TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024156745
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2024119468,2021214212
出願日
2024-07-25,2021-12-28
発明の名称
ヒト胚性幹細胞の侵害受容器分化のための方法およびその使用
出願人
メモリアル スローン ケタリング キャンサー センター
代理人
個人
,
個人
主分類
C12N
5/079 20100101AFI20241029BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】ヒト胚性幹細胞の侵害受容器分化のための方法およびその使用方法を提供する。
【解決手段】本発明は、幹細胞生物学の分野、特に、ヒト胚性幹細胞(hESC)、ヒト誘導多能性幹細胞(hiPSC)、体性幹細胞、がん幹細胞、または系列特異的に分化することができる任意の他の細胞を含み得るが、これらに限定されない、多能性または多分化能性幹細胞の系列特異的分化に関する。特に、新規培養条件を用いてhESCおよび/またはhiPSCの系列特異的分化を侵害受容器(すなわち侵害受容器細胞)へと向かわせる方法を述べる。本発明の方法を用いて作製される侵害受容器は、インビトロでの薬剤発見アッセイにおける使用、疼痛研究における使用、および末梢神経系(PNS)の疾患または損傷を逆転させる治療薬としての使用を含むが、これらに限定されない、様々な用途に関してさらに考慮される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
SOX10を発現する神経堤中間細胞への幹細胞の定方向性分化を誘導する方法であって、
前記方法は、以下:
a)最大4日間にわたって、幹細胞を含む細胞培養物においてSMADシグナル伝達の阻害を誘導することであって、前記SMADシグナル伝達の阻害の誘導が、前記細胞を、TGFβシグナル伝達のインヒビターおよびBMPシグナル伝達のインヒビターと接触させることを含む、阻害を誘導すること;
b)最大192時間にわたって、前記細胞培養物においてウィングレス(Wnt)シグナル伝達の活性化を誘導し、前記細胞培養物においてFGF受容体ファミリーシグナル伝達の阻害を誘導し、前記細胞培養物においてノッチシグナル伝達の阻害を誘導することであって、前記Wntシグナル伝達の活性化の誘導が、前記細胞を、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)のインヒビターと接触させることを含む、誘導すること
を含
み、
ここで、工程a)が工程b)の前に行われ、
ここで、工程b)が、前記SMADシグナル伝達の阻害の初期誘導から4日以内に行われる、方法
。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記TGFβシグナル伝達のインヒビターが、SB431542
であ
る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TGFβシグナル伝達のインヒビターが、SB43154
2を
含む、請求項
1に
記載の方法。
【請求項4】
前記BMPシグナル伝達のインヒビターが、LDN193189
および
ノギ
ンか
ら選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記BMPシグナル伝達のインヒビターが、LDN19318
9を
含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記GSK3βのインヒビターが、CHIR99021
であ
る、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記GSK3βのインヒビターが、CHIR9902
1を
含む、請求項1~
5
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記Wntシグナル伝達の活性化の初期誘導が、前記SMADシグナル伝達の阻害の初期誘導から2日目である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記FGF受容体ファミリーが、VEGF受容体、FGF受容体、およびPDGFチロシンキナーゼ受容体を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記FGF受容体ファミリーシグナル伝達の阻害の誘導が、前記細胞を、FGF受容体ファミリーシグナル伝達のインヒビターと接触させることを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、幹細胞生物学の分野、特に、ヒト胚性幹細胞(hESC)、ヒト誘導多能性幹細胞(hiPSC)、体性幹細胞、がん幹細胞、または系列特異的に分化することができる任意の他の細胞を含み得るが、これらに限定されない、多能性(pluripotent)または多分化能性(multipotent)幹細胞の系列特異的分化に関する。特に、新規培養条件を用いてhESCおよび/またはhiPSCの系列特異的分化を侵害受容器(すなわち侵害受容器細胞)へと向かわせる方法を述べる。本発明の方法を用いて作製される侵害受容器は、インビトロでの薬剤発見アッセイにおける使用、疼痛研究における使用、および末梢神経系(PNS)の疾患または損傷を逆転させる治療薬としての使用を含むが、これらに限定されない、様々な用途に関してさらに考慮される。さらに、疾患モデリングにおける使用のためにヒト多能性幹細胞からメラノサイトを生産するための組成物および方法を提供する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
胚性および体性幹細胞はあらゆる細胞型に分化する能力を有する:それらは、したがって、特徴付けられた細胞集団を侵すかまたは損傷/傷害を与える疾患のための細胞置換療法に極めて適する。それらの直接の治療的価値を超えて、系列特異的分化幹細胞はまた、系列特異的疾患を処置する治療分子の詳細または送達について同定する、確認する、試験するためのインビトロスクリーニングアッセイ、細胞系列特異化および分化の複雑な機構のさらなる解明、ならびに診断または予後マーカーとしての使用に関してさらに考慮することができる、正常状態と疾患または損傷状態との間の重要な生化学的相違を同定することを含む、様々な目的のための有用な研究ツールでもある。
【0003】
神経変性疾患のための治療薬およびモデル系としての胚性および体性幹細胞の能力は広く探求されてきた。しかし、胚性および体性幹細胞の定方向性分化に関する研究および技術開発の多くは、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病および多発性硬化症などの、中枢神経系(CNS)の疾患の分野で行われてきた。末梢神経系(PNS)の系列に向かう胚性および体性幹細胞の定方向性分化に関する知識は、現在のところ十分ではない。PNSは、筋骨格制御および外部刺激の知覚を統合する体性神経系、ならびに心拍および呼吸などの内臓器官の機能を調節する自律神経系から構成される。シャルコー・マリー・トゥース病、ギヤン・バレー症候群およびヒルシュスプルング病を含むPNSの多数の疾患が存在する。PNSの末梢感覚ニューロンの疾患は、傷害を引き起こす有害刺激に応答して重度の疼痛を生じさせるかまたは有害刺激に応答することができないようにするので、特に社会的負担が大きく、それらには、家族性自律神経障害、先天性無痛症、糖尿病性ニューロパシー、および水痘または帯状疱疹の感染による損傷などの疾患が含まれる。
【0004】
末梢感覚ニューロン疾患の病理学を理解すること、ならびに処置方法の開発は、ヒト末梢感覚ニューロンを得ることの難しさによって妨げられている;現在の方法は、3~5週齢のヒト胚からの手操作による単離またはまれな外科手術手技に限定される。胚性幹細胞または体性幹細胞の、特定の末梢感覚ニューロン、特に疼痛を知覚する末梢感覚ニューロンである侵害受容器への定方向性分化は、研究および治療の両適用のためのそのような細胞の理想的な再生産可能供給源となる。最近、胚性幹細胞に由来するニューロン中間体から末梢感覚ニューロンを生産することが試みられている。しかし、これらの技術は、ニューロン中間体が必要であること、マウス間質細胞との共培養、そのような末梢感覚ニューロンを誘導するための時間の長さ、低い収率、混合ニューロン型を含む純粋でない細胞集団、PNS生成ニューロンの限られた生存期間と不十分な特性付けによって制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、夾雑マウス間質細胞を使用せずに高い純度と収率で胚性または体性幹細胞から直接、末梢感覚ニューロン、特に侵害受容器を生産する方法が当分野において求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、幹細胞生物学の分野、特に、ヒト胚性幹細胞(hESC)、ヒト誘導多能性幹細胞(hiPSC)、体性幹細胞、がん幹細胞、または系列特異的に分化することができる任意の他の細胞を含み得るが、これらに限定されない、多能性または多分化能性幹細胞の系列特異的分化に関する。特に、新規培養条件を用いてhESCおよび/またはhiPSCの系列特異的分化を侵害受容器(すなわち侵害受容器細胞)へと向かわせる方法を記載する。本発明の方法を用いて作製される侵害受容器は、インビトロでの薬剤発見アッセイにおける使用、疼痛研究における使用、および末梢神経系(PNS)の疾患または損傷を逆転させる治療薬としての使用を含むが、これらに限定されない、様々な用途に関してさらに考慮される。さらに、疾患モデリングにおける使用のためにヒト多能性幹細胞からメラノサイトを生産するための組成物および方法を提供する。
【0007】
当分野における制約を克服することおよび/または欠陥を軽減することが本発明の1つの目的である。1つの実施形態では、本発明は、i)幹細胞(例えばhESC、hiPSC、体性幹細胞、がん幹細胞、ヒトまたは哺乳動物多能性細胞等)を得ること;ii)二重SMADシグナル伝達を阻害する条件下で前記幹細胞を培養すること;ならびにiii)FGFおよびノッチシグナル伝達を阻害し、Wntシグナル伝達を活性化する条件下で前記細胞をさらに培養することを含む、侵害受容器を生産する方法を提供する。本明細書で使用される場合、「阻害する」または「ブロックする」という用語は、化合物(すなわちインヒビター)での処理の際に細胞の特定のシグナル伝達経路の活性のレベルが、そのような化合物で処理していないままであるかまたは対照で処理した細胞の前記シグナル伝達経路の活性と比較して低下することを意味する。本明細書で使用される場合、「活性化する」という用語は、化合物(すなわちアクチベーター)での処理の際に細胞の特定のシグナル伝達経路の活性のレベルが、そのような化合物で処理していないままであるかまたは対照で処理した細胞の前記シグナル伝達経路の活性と比較して上昇することを意味する。特定のシグナル伝達経路の何らかのレベルの阻害または活性化は、そのような阻害または活性化が幹細胞の定方向性分化を生じさせる場合、本発明の実施形態とみなされる。1つの実施形態では、培養のための方法は、フィーダーを含まない系のための条件を含む。1つの実施形態では、幹細胞を単層で培養する。好ましい実施形態では、培養のための方法は、化合物SB431542、LDN1933189、SU5402、CHIR99021およびDAPTを含む培地の使用を企図する。1つの実施形態では、分化細胞は、培養細胞の集団の少なくとも10%から100%までである。1つの実施形態では、分化細胞は、ISL1、BRN3A、RET、RUNX1およびNTRK1を含む群からの1つ以上のマーカーを発現する。1つの実施形態では、前記マーカーの発現は、培養細胞の集団の少なくとも10%から100%までにおいて発現される。好ましい実施形態では、分化細胞は侵害受容器である。好ましい実施形態では、幹細胞はhESCまたはhiPSCである。
【0008】
1つの実施形態では、本発明は、i)SMADシグナル伝達およびTGFβ/アクチビン-ノーダルシグナル伝達(TGFβ/Activin-Nodal signaling)の両方をブロックする第一インヒビターまたはインヒビターの組合せ;ii)FGFシグナル伝達をブロックする第二インヒビター;iii)ノッチシグナル伝達をブロックする第三インヒビター;ならびにiv)Wntシグナル伝達のアクチベーター、を含むキットを提供する。1つの実施形態では、第一インヒビターは、LDN193189およびSB431542、それらの組合せ、それらの混合物を含む群から選択される。1つの実施形態では、第二インヒビターは、SU5402およびその誘導体を含む。1つの実施形態では、第三インヒビターは、DAPTおよびその誘導体を含む。1つの実施形態では、アクチベーターは、CHIR99021およびその誘導体を含む。1つの実施形態では、キットはヒト幹細胞をさらに含む。1つの実施形態では、キットは、本発明を実施するための指示書をさらに提供する。
【0009】
1つの実施形態では、本発明は、i)SMADシグナル伝達およびTGFβ/アクチビン-ノーダルシグナル伝達の両方をブロックする第一インヒビターまたはインヒビターの組合せ;ii)FGFシグナル伝達をブロックする第二インヒビター;iii)ノッチシグナル伝達をブロックする第三インヒビター;ならびにiv)Wntシグナル伝達のアクチベーター、を含むキットを提供する。1つの実施形態では、前記第一インヒビターは、SB431542、LDN193189、それらの組合せおよびそれらの混合物を含む群から選択される。1つの実施形態では、前記第二インヒビターは、SU5402およびその誘導体を含む。1つの実施形態では、前記第三インヒビターは、DAPTおよびその誘導体を含む。1つの実施形態では、前記アクチベーターは、CHIR99021およびその誘導体を含む。1つの実施形態では、前記キットは指示書をさらに含む。1つの実施形態では、前記キットはヒト幹細胞をさらに含む。1つの実施形態では、前記ヒト幹細胞はヒト胚性幹細胞である。1つの実施形態では、前記ヒト幹細胞はヒト誘導多能性幹細胞である。
【0010】
本発明は、分化幹細胞の末梢感覚ニューロンサブタイプを評価するための方法をさらに企図する。この方法のある実施形態は、顕微鏡分析、機能アッセイ、特定の系列に関連するマーカーの発現または下方調節の測定を利用することができる。好ましい実施形態では、該方法は、ISL1、BRN3A、RET、RUNX1およびNTRK1を含む群から選択される侵害受容器特異化に関連するマーカーを測定することを含む。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
菊川深蒸し茶わり
2か月前
池田食研株式会社
納豆菌発酵液
1か月前
東洋紡株式会社
酵素の製造方法
1か月前
東レ株式会社
RNAの検出方法
1か月前
豊田合成株式会社
細胞回収具
1か月前
東レ株式会社
RNA溶液の製造方法
1か月前
長谷川香料株式会社
抗菌活性評価方法
1か月前
株式会社 資生堂
融解装置
1か月前
株式会社日本バイオデータ
品質管理方法
1か月前
個人
アルコール飲料の味覚改良方法
1か月前
国立大学法人大阪大学
組成物
2か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
2か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
3か月前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
3か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
2か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
3か月前
株式会社雷神の風
試料採取装置
27日前
株式会社写真化学
菌体観察装置
18日前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
3か月前
メルス ナムローゼ フェンノートシャップ
CLEC12AxCD3二重特異性抗体及び疾患の治療方法
1か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
3か月前
本田技研工業株式会社
培養システム
3か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
3か月前
新東工業株式会社
培養装置
1か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
3か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
3か月前
株式会社アテクト
培養シート
1か月前
新東工業株式会社
培養システム
1か月前
国立大学法人東京海洋大学
ウイルス不活化用組成物
5日前
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
2か月前
株式会社MARS Company
善玉菌増殖方法
1か月前
横河電機株式会社
観察培養装置
1か月前
国立大学法人山梨大学
キメラタンパク質
2か月前
学校法人近畿大学
柿を用いた酒類の製造方法
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
2か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
2か月前
続きを見る
他の特許を見る