TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024156630
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2024069653
出願日2024-04-23
発明の名称フェノールフォーム用の発泡安定剤
出願人エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー,Evonik Operations GmbH
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人,個人
主分類C08J 9/04 20060101AFI20241029BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】フェノールフォームに従来使用されてきた発泡安定剤ポリエーテル変性シロキサンの欠点である、分解物の形成によるエミッションへの悪影響のない新規発泡安定剤を含むフェノールフォーム製造用の組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのフェノール樹脂と、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの触媒とを含む、フェノールフォーム製造用の組成物であって、該組成物が、発泡安定剤として少なくとも1つのアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1つのフェノール樹脂と、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの触媒とを含む、フェノールフォーム製造用の組成物において、前記組成物が、発泡安定剤として少なくとも1つのアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーを含むことを特徴とする、組成物。
続きを表示(約 2,900 文字)【請求項2】
前記少なくとも1つのアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーが、H

C=CR

-COOR

型の少なくとも1つのコモノマーおよびH

C=CR

-COOR

型の少なくとも1つのコモノマーを含み、ここで、


=それぞれ互いに独立して、-Hまたは-CH

であり、互いに異なる置換基R

を有する異なるコモノマーがコポリマー内に存在することが可能であり、


=それぞれ互いに独立して、1~25個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、直鎖状、環状または分岐状の、脂肪族または芳香族炭化水素の群からの同一のまたは異なる基、有利には、メチル、エチル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシル、イソデシル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、イソボルニルまたはアリルであり


=それぞれ互いに独立して、式(1)
TIFF
2024156630000006.tif
50
169
による一般平均組成の同一のまたは異なるポリエーテル基であり、
ここで、
x=1~500、有利には1~250、特に3~80であり、


=それぞれ互いに独立して、同一のまたは異なる基-CH

-O-、-CH

-CH

-O-、-CH

-CH

-CH

-O-、-CH

-CH

-CH

-CH

-O-、または-CH

-CH

-CH

-CH

-CH

-O-であり、R

は、省略されてもよく、


=それぞれ互いに独立して、1~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、または6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、またはH、好ましくはH、メチル、エチルまたはベンジルであり、基R

内に、異なる置換基R

が任意の順序または配列で存在することが可能であり、


=それぞれ互いに独立して、1~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、または6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、またはH、好ましくはH、メチル、エチルまたはベンジルであり、基R

内に、異なる置換基R

が任意の順序または配列で存在することが可能であり、
モノマー繰返し単位について、好ましくは、2つの基R

およびR

=Hであるか、または2つの基R

およびR

のうち一方がHであり、他方がメチルであり、

【請求項3】
前記少なくとも1つの発泡剤が、以下:
- 3、4または5個の炭素原子を有する炭化水素、好ましくはシクロ-、イソ-および/またはn-ペンタン
ならびに
- 3、4または5個の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素、好ましくは塩化イソプロピル、ハイドロフルオロオレフィンおよび/またはハイドロハロオレフィン、好ましくは1234ze、1234yf、1224yd、1233zd(E)および/または1336mzz
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つのアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーが、DIN 55672-1:2016-03によるゲル浸透クロマトグラフィー(溶離液:THF;標準物質:PMMA)によって決定された500~100,000g/mol、特に好ましくは1,000~40,000g/mol、特に1,000~25,000g/molの範囲の数平均分子量Mnを有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーが、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して0.1~15重量部、有利には0.5~10重量部、特に好ましくは0.5~8重量部の総量で含まれていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つのSi含有発泡安定剤が、含まれる全発泡安定剤の総量に対して有利には50重量%未満、さらに好ましくは25重量%未満、なおもさらに好ましくは10重量%未満の総量で含まれていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
それぞれアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーではない少なくとも1つのケイ素不含界面活性剤および/またはケイ素不含発泡安定剤が、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して0.1~15重量部、有利には1~10重量部の総量でさらに含まれていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つのアルコキシル化、好ましくはエトキシル化植物油、特にヒマシ油が、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して0.1~15重量部、有利には1~10重量部の総量でさらに含まれていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つの触媒が、有機酸および無機酸からなる群から選択され、有利には、少なくとも1つの触媒は、硫酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、クメンスルホン酸およびフェノールスルホン酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの触媒が、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して1~30重量部、有利には1~25重量部、特に好ましくは3~20重量部の総量で含まれていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノールフォームの分野に関する。本発明は特に、フェノールフォームを製造するための組成物、フェノールフォームの製造方法、本発明により製造されたフェノールフォームおよびその使用に関する。本発明の範囲において、フェノールフォームとは特に、発泡剤および発泡安定剤の添加下にフェノール樹脂を触媒としての酸と反応させることにより得られるフォームを意味すると理解される。フェノールフォームは当業者に公知であり、例えば、欧州特許出願公開第3830174号明細書、欧州特許第602004006376号明細書独語翻訳文、欧州特許出願公開第2898005号明細書、欧州特許出願公開第1922357号明細書、国際公開第2022043561号、欧州特許出願公開第4073155号明細書、豪国特許出願公開第2021238847号明細書または国際公開第2006114777号に記載されている。フェノールフォームは、別称としてフェノール樹脂フォームとも呼ばれる。これは、本発明にも該当する。
続きを表示(約 4,100 文字)【0002】
フェノールフォームの製造においては、一般にセル安定化添加剤あるいはフォーム安定化添加剤を使用することができ、これらの添加剤は、微細なセルで均一かつ乱れの少ないフォーム構造を得ることを目的としており、したがってフォームの使用特性、特に例えば断熱性能に大きな好影響を与える。この目的のためには通常、発泡安定剤を使用することができ、例えば欧州特許出願公開第3830174号明細書に記載されているように、エトキシル化植物油、例えばヒマシ油をベースとする発泡安定剤を使用することができる。例えば国際公開第2022043561号に記載されているようなポリエーテル変性シロキサン(PES)の使用は、使用特性をさらに改善するのに特に有効であることが証明されている。特に、エトキシル化植物油とポリエーテル変性シロキサンとの組み合わせは、優れた使用特性をもたらす。したがって、この組み合わせは、フェノールフォームの製造において一般的に好ましいタイプの発泡安定剤である。
【0003】
触媒として酸の存在下で発泡安定剤としてポリエーテル変性シロキサンを使用すると、ポリエーテル変性シロキサンの分解、ならびにそれに続く環状シロキサン、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)の形成が生じることがあり、これらはフェノールフォームの特性、特にエミッションに悪影響を及ぼす。
【0004】
このような背景から、本発明の課題は、従来のポリエーテル変性シロキサンを用いて製造されたフェノールフォームと同様の使用特性、特に断熱特性を有するが、環状シロキサンの形成に関連するエミッションに関してD4、D5および/またはD6がまったくまたはわずかにしか形成されないフェノールフォームを提供することであった。
【0005】
この課題は、本発明の対象によって解決される。本発明の対象は、少なくとも1つのフェノール樹脂と、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの触媒とを含む、フェノールフォーム製造用の組成物であって、該組成物が、発泡安定剤として少なくとも1つのアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーを含む、組成物である。
【0006】
本発明による対象は、様々な利点を有する。例えば、本発明による対象により、公知の要求を満たすフェノールフォームの提供が可能になる。特に、該フェノールフォームは、非常に良好な断熱特性を有し、優れた長期挙動および高い表面品質を示す。有利なことに、これは、材料の他の特性を損なうことなく、そして、環状シロキサン、特にD4、D5および/またはD6がまったくまたはわずかにしか形成されることなく可能となる。さらに、特に微細なセルで、均一で、乱れの少ないフォーム構造が可能となる。本発明により、基本的に、シロキサンを用いない発泡安定化が可能となり、すなわち、本発明により、例えば公知のポリエーテル変性シロキサンなどのシロキサン系添加剤を完全に省くことが可能となる。さらに、本発明により、先行技術から知られているアルコキシル化植物油との併用も可能となる。
【0007】
少なくとも1つのアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーが、H

C=CR

-COOR

型の少なくとも1つのコモノマーおよびH

C=CR

-COOR

型の少なくとも1つのコモノマーを含み、ここで、


=それぞれ互いに独立して、-Hまたは-CH

であり、互いに異なる置換基R

を有する異なるコモノマーがコポリマー内に存在することが可能であり、


=それぞれ互いに独立して、1~25個の炭素原子を有する飽和または不飽和の、直鎖状、環状または分岐状の、脂肪族または芳香族炭化水素の群からの同一のまたは異なる基、有利には、メチル、エチル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシル、イソデシル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、イソボルニルまたはアリルであり


=それぞれ互いに独立して、式(1)
TIFF
2024156630000001.tif
50
169
による一般平均組成の同一のまたは異なるポリエーテル基であり、
ここで、
x=1~500、有利には1~250、特に3~80であり、


=それぞれ互いに独立して、同一のまたは異なる基-CH

-O-、-CH

-CH

-O-、-CH

-CH

-CH

-O-、-CH

-CH

-CH

-CH

-O-、または-CH

-CH

-CH

-CH

-CH

-O-であり、R

は、省略されてもよく、


=それぞれ互いに独立して、1~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、または6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、またはH、好ましくはH、メチル、エチルまたはベンジルであり、基R

内に、異なる置換基R

が任意の順序または配列で存在することが可能であり、


=それぞれ互いに独立して、1~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、または6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、またはH、好ましくはH、メチル、エチルまたはベンジルであり、基R

内に、異なる置換基R

が任意の順序または配列で存在することが可能であり、
モノマー繰返し単位について、好ましくは、2つの基R

およびR

=Hであるか、または2つの基R

およびR

のうち一方がHであり、他方がメチルであり、

【0008】
本発明の趣意において使用可能なアクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーの特に好ましい例は、これらに限定されるものではないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3,4-ジヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,5-ジメチル-1,6-ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオール(メタ)アクリレート;グリコールジメタクリレート、例えば、1,4-ブタンジオールメタクリレート、2-ブトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエトキシメチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート;エーテルアルコールのメタクリレート、例えば、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ビニルオキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、1-ブトキシプロピルメタクリレート、1-メチル(2-ビニルオキシ)エチルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、メトキシメトキシエチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2-ブトキシエチルメタクリレート、2-エトキシエトキシメチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1-エトキシブチルメタクリレート、メトキシメチルメタクリレート、1-エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレートおよび/または好ましくは1~20個、特に2~8個のエトキシ基もしくはプロポキシ基を有するエトキシル化もしくはプロポキシル化(メタ)アクリレートである。
【0009】
本明細書における(メタ)アクリレートという表記は、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメタクリレート、および例えばメチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリレート、ならびに両者の混合物を意味する。
【0010】
さらに、使用可能なアクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーの製造方法は、先行技術から当業者に知られている。これらは、例えば、欧州特許出願公開第1070730号明細書または米国特許第9349500号明細書に記載されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東ソー株式会社
延伸物
1か月前
東レ株式会社
フィルム
3か月前
東ソー株式会社
配管材
3か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東ソー株式会社
樹脂組成物
3か月前
三菱ケミカル株式会社
テープ
2か月前
東レ株式会社
フィルムロール
3か月前
日本化薬株式会社
樹脂微粒子
2か月前
株式会社トクヤマ
樹脂組成物
1か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
2か月前
オムロン株式会社
電子部品
22日前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
2か月前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
2か月前
東ソー株式会社
エチレン系重合体
3か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
2か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
3か月前
東レ株式会社
繊維強化樹脂中空構造体
2か月前
NOK株式会社
EPDM組成物
1か月前
花王株式会社
乳化組成物
2か月前
株式会社スリーボンド
硬化性樹脂組成物
29日前
JNC株式会社
白色熱硬化性樹脂組成物
2か月前
JNC株式会社
白色熱硬化性樹脂組成物
3か月前
住友精化株式会社
粘性組成物の製造方法
1か月前
株式会社大阪ソーダ
熱伝導用素材組成物
3か月前
アイカ工業株式会社
メラミン樹脂発泡体
1か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
1か月前
株式会社カネカ
液状ポリオレフィン組成物
3か月前
株式会社大阪ソーダ
熱可塑性材料用組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
ゴム加硫物の製造方法
1か月前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
2か月前
JNC株式会社
低誘電率樹脂形成用組成物
2か月前
第一工業製薬株式会社
熱可塑性樹脂組成物
2か月前
日本ポリプロ株式会社
プロピレン系重合体
22日前
株式会社カネカ
硬化性組成物
1か月前
続きを見る