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公開番号2024162942
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023104523
出願日2023-06-26
発明の名称薬剤を徐放可能な汚染土壌原位置修復用埋設杭、及び修復方法
出願人生態環境部南京環境科学研究所
代理人個人
主分類B09C 1/08 20060101AFI20241114BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】土壤へ放出する薬剤量を正確に制御することができる、薬剤を徐放可能な汚染土壌原位置修復用埋設杭、及び修復方法を提供する。
【解決手段】本発明は、杭筒10と、杭筒内に設けられた薬剤徐放機構20と、を含み、杭筒全体を地中に埋設し、薬剤散布装置に修復薬剤を散布放出した後、薬剤散布装置内に高圧空気を導入し、高圧気流による衝撃作用によって修復薬剤を土壤に散布放出する薬剤を徐放可能な汚染土壌原位置修復用埋設杭、及び修復方法を開示する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
薬剤を徐放可能な汚染土壌原位置修復用埋設杭であって、
杭筒(10)と、前記杭筒(10)内に設けられた薬剤徐放機構(20)と、を含み、
前記杭筒(10)は、内部が中空で且つ上端が開放した円筒形構造であり、頂部に薬剤タ
ンク(11)を収納するための収納キャビティ(12)が設けられており、
前記薬剤徐放機構(20)は、前記杭筒(10)の内側壁に固定された複数の薬剤散布装
置(21)を含み、前記薬剤散布装置(21)は、内部が中空で且つ杭筒(10)に接合
する側に開口が設けられ、薬剤散布装置(21)内に、複数の散布貫通孔(214)を側
壁に有する散布用カートリッジ(213)が設けられ、
前記杭筒(10)の側壁には、薬剤散布装置(21)に連通している複数の薬剤放出貫通
孔(212)を有し、
前記散布用カートリッジ(213)内の頂部に粉末ノズル(211)が固設され、前記薬
剤タンク(11)内に粉末コンベア(13)が固設され、前記粉末コンベア(13)の出
力端が接続管を介して前記粉末ノズル(211)内に連通しており、
前記薬剤散布装置(21)の外側に加圧装置(22)が固設され、前記加圧装置(22)
は第1連通管(221)を介して薬剤散布装置(21)に連通しており、
前記加圧装置(22)の外側壁に、その内部に連通している複数の第2連通管(222)
が固設され、前記第2連通管(222)に第1バルブ(223)を有し、
前記加圧装置(22)内に空気圧開放装置(23)が固設され、前記空気圧開放装置(2
3)の外側には、その内部に連通している空気圧開放管(231)が固設され、前記空気
圧開放管(231)は第2バルブ(232)を有し、前記空気圧開放管(231)は配管
を介して加圧装置(22)の外部まで延在しており、
前記収納キャビティ(12)内には、空気圧縮機(121)と、前記空気圧縮機(121
)に接続された複数の圧縮空気貯蔵タンク(122)とがさらに設けられ、各前記圧縮空
気貯蔵タンク(122)は1つの第2連通管(222)を介して加圧装置(22)に連通
している、ことを特徴とする埋設杭。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
前記薬剤散布装置(21)の下端には、薬剤カプセル(243)を内部に有する薬剤仮貯
蔵カートリッジ(24)が設けられ、前記散布用カートリッジ(213)内の底部には、
薬剤仮貯蔵カートリッジ(24)内に挿入する第3連通管(241)が固設され、前記第
3連通管(241)に第3バルブ(242)を有し、
前記薬剤仮貯蔵カートリッジ(24)の下端には薬剤移送機構(25)が固設され、前記
薬剤移送機構(25)の頂部には、前記薬剤仮貯蔵カートリッジ(24)の内部に連通し
ている穿刺連通管(251)が固設され、前記薬剤移送機構(25)内には、垂直に配置
された穿刺伸縮ロッド(252)が固設され、前記穿刺伸縮ロッド(252)は電気制御
伸縮ロッドであり、内部ロッドが上を向いており、前記穿刺伸縮ロッド(252)の内部
ロッドの頂部には、垂直に延びている穿刺ニードル(253)が固設され、前記穿刺ニー
ドル(253)内に気密性セパレータ(254)が固設され、前記穿刺ニードル(253
)の側壁において前記気密性セパレータ(254)の下方に位置する部位に内外を連通さ
せる複数の気流導出孔(255)を有し、前記穿刺ニードル(253)の側壁において前
記気密性セパレータ(254)の上方に位置する部位に内外を連通させる複数の気流導入
孔(256)を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の埋設杭。
【請求項3】
前記薬剤仮貯蔵カートリッジ(24)の外側に薬剤交換機構(26)が設けられ、前記薬
剤交換機構(26)は、前記薬剤仮貯蔵カートリッジ(24)の外側に固定されたカプセ
ル貯蔵装置(261)及びカプセル回収装置(262)を含み、前記カプセル貯蔵装置(
261)内には、前記薬剤仮貯蔵カートリッジ(24)の内部に連通している輸送管(2
63)が固設され、前記カプセル貯蔵装置(261)内には、巻き取りリール(264)
が回転嵌合可能に接続され、前記巻き取りリール(264)は水平に配置され、その回転
軸が縦方向に延びており、前記巻き取りリール(264)は、サーボモータによって回転
駆動され、固定膜(265)が巻設され、前記固定膜(265)には複数の前記薬剤カプ
セル(243)が固定されており、
前記カプセル回収装置(262)内には、前記薬剤仮貯蔵カートリッジ(24)の内部に
連通している回収管(266)が固設され、前記カプセル回収装置(262)内に回収リ
ール(267)が回転嵌合可能に接続され、前記回収リール(267)は水平に配置され
、その回転軸が縦方向に延びており、前記回収リール(267)は、サーボモータによっ
て回転駆動され、前記固定膜(265)の一端は前記輸送管(263)及び前記回収管(
266)を通ってカプセル回収装置(262)内まで延びており、前記固定膜(265)
の前記カプセル回収装置(262)内まで延びている一端は前記回収リール(267)に
巻き付けられて固定される、ことを特徴とする請求項2に記載の埋設杭。
【請求項4】
前記薬剤散布装置(21)の頂部に貫通孔開閉機構(27)が設けられ、前記貫通孔開閉
機構(27)は、前記薬剤散布装置(21)の頂部に固定された開閉機構ハウジング(2
71)を含み、前記開閉機構ハウジング(271)の底部には、前記薬剤散布装置(21
)の内部に連通している密閉板シュート(272)を有し、前記薬剤散布装置(21)内
において密閉板(273)が前記杭筒(10)の内側壁に密着して設けられ、前記密閉板
(273)の上端は前記密閉板シュート(272)を通って前記開閉機構ハウジング(2
71)内に伸びており、
前記密閉板(273)の上端には、軸線が縦方向に延びている昇降制御リング(274)
が固設され、前記昇降制御リング(274)の内側に雌ネジが加工されており、前記開閉
機構ハウジング(271)内の頂部に昇降制御モータ(275)が固設され、前記昇降制
御モータ(275)の出力軸には、縦方向に延びている昇降制御レバー(276)が固設
され、前記昇降制御レバー(276)に雄ネジが設けられており、前記昇降制御レバー(
276)は前記昇降制御リング(274)内にネジ伝動可能能に嵌合され、
前記密閉板(273)には、両側を貫通している複数の薬剤放出嵌合孔(277)を有す
る、ことを特徴とする請求項1に記載の埋設杭。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の埋設杭による汚染土壌原位置修復方法であって、
杭筒(10)全体を地中に固定して埋設し、杭筒(10)の頂部にある収納キャビティ(
12)を地上に露出させるステップS1と、
空気圧縮機(121)によって圧縮空気貯蔵タンク(122)に空気を充填し、圧縮空気
貯蔵タンク(122)内の気圧を6~10標準大気圧とするステップS2と、
粉末コンベア(13)によって薬剤タンク(11)内の粉末薬剤を粉末ノズル(211)
に輸送し、粉末ノズル(211)を利用して粉末薬剤を散布用カートリッジ(213)に
スプレーして散布させるステップS3と、
圧縮空気貯蔵タンク(122)内の高圧空気を第2連通管(222)で加圧装置(22)
に輸送し、次に、第1連通管(221)を介して薬剤散布装置(21)に入れて、薬剤放
出貫通孔(212)へ流通させるステップS4と、
高圧空気は、薬剤放出貫通孔(212)へ流れる過程において、散布貫通孔(214)か
ら散布用カートリッジ(213)に入って粉末薬剤と混合され、次に、粉末薬剤は、高圧
空気による衝撃を受けて気流により散布用カートリッジ(213)外へ取り出され、気流
とともに薬剤放出貫通孔(212)から土壤に入るステップS5と、
次に、加圧装置(22)への気体供給を停止し、空気圧開放装置(23)を利用して、加
圧装置(22)及び薬剤散布装置(21)内の空気を排出するステップS6と、
加圧装置(22)及び薬剤散布装置(21)内の気圧が外界気圧と一致すると、上記のス
テップS4を繰り返して加圧装置(22)へ高圧空気を導入し、高圧空気による衝撃作用
により、土壤の内部に入った粉末薬剤をより広範な範囲へ拡散させるステップS7と、
を含む、ことを特徴とする方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、土壤原位置修復の技術分野に関し、具体的には、薬剤を徐放可能な汚染土壌原
位置修復用埋設杭、及び修復方法に関する。
続きを表示(約 7,900 文字)【背景技術】
【0002】
原位置化学酸化修復技術とは、現場に酸化剤を添加することによって、現場の汚染物質を
無毒或いは低毒性物質にすることで、汚染土壌修復の目的を達成することである。このよ
うな汚染土壌修復方法は、土壌の掘削や運搬が不要で、施工が簡単で、コストが低く、周
辺環境への影響が少ないなどの利点がある。
しかし、土壌中の汚染物質が深く潜んでいれば、一般的な化学的修復手段でも効果的な根
絶は難しく、土を掘り返すと作業量が多く、土壌中の汚染物質も短時間で薬剤により除去
できるものではない。
そのため、土壌深部の汚染物質を除去する装置が必要であり、修復薬剤を土壌に徐放し、
修復薬剤と土壌中の汚染物質との緩やかな化学反応を利用して土壌中の汚染物質を徹底的
に除去する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、土壤へ放出する薬剤量を正確に制御することができる、薬剤を徐放可能
な汚染土壌原位置修復用埋設杭、及び修復方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成させるために、本発明は、下記の技術的解決手段を提供する。
薬剤を徐放可能な汚染土壌原位置修復用埋設杭であって、
杭筒と、杭筒内に設けられた薬剤徐放機構と、を含み、
杭筒は、内部が中空で且つ上端が開放した円筒形構造であり、頂部に薬剤タンクを収納す
るための収納キャビティが設けられており、
薬剤徐放機構は、杭筒の内側壁に固定された複数の薬剤散布装置を含み、薬剤散布装置は
、内部が中空で且つ杭筒に接合する側に開口が設けられ、薬剤散布装置内に、複数の散布
貫通孔を側壁に有する散布用カートリッジが設けられ、
杭筒の側壁には、薬剤散布装置に連通している複数の薬剤放出貫通孔を有し、
散布用カートリッジ内の頂部に粉末ノズルが固設され、薬剤タンク内に粉末コンベアが固
設され、粉末コンベアの出力端が接続管を介して粉末ノズル内に連通しており、
薬剤散布装置の外側に加圧装置が固設され、加圧装置は第1連通管を介して薬剤散布装置
に連通しており、
加圧装置の外側壁に、その内部に連通している複数の第2連通管が固設され、第2連通管
に第1バルブを有し、
加圧装置内に空気圧開放装置が固設され、空気圧開放装置の外側には、その内部に連通し
ている空気圧開放管が固設され、空気圧開放管に第2バルブを有し、空気圧開放管は配管
を介して加圧装置の外部まで延在しており、
収納キャビティ内には、空気圧縮機と、空気圧縮機に接続された複数の圧縮空気貯蔵タン
クとがさらに設けられ、各圧縮空気貯蔵タンクは1つの第2連通管を介して加圧装置に連
通している。
好ましくは、薬剤散布装置の下端には、薬剤カプセルを内部に有する薬剤仮貯蔵カートリ
ッジが設けられ、散布用カートリッジ内の底部には、薬剤仮貯蔵カートリッジ内に挿入す
る第3連通管が固設され、第3連通管に第3バルブを有し、
薬剤仮貯蔵カートリッジの下端には薬剤移送機構が固設され、薬剤移送機構の頂部には、
薬剤仮貯蔵カートリッジの内部に連通している穿刺連通管が固設され、薬剤移送機構内に
は、垂直に配置された穿刺伸縮ロッドが固設され、穿刺伸縮ロッドは電気制御伸縮ロッド
であり、内部ロッドが上を向いており、穿刺伸縮ロッドの内部ロッドの頂部には、垂直に
延びている穿刺ニードルが固設され、穿刺ニードル内に気密性セパレータが固設され、穿
刺ニードルの側壁において気密性セパレータの下方に位置する部位に内外を連通させる複
数の気流導出孔を有し、穿刺ニードルの側壁において気密性セパレータの上方に位置する
部位に内外を連通させる複数の気流導入孔を有する。
説明:薬剤カプセルは、修復薬剤を内部に封入した密閉プラスチップシェルであり、必要
な場合、穿刺ニードルは薬剤カプセルを穿刺すると、薬剤カプセル内の修復薬剤が放出さ
れる。
好ましくは、薬剤仮貯蔵カートリッジの外側に薬剤交換機構が設けられ、薬剤交換機構は
、薬剤仮貯蔵カートリッジの外側に固定されたカプセル貯蔵装置及びカプセル回収装置を
含み、カプセル貯蔵装置内には、薬剤仮貯蔵カートリッジの内部に連通している輸送管が
固設され、カプセル貯蔵装置内には、巻き取りリールが回転嵌合可能に接続され、巻き取
りリールは水平に配置され、その回転軸が縦方向に延びており、巻き取りリールは、サー
ボモータによって回転駆動され、固定膜が巻設され、固定膜には複数の薬剤カプセルが固
定されており、
カプセル回収装置内には、薬剤仮貯蔵カートリッジの内部に連通している回収管が固設さ
れ、カプセル回収装置内に回収リールが回転嵌合可能に接続され、回収リールは水平に配
置され、その回転軸が縦方向に延びており、回収リールは、サーボモータによって回転駆
動され、固定膜の一端は輸送管及び回収管を通ってカプセル回収装置内まで延びており、
固定膜のカプセル回収装置内まで延びている一端は回収リールに巻き付けられて固定され
る。
説明:薬剤交換機構は、複数の薬剤カプセルを一括して貯蔵することができ、これにより
、修復薬剤を頻繁に交換することを回避し、薬剤交換機構は薬剤仮貯蔵カートリッジ内に
【発明の効果】
【0005】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
(1)本発明は、構造の設計が合理的で、操作されやすく、杭筒全体を地中に埋設し、薬
剤散布装置に修復薬剤を散布放出した後、薬剤散布装置内に高圧空気を導入し、高圧気流
による衝撃作用によって修復薬剤を土壤に散布放出し、修復薬剤を土壤中の汚染物と十分
に接触して反応させ、土壤中の有害汚染物を除去する。
(2)本発明では、電磁ハンマが設けられることによって、薬剤放出管が放出管収納貫通
孔を貫通して衝撃により土壤に挿入され、薬剤放出管により、杭筒からより離れた箇所へ
の修復薬剤の放出が可能になり、薬剤が作用する範囲が広がる。
(3)本発明では、修復薬剤が薬剤カプセルに貯蔵されることで、修復薬剤が空気と接触
して作用を失うことを回避し、しかも、薬剤交換機構は複数の薬剤カプセルを一括して貯
蔵することができ、これにより、修復薬剤を頻繁に交換することを回避し、薬剤交換機構
は薬剤仮貯蔵カートリッジ内に収納された薬剤カプセルを効率的に交換することができる

【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の埋設杭の外観図である。
本発明の埋設杭の内部構造の概略図である。
本発明における薬剤徐放機構と杭筒を接続したときの縦断面概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の前面外観図である。
本発明における薬剤徐放機構の後面外観図である。
本発明における加圧装置を省略した薬剤徐放機構の構造概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の散布用カートリッジの構造概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の密閉板と昇降制御モータの組立構造の概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の加圧装置の構造概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の加圧装置の内部構造の概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の薬剤移送機構の内部構造の概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の穿刺ニードルと薬剤カプセルとの位置関係の概略図である。
本発明における薬剤徐放機構の薬剤交換機構の内部構造の概略図である。
本発明における薬剤交換機構の固定膜の構造概略図である。
【0007】
[符号の説明]
10-杭筒
11 薬剤タンク
12 収納キャビティ
121 空気圧縮機
122 圧縮空気貯蔵タンク
13 粉末コンベア
20 薬剤徐放機構
21 薬剤散布装置
211 粉末ノズル
212 薬剤放出貫通孔
213 散布用カートリッジ
214 散布貫通孔
22 加圧装置
221 第1連通管
222 第2連通管
223 第1バルブ
23 空気圧開放装置
231 空気圧開放管
232 第2バルブ
24 薬剤仮貯蔵カートリッジ
241 第3連通管
242 第3バルブ
243 薬剤カプセル
25 薬剤移送機構
251 穿刺連通管
252 穿刺伸縮ロッド
253 穿刺ニードル
254 気密性セパレータ
255 気流導出孔
256 気流導入孔
26 薬剤交換機構
261 カプセル貯蔵装置
262 カプセル回収装置
263 輸送管
264 巻き取りリール
265 固定膜
266 回収管
267 回収リール
27 貫通孔開閉機構
271 開閉機構ハウジング
272 密閉板シュート
273 密閉板
274 昇降制御リング
275 昇降制御モータ
276 昇降制御レバー
277 薬剤放出嵌合孔
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、特定実施形態を参照して、本発明についてさらに詳細に説明し、本発明の優位
性をより明確にする。
実施例1
薬剤を徐放可能な汚染土壌原位置修復用埋設杭は、図1、図2に示すように、杭筒10と
、杭筒10内に設けられた薬剤徐放機構20と、を含み、
図2に示すように、杭筒10は、内部が中空でかつ上端が開放した円筒形構造であり、頂
部に薬剤タンク11を収納するための収納キャビティ12が設けられており、
図2、図3、及び図7に示すように、薬剤徐放機構20は、杭筒10の内側壁に固定され
た複数の薬剤散布装置21を含み、薬剤散布装置21は、内部が中空でかつ杭筒10に接
合する側に開口が設けられ、薬剤散布装置21内に、複数の散布貫通孔214を側壁に有
する散布用カートリッジ213が設けられ、杭筒10の側壁には、薬剤散布装置21に連
通している複数の薬剤放出貫通孔212を有し、
散布用カートリッジ213内の頂部に粉末ノズル211が固設され、薬剤タンク11内に
粉末コンベア13が固設され、粉末コンベア13の出力端が接続管を介して粉末ノズル2
11内に連通しており、
図4~6、図9、及び図10に示すように、薬剤散布装置21の外側に加圧装置22が固
設され、加圧装置22は第1連通管221を介して薬剤散布装置21に連通しており、
加圧装置22の外側壁に、その内部に連通している5つの第2連通管222が固設され、
第2連通管222に第1バルブ223を有し、
加圧装置22内に空気圧開放装置23が固設され、空気圧開放装置23の外側には、その
内部に連通している空気圧開放管231が固設され、空気圧開放管231に第2バルブ2
32を有し、空気圧開放管231は配管を介して加圧装置22の外部まで延在している。
図5、図8に示すように、薬剤散布装置21の頂部に貫通孔開閉機構27が設けられ、貫
通孔開閉機構27は、薬剤散布装置21の頂部に固定された開閉機構ハウジング271を
含み、開閉機構ハウジング271の底部には、薬剤散布装置21の内部に連通している密
閉板シュート272を有し、薬剤散布装置21内において密閉板273が杭筒10の内側
壁に密着して設けられ、密閉板273の上端は密閉板シュート272を通って開閉機構ハ
ウジング271内に伸びており、
密閉板273の上端には、軸線が縦方向に延びている昇降制御リング274が固設され、
昇降制御リング274の内側に雌ネジが加工されており、開閉機構ハウジング271内の
頂部に昇降制御モータ275が固設され、昇降制御モータ275は市販モータであり、昇
降制御モータ275の出力軸には、縦方向に延びている昇降制御レバー276が固設され
、昇降制御レバー276に雄ネジが加工されており、昇降制御レバー276は、昇降制御
リング274内にネジ伝動可能能に嵌合され、密閉板273には、両側を貫通している複
数の薬剤放出嵌合孔277を有する。
図2に示すように、収納キャビティ12内には、空気圧縮機121及び空気圧縮機121
に接続された5つの圧縮空気貯蔵タンク122がさらに設けられ、各圧縮空気貯蔵タンク
122は2つの第2連通管222を介して加圧装置22に連通している。
図4、図11~14に示すように、薬剤散布装置21の下端には、薬剤カプセル243を
内部に有する薬剤仮貯蔵カートリッジ24が設けられ、散布用カートリッジ213内の底
部には、薬剤仮貯蔵カートリッジ24内に挿入する第3連通管241が固設され、第3連
通管241に第3バルブ242を有し、
薬剤仮貯蔵カートリッジ24の下端には薬剤移送機構25が固設され、薬剤移送機構25
の頂部には、薬剤仮貯蔵カートリッジ24の内部に連通している穿刺連通管251が固設
され、薬剤移送機構25内には、垂直に配置された穿刺伸縮ロッド252が固設され、穿
刺伸縮ロッド252は電気制御伸縮ロッドであり、内部ロッドが上を向いており、穿刺伸
縮ロッド252の内部ロッドの頂部に、縦方向に延びている穿刺ニードル253が固設さ
れ、穿刺ニードル253内に気密性セパレータ254が固設され、穿刺ニードル253の
側壁において気密性セパレータ254の下方に位置する部位に内外を連通させる複数の気
流導出孔255を有し、穿刺ニードル253の側壁において気密性セパレータ254の上
【0009】
実施例2
実施例1の埋設杭による汚染土壌原位置修復方法は、以下のステップを含む。
S1、杭筒10全体を地中に固定して埋設し、杭筒10の頂部にある収納キャビティ12
を地上に露出させ、修復対象領域の土壤について汚染物検出を定期的に行い、土壤中への
薬剤放出のタイミング及び薬剤量を決定する。
S2、空気圧縮機121によって圧縮空気貯蔵タンク122に空気を充填し、圧縮空気貯
蔵タンク122内の気圧を9標準大気圧とする。
S3、粉末コンベア13によって薬剤タンク11内の粉末薬剤を粉末ノズル211に輸送
し、粉末ノズル211を利用して粉末薬剤を散布用カートリッジ213にスプレーして散
布させ、粉末薬剤は修復薬剤であり、市販の過マンガン酸カリウム粉末を用いる。
薬剤仮貯蔵カートリッジ24内には薬剤カプセル243があり、穿刺伸縮ロッド252の
内部ロッドは伸長して穿刺ニードル253を上へ移動させ、穿刺ニードル253は薬剤カ
プセル243を下から上へ刺穿し、このようにすると、穿刺ニードル253の気流導出孔
255及び気流導入孔256が薬剤カプセル243の内部にあり、穿刺ニードル253の
上端が第3連通管241内に挿入され、穿刺ニードル253の下部が配を介して圧縮空気
貯蔵タンク122に連通し、配管にはバルブがあり、穿刺ニードル253の下部へ空気が
導入され、穿刺ニードル253内の空気は気流導出孔255から薬剤カプセル243の内
部に排出され、薬剤カプセル243の内部に入った気流は、薬剤粉末を運んで気流導入孔
256から穿刺ニードル253の上部に入り、薬剤粉末を同伴させた気流は穿刺ニードル
253の上端から排出され、第3連通管241を介して薬剤散布装置21の内部に入り、
薬剤を薬剤散布装置21内に散布させる。
S4、圧縮空気貯蔵タンク122内の高圧空気を第2連通管222で加圧装置22に輸送
し、次に、第1連通管221を介して薬剤散布装置21に入れて、薬剤放出貫通孔212
へ流通させる。
初期の状態では、密閉板273の下端は薬剤散布装置21内の底部に接触し、すなわち、
密閉板273の薬剤放出嵌合孔277と薬剤放出貫通孔212は位置をずらして分離され
る。
昇降制御モータ275は、昇降制御レバー276を回転駆動し、昇降制御レバー276は
、昇降制御リング274を駆動させて密閉板273とともに上へ移動させ、これにより、
密閉板273の薬剤放出嵌合孔277と薬剤放出貫通孔212は同軸に連通するようにな
る。
S5、高圧空気は、薬剤放出貫通孔212へ流れる過程において、散布貫通孔214から
散布用カートリッジ213に入って粉末薬剤と混合され、次に、粉末薬剤は、高圧空気に
よる衝撃を受けて気流により散布用カートリッジ213外へ取り出され、気流とともに薬
剤放出貫通孔212から土壤に入る。
S6、次に、加圧装置22への気体供給を停止し、空気圧開放装置23を利用して、加圧
装置22及び薬剤散布装置21内の空気を排出する。
S7、加圧装置22及び薬剤散布装置21内の気圧が外界気圧と一致すると、上記のステ
ップS4を繰り返して加圧装置22へ高圧空気を導入し、高圧空気による衝撃作用により
、土壤の内部に入った粉末薬剤をより広範な範囲へ拡散させる。
【0010】
実施例3
実施例2と比べて、ステップS2では、圧縮空気貯蔵タンク122内の気圧を6標準大気
圧とした点は相違する。
(【0011】以降は省略されています)

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