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公開番号2024141793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053631
出願日2023-03-29
発明の名称焼却灰の水洗処理方法。
出願人株式会社トクヤマ
代理人
主分類B09B 3/80 20220101AFI20241003BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】 安定的に塩素含有量の少ない、性状が均一な安定した処理済みの焼却灰(洗浄灰)を効率よく得る焼却灰の水洗処理方法を提供することを目的とする。これにより、該焼却灰をセメント原燃料として使用しても、取扱い易く、製造されるセメント中の塩素量を抑制することができ、よって、セメント原燃料として常に多量の焼却灰を使用することが容易となる。
【解決手段】 焼却灰を水と混合してスラリーを調製し、該スラリーをろ過装置にかけて洗浄灰と洗浄水とに分離した後、さらにろ過残渣を水洗する焼却灰の水洗処理方法において、予めスラリー濃度とろ過時間の関係を求める工程と、前記ろ過装置にかけるスラリー濃度を求め、前記求められた関係より、ろ過時間を算出する工程と、前記スラリーを算出されたろ過時間まで前記ろ過装置にかける工程を有する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
焼却灰を水と混合してスラリーを調製し、該スラリーをろ過装置にかけて洗浄灰と洗浄水とに分離した後、さらにろ過残渣を水洗する焼却灰の水洗処理方法において、
予めスラリー濃度とろ過時間の関係を求める工程と、
前記ろ過装置にかけるスラリー濃度を求め、前記求められた関係より、ろ過時間を算出する工程と、
前記スラリーを算出されたろ過時間まで前記ろ過装置にかける工程を有することを特徴とする焼却灰の水洗処理方法。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
前記ろ過装置は、フィルタープレス又はベルトフィルターである請求項1に記載の焼却灰の水洗処理方法。
【請求項3】
前記水洗する工程は、前記ろ過残差の2倍以上の水で水洗する請求項1又は2に記載の焼却灰の水洗処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却灰の水洗処理方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
都市ゴミ等の焼却飛灰、バイオマス灰や塩素バイパスダスト等の焼却灰の利用方法の一つに、セメントの原燃料とする方法がある。しかしながら、セメント原燃料とする場合も無制限に使用できるわけではなく、特に、最終製品であるセメント中の塩素含有量をJIS規格に収めるために、焼却灰を洗浄し、その塩素含有量を減らす必要性がある。
焼却灰の洗浄は、焼却灰を水と混合してスラリーを調製し、該スラリーをろ過装置にかけて洗浄灰と洗浄水とに分離した後、さらにろ過残渣を水洗する方法がある。この場合、焼却灰の重量によって、ろ過装置にかけるスラリーの量、すなわち、ろ過時間を一定に調整している(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-95605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、焼却灰中の可溶性成分量は必ずしも一定ではなく、むしろ大きく変動するため、スラリー濃度(固形分濃度)が変動する。上記特許文献1に記載の方法では、焼却灰のスラリー化の際、焼却灰とスラリーを作製するための水の量を制御して、定量供給するため、スラリー濃度が一定にならず、ろ過時間を一定に調整した場合、ろ過装置に溜まる固形分が増減し、得られるろ過残渣にムラが生じるとともに処理効率が変動するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。その結果、フィルタープレス等のろ過装置による焼却灰スラリーのろ過洗浄において、スラリー調整時のスラリー濃度(スラリー中の不溶性成分量)とスラリーのろ過時間の制御により、ろ過残差ムラの生じやすさ、ろ過洗浄処理効率が決ることを見出した。さらに、この知見に基づき、さらに安定した形状のろ過残渣(洗浄灰)が効率良く得られる本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の焼却灰の水洗処理方法は、焼却灰を水と混合してスラリーを調製し、該スラリーをろ過装置にかけて洗浄灰と洗浄水とに分離した後、さらにろ過残渣を水洗する焼却灰の水洗処理方法において、予めスラリー濃度とろ過時間の関係を求める工程と、前記ろ過装置にかけるスラリー濃度を求め、前記求められた関係より、ろ過時間を算出する工程と、前記スラリーを算出されたろ過時間まで前記ろ過装置にかける工程を有する。
また、本発明の焼却灰の水洗処理方法において、前記ろ過装置は、フィルタープレス又はベルトフィルターであることが好ましい。
更に、本発明の焼却灰の水洗処理方法において、前記水洗する工程は、前記ろ過残差の2倍以上の水で水洗することが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、安定的に塩素含有量の少ない、性状が均一な安定した処理済みの焼却灰(洗浄灰)を効率よく得ることができる。これにより、該焼却灰をセメント原燃料として使用しても、取扱い易く、製造されるセメント中の塩素量を抑制することができ、よって、セメント原燃料として常に多量の焼却灰を使用することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
スラリー濃度とろ過時間の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(焼却灰)
本発明において処理対象とされる焼却灰は特に限定されるものではなく、バイオマス灰や石炭灰、塩素バイパスダスト等にも適用できる。その発生量が多く、セメント原料以外の有用な用途が実質的に無く、かつ塩素含有量も比較的多い点で都市焼却灰を対象とすることが好ましい。
都市ごみの焼却炉から排出される焼却灰のうち、主灰は、主としてストーカー炉の下部より燃え殻として排出される焼却灰であり、冷却焼却後に水と接触するため、水分を20%ないし50%(質量)程度含有する塊状物として得られる。また、その塩素含有量は、0.5ないし5.0%(質量)に及ぶ。一方、飛灰は、ストーカー炉の排ガスや流動床炉の排ガスより補足される微粉であり、一般に5ないし30%(質量)程度の割合で塩素を含有している。主灰および飛灰は、ともに塩素成分を含む可溶性成分量の変動範囲が大きい。
【0009】
上記主灰には、空き缶、針金等の異物が多く含まれる場合があり、これらをあらかじめ除去することが好ましい。また、主灰は塊状物であるため、あらかじめ平均粒径が500μm以下、好ましくは、200μm以下、さらに好ましくは、50ないし150μmとなるように調整することが必要である。さらに、主灰粉砕後においても、未粉砕物や粉砕前に除去しきれていない異物を除去することが好ましい。
【0010】
一方、飛灰は主灰に対して多量のダイオキシン類を含有しているため、予め脱ダイオキシン類処理をされていることが好ましい。脱ダイオキシン類の方法は特に限定されず公知の条件にて行えばよいが、例えば、飛灰を無酸素雰囲気下、300ないし600℃、好ましくは350℃ないし500℃の温度で処理すればよい。上記無酸素雰囲気下とは、酸素が完全に存在しない場合の他に、装置等の構造により不可避的に進入する酸素、被処理物に同伴される酸素等が含有されている態様を含むものである。脱ダイオキシン類は、無酸素雰囲気を窒素ガスによって形成し、加熱機により加熱を行う態様が好ましい。なお、脱ダイオキシン類処理における加熱により、水銀も揮発除去でき、比較的高濃度の水銀を含む都市焼却灰の前処理としては有効である。
(【0011】以降は省略されています)

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