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公開番号2024155514
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023070291
出願日2023-04-21
発明の名称異種金属接合継手の分解方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B09B 3/35 20220101AFI20241024BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】継手の接合方法にかかわらず、簡便な方法で確実に異種金属接合継手を分離することができ、資源を有効に活用するとともに廃棄物の発生を減少させることができる異種金属接合継手の分解方法を提供する。
【解決手段】金属製の第1部材11と、第1部材11と異なる金属からなる第2部材12と、第1部材11と第2部材12との接合部15と、を有する異種金属接合継手10を分解する方法であって、異種金属接合継手10を拘束する拘束工程と、異種金属接合継手10を拘束した状態で加熱する加熱工程と、加熱工程後の異種金属接合継手を冷却する冷却工程と、を有する。加熱工程において、第1部材11及び第2部材12のうち、低融点側の部材の融点をTm(℃)とする場合に、加熱温度を(Tm-150)(℃)以上Tm(℃)未満に設定する。また、第1部材と第2部材との接合方法及び接合領域に基づき、拘束方法や加熱時間を選択する。
【選択図】図1B
特許請求の範囲【請求項1】
金属製の第1部材と、前記第1部材と異なる金属からなる第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との接合部と、を有する異種金属接合継手を分解する方法であって、
前記異種金属接合継手を拘束する拘束工程と、
前記異種金属接合継手を拘束した状態で加熱する加熱工程と、
前記加熱工程後の前記異種金属接合継手を冷却する冷却工程と、を有し、
前記拘束工程において、前記第1部材と前記第2部材との接合方法及び接合領域に基づき、
第1拘束方法:前記第1部材と前記第2部材とが重ねられた領域を、1箇所で挟持することにより拘束する方法、
第2拘束方法:前記第1部材と前記第2部材とが重ねられた領域を、離隔した2以上の箇所で拘束する方法、及び、
第3拘束方法:前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方のみを、離隔した2以上の箇所で拘束する方法、のいずれか1種の拘束方法を選択し、
前記加熱工程において、
前記第1部材及び前記第2部材のうち、低融点側の部材の融点をTm(℃)とする場合に、加熱温度を(Tm-150)(℃)以上Tm(℃)未満に設定するとともに、
前記第1部材と前記第2部材との接合方法に基づき、加熱時間を選択することを特徴とする、異種金属接合継手の分解方法。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記第1部材と前記第2部材との組合せが、鉄又は鉄合金製の第1部材とアルミニウム又はアルミニウム合金製の第2部材、鉄又は鉄合金製の第1部材とチタン又はチタン合金製の第2部材、アルミニウム又はアルミニウム合金製の第1部材とチタン又はチタン合金製の第2部材、銅又は銅合金製の第1部材とチタン又はチタン合金製の第2部材、及び、銅又は銅合金製の第1部材とマグネシウム又はマグネシウム合金製の第2部材、のいずれか一種の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の異種金属接合継手の分解方法。
【請求項3】
前記異種金属接合継手は、前記第1部材と、前記第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に配置された中間層と、を有し、
前記中間層は、純金属、合金及び化合物の少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の異種金属接合継手の分解方法。
【請求項4】
前記中間層は、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方の表面に設けられたコールドスプレー皮膜であることを特徴とする、請求項3に記載の異種金属接合継手の分解方法。
【請求項5】
前記異種金属接合継手は、前記第1部材と前記第2部材とが、溶融溶接法により接合されたものであり、
前記拘束工程において、前記第1拘束方法及び前記第2拘束方法のいずれか1種の拘束方法を選択することを特徴とする、請求項1又は2に記載の異種金属接合継手の分解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、異種金属接合継手の分解方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車を代表とする輸送機器には、走行燃費の向上が常に求められており、改善策の一つとして、車体重量の軽量化が挙げられる。軽量化の手段としては、現在の主要材料となっている鋼を、軽量素材であるアルミニウム又はアルミニウム合金、マグネシウム又はマグネシウム合金等に置換する手段がある。しかし、全ての部材をこれら軽量素材に置換するには、高コスト化や強度不足になる、といった課題がある。そこで、異種金属同士を接合し、強度と軽量化とを同時に実現することができる、いわゆるマルチマテリアルと呼ばれる設計手法が注目を浴びている。
【0003】
ところで、現在、資源枯渇の観点から、様々なもののリサイクルが進み、多量に消費されている金属のリサイクルも以前から行われてきていた。異種金属の接合継手においても、接合部分を容易に分離することができれば、分解された部品はそれぞれの金属材料としてリサイクルすることができる。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、異種金属溶接継手の接合面を、それら金属の融点以下の温度の加熱によりぜい性金属間化合物層を所定以上の厚さで生じさせ、継手を容易に解体することができる、リサイクル溶接継手が提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、摩擦撹拌作用により作製した異種金属材料接合体に、大気中で加熱を行うことにより、接合界面近傍に異種金属材料反応相を形成する方法が記載されている。また、上記特許文献2には、この異種金属材料反応相の優先的な破壊により、異種金属材料接合体を接合面近傍で容易に破断させ、当該異種金属材料ごとの部材へと分離させる方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-305542号公報
特開2007-54848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の方法を利用しても、確実に異種金属材料からなる接合継手を分離することが困難である。また、特許文献2による方法は、摩擦撹拌作用により作製された接合体に限定される。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、継手の接合方法にかかわらず、簡便な方法で確実に異種金属接合継手を分離することができ、これにより、資源を有効に活用するとともに廃棄物の発生を減少させることができる異種金属接合継手の分解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、異種金属接合継手の分解方法に係る下記(1)の構成により達成される。
【0010】
(1) 金属製の第1部材と、前記第1部材と異なる金属からなる第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との接合部と、を有する異種金属接合継手を分解する方法であって、
前記異種金属接合継手を拘束する拘束工程と、
前記異種金属接合継手を拘束した状態で加熱する加熱工程と、
前記加熱工程後の前記異種金属接合継手を冷却する冷却工程と、を有し、
前記拘束工程において、前記第1部材と前記第2部材との接合方法及び接合領域に基づき、
第1拘束方法:前記第1部材と前記第2部材とが重ねられた領域を、1箇所で挟持することにより拘束する方法、
第2拘束方法:前記第1部材と前記第2部材とが重ねられた領域を、離隔した2以上の箇所で拘束する方法、及び、
第3拘束方法:前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方のみを、離隔した2以上の箇所で拘束する方法、のいずれか1種の拘束方法を選択し、
前記加熱工程において、
前記第1部材及び前記第2部材のうち、低融点側の部材の融点をTm(℃)とする場合に、加熱温度を(Tm-150)(℃)以上Tm(℃)未満に設定するとともに、
前記第1部材と前記第2部材との接合方法に基づき、加熱時間を選択することを特徴とする、異種金属接合継手の分解方法。
(【0011】以降は省略されています)

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