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公開番号
2024155631
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023070506
出願日
2023-04-21
発明の名称
有機物を含むコンクリートスラッジ処理物の製造方法
出願人
環境創研株式会社
代理人
弁理士法人IPアシスト
主分類
B09B
3/70 20220101AFI20241024BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】コンクリートスラッジを利用して、タンパク質を含有する有機物を、アンモニアの発生を抑制しながら処理する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、タンパク質を含有する有機物とコンクリートスラッジと二価鉄化合物とリン酸化合物との混合物を調製する工程、及び混合物を少なくとも1時間保持する工程を含む、アンモニアの発生が抑制された前記有機物を含有するコンクリートスラッジ処理物の製造方法;タンパク質を含有する有機物からのアンモニアの発生を抑制する方法;これらの方法において使用するためのキット;コンクリートスラッジ処理物を用いた硫化水素放出抑制方法を提供する。本発明によれば、タンパク質を含有する有機物の処理を、アンモニアの発生を抑制しながら行うことができ、さらに得られるコンクリートスラッジ処理物は有害金属の溶出が抑制されることから、最終処分場での埋立処分が可能となる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
タンパク質を含有する有機物と、コンクリートスラッジと、二価鉄化合物と、リン酸化合物との混合物を調製する工程、及び混合物を少なくとも1時間保持する工程を含む、アンモニアの発生が抑制された、前記有機物を含有するコンクリートスラッジ処理物を製造する方法であって、
混合物の調製に用いられる二価鉄化合物中の鉄とリン酸化合物中のリン酸との質量比が1:2~1:8であり、かつ調製された混合物のpHが10~12.5である、前記方法。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
有機物中のタンパク質の質量に対するコンクリートスラッジの固形分の質量が3倍以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
混合物が、タンパク質を含有する有機物と、コンクリートスラッジと、二価鉄化合物及びリン酸化合物を溶解した液体とを混合することで調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
二価鉄化合物が、硫酸鉄(II)又は塩化鉄(II)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
リン酸化合物が、オルトリン酸又はその塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
タンパク質を含有する有機物が、魚介類残渣である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
タンパク質を含有する有機物が、魚介類の内臓、貝殻付着物、又はヒトデである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンクリートスラッジ処理物からの有害金属の溶出が抑制されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
タンパク質を含有する有機物と、コンクリートスラッジと、二価鉄化合物と、リン酸化合物との混合物を調製する工程、及び混合物を少なくとも1時間保持する工程を含む、タンパク質を含有する有機物からのアンモニアの発生を抑制する方法であって、
混合物の調製に用いられる二価鉄化合物中の鉄とリン酸化合物中のリン酸との質量比が1:2~1:8であり、かつ調製された混合物のpHが10~12.5である、前記方法。
【請求項10】
二価鉄化合物とリン酸化合物とを溶解した液体であって、二価鉄化合物中の鉄とリン酸化合物中のリン酸との質量比が1:2~1:8である前記液体を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法に使用するためのキット。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質を含有する有機物を含むコンクリートスラッジ処理物の製造方法、タンパク質を含有する有機物からのアンモニアの発生を抑制する方法、これらの方法において使用するためのキット、並びに製造されたコンクリートスラッジ処理物の利用に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
水産加工残渣や食品残渣といったタンパク質を含有する有機系廃棄物は、家畜飼料、堆肥化等の資源活用に向けた様々な取り組みがなされているものの、依然として廃棄物として処分されることが多い。特に、イカの内臓、ホタテの中腸腺等の水産加工残渣は、高濃度のカドミウム及びヒ素が含まれていることから、ヒトや家畜に摂取させる形で利用することができず、大半が産業廃棄物として処理されている。
【0003】
有機系廃棄物が産業廃棄物として処理される場合、通常は粉砕、脱水等の中間処理によって減容化した後、他の産業廃棄物と共に埋立処分される。埋立処分の際、問題となるのが、有機物の分解に伴うアンモニア等の悪臭の発生、及び害虫の発生である。さらに、有機物の量によっては、浸出水のBOD(生物化学的酸素要求量)及びCOD(化学的酸素要求量)が上昇し、排水処理の負荷が増大する問題もある。さらに、急速な有機物分解によって埋立物が軟化し、重機がその上に乗ると沈下するという作業上の問題もある。
【0004】
有害金属を含有する有機系廃棄物を埋立処分する場合は、上述の問題に加えて、有機物にトラップされていた有害金属が有機物の分解に伴って浸出水に溶出してしまうという問題もある。このような浸出水は排水基準を満たすレベルまで有害金属の濃度を低下させる排水処理が求められることから、有害金属を含有する有機系廃棄物の受け入れは管理型最終処分場への負担が大きい。このような様々な問題の存在から、有機系廃棄物、特にイカの内臓、ホタテの中腸腺等の水産加工残渣については、最終処分場での埋立処分はほとんど行われていないのが現状である。
【0005】
一方、コンクリートスラッジ(生コンスラッジともいう)は、生コンクリート工場のミキサー、アジテータ、現場で使用されなかった残コンクリート(残コン)や荷卸し検査に不合格となったコンクリート(戻りコン)の洗浄により発生する排水から、骨材を除去した残渣である。
【0006】
コンクリートスラッジは、廃棄物処理法上、産業廃棄物の汚泥に分類され、原則として管理型最終処分場にて埋立処分されている。しかしながら、コンクリート製造会社にとって多量に発生するコンクリートスラッジの処分費用の負担は大きく、また近年は管理型最終処分場の残余容量が減少しており、コンクリートスラッジの有効利用が望まれている。
【0007】
コンクリートスラッジの有効利用にあたっては、有害な六価クロムを含有するという、コンクリートスラッジの性質が課題となっている。例えば、コンクリートスラッジを埋め戻し材として利用する場合には、六価クロムの溶出量を環境基準値以下とするための前処理が必要となり、有効利用の障害となっている。
【0008】
特許文献1は、生コンスラッジに、硫酸第一鉄と高分子凝集剤と無機粉末とを添加して混合する混合工程と、この混合工程により得られた混合物を養生する養生工程とを備えたことを特徴とする生コンスラッジの中性化処理方法を開示している。また、特許文献2は、特許文献1の中性化処理方法によって得られる中性化処理土を含むことを特徴とする、硫化水素ガス吸着材を開示している。この中性化処理方法によれば、コンクリートスラッジ中の六価クロムを還元することができるが、多量の硫酸第一鉄を要するという課題がある。
【0009】
さらに、特許文献3には、コンクリートスラッジに二価鉄化合物及びリン酸化合物を添加、混合して、コンクリートスラッジ処理物を製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2014-087723号公報
特開2017-064613号公報
特許第7117809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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