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公開番号2025110820
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004883
出願日2024-01-16
発明の名称メタンガスの製造方法
出願人学校法人東京農業大学
代理人個人,個人
主分類B09B 3/65 20220101AFI20250722BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】メタン発酵を効率化し、且つ、消化液に含まれるリン酸濃度を低下させることのできる技術を提供する。
【解決手段】メタンガスの製造方法は、嫌気性条件下において鉄鋼スラグと有機性廃棄物とを接触させることにより、メタン発酵を行う工程を含む。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
メタンガスの製造方法であって、
嫌気性条件下において鉄鋼スラグと有機性廃棄物とを接触させることにより、メタン発酵を行う工程を含む、
メタンガスの製造方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
請求項1に記載のメタンガスの製造方法において、
前記鉄鋼スラグは、高炉スラグを含む、
メタンガスの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のメタンガスの製造方法において、
前記工程において、前記鉄鋼スラグと前記有機性廃棄物との質量比(鉄鋼スラグ/有機性廃棄物)が、0.5以上4.0以下である、
メタンガスの製造方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のメタンガスの製造方法において、
前記工程において、前記鉄鋼スラグを上層とし、前記有機性廃棄物を下層とする、
メタンガスの製造方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のメタンガスの製造方法において、
前記工程は、7日間以上20日間以下の期間行われる、
メタンガスの製造方法。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載のメタンガスの製造方法において、
前記工程は、30℃以上45℃以下の条件下で行われる、
メタンガスの製造方法。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載のメタンガスの製造方法において、
前記工程によって生じる消化液のリン酸濃度が、0.1mg/L以下である、
メタンガスの製造方法。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載のメタンガスの製造方法において、
前記工程によって生じる消化液のCODが、100mg/L以下である、
メタンガスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、メタンガスの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
脱炭素社会の実現において、バイオマスを利活用したバイオマス発電やバイオガスの生産等のエネルギー生産は、必要不可欠な取り組みの一つである。従来から、バイオガスの生産技術の一つとして、メタン発酵が用いられている。メタン発酵に関する従来の提案として、例えば、特許文献1には、有機物を嫌気性処理し嫌気性処理汚泥を形成させる嫌気性処理工程と、嫌気性処理汚泥に酸素含有気体を接触させ曝気処理汚泥を形成させる曝気処理工程と、曝気処理汚泥に凝集剤を注入し凝集汚泥を形成させる凝集工程と、凝集汚泥を脱水する脱水工程と、前記脱水工程からの脱水分離液に含まれるアンモニアを硝化する硝化工程と、を有し、前記嫌気性処理工程の前もしくは嫌気性処理工程において、前記有機物に鉄化合物を注入し、前記曝気処理工程において、前記曝気処理汚泥の酸化還元電位(銀/塩化銀電極を基準とした酸化還元電位)を-100mV以下に制御し、鉄化合物を含有する嫌気性処理汚泥と酸素含有気体とを接触させることにより、嫌気性処理汚泥に含まれる鉄(II)を酸化させ、前記凝集工程で酸化された鉄(III)を凝集剤として利用し、前記硝化工程からの排気ガスを前記曝気処理工程における酸素含有気体として再利用することを特徴とする有機物の処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6666346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された提案は、鉄を酸化させて酸化物を生成させ、その酸化物を用いて有機物を分解させる方法である。このため、メタン発酵の効率化およびメタン発酵後の消化液に含まれるリン酸濃度を低下させる観点において、改善の余地があることを、本願発明者は見出した。したがって、メタン発酵を効率化し、且つ、消化液に含まれるリン酸濃度を低下させることのできる技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、メタンガスの製造方法が提供される。この製造方法は、嫌気性条件下において鉄鋼スラグと有機性廃棄物とを接触させることにより、メタン発酵を行う工程を含む。この形態のメタンガスの製造方法によれば、鉄鋼スラグに含まれる鉄成分が溶解することによって還元性を効率的に高めることができるので、メタン発酵を効率化できる。さらに、鉄鋼スラグに含まれるカルシウムと鉄とによって、消化液中のリンを固定することができ、この結果として、消化液のリン酸濃度を低下させることができる。したがって、メタン発酵を効率化し、且つ、消化液に含まれるリン酸濃度を低下させることができる。
【0007】
(2)上記(1)に記載のメタンガスの製造方法において、前記鉄鋼スラグは、高炉スラグを含んでいてもよい。この形態のメタンガスの製造方法によれば、リン含有量が比較的少ない高炉スラグを用いるので、消化液に含まれるリン酸濃度が上昇することを抑制できる。
【0008】
(3)上記(1)または上記(2)に記載のメタンガスの製造方法において、前記工程において、前記鉄鋼スラグと前記有機性廃棄物との質量比(鉄鋼スラグ/有機性廃棄物)が、0.5以上4.0以下であってもよい。この形態のメタンガスの製造方法によれば、メタンガスの生成効率の低下を抑制できる。
【0009】
(4)上記(1)から上記(3)までのいずれか一項に記載のメタンガスの製造方法において、前記工程において、前記鉄鋼スラグを上層とし、前記有機性廃棄物を下層としてもよい。この形態のメタンガスの製造方法によれば、メタン発酵後の鉄鋼スラグを容易に再利用できる。
【0010】
(5)上記(1)から上記(4)までのいずれか一項に記載のメタンガスの製造方法において、前記工程は、7日間以上20日間以下の期間行われてもよい。この形態のメタンガスの製造方法によれば、メタンガスの生成効率の低下を抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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