力発生板10bの説明図である。
図5は揚力発生板10a,10bの船体抵抗低減効果を示すグラフであり、Iは取付角度30°、IIは取付角度45°、IIIは取付角度60°の場合を示す。
従来技術の風圧低減装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
以下の実施形態は、船舶のうち自動車運搬船に適用したものである。
(【0011】以降は省略されています)

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