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公開番号2025001937
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023101739
出願日2023-06-21
発明の名称歯科用コンポジットレジンの賦形性評価方法及び賦形性評価器具
出願人株式会社トクヤマデンタル
代理人
主分類G01N 11/00 20060101AFI20241226BHJP(測定;試験)
要約【課題】 歯科用コンポジットレジン(CR)の賦形性を簡便に評価することができ、しかも、そのCRを実際に使用して充填修復を行う際における賦形性を有しているかを感覚的に理解し易い定量的な評価方法を提供する。
【解決手段】 評価対象のCRとは異なる黒色のような外観色を呈する表面を有する支持体の表面上に、上記CRからなる所定の厚さの扁平体が密着した試料と、所定幅:d(mm)の平坦な端面を有する賦形用凸部とを用い、幅がdで且つ前記表面に達する深さの凹部を前記扁平体に形成する。その後、所定時間経過後に前記凹部の底部の色を確認し、前記表面の外観色が確認できるか否かによって指賦形性を評価する。評価に際しては、前記dを指標とし、たとえば、色が認識できる場合には、「d(mm)に対応する賦形性以上の賦形性を有する」と評価する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
所定の色:Xを呈する歯科用コンポジットレジンの賦形性を評価する方法であって、
フィルム、シート或いは板状体からなり、その主表面は前記色:Xとは異なる色;Yを有するか、又は全体が透明で、透過して見える下地の色が主表面の外観色となる、「支持体」を準備する支持体準備工程;
前記支持体の主表面上に前記歯科用コンポジットレジンを配置した後に均一な厚さの扁平体とし、当該扁平体の裏面が前記主表面に密着した「評価用試料」を作製する評価用試料作製工程;
所定幅:d(mm)の平坦な端面を有する賦形用凸部を準備し、前記評価用試料の前記扁平体に前記賦形用凸部を露出表面側から前記端面が前記支持体の主表面に当接するようにして押し込んでから除去することにより、当該除去時において、前記扁平体に賦形用凸部形状に対応する、幅がd(mm)であり、前記支持体の主表面に達する深さを有する凹部を形成して、「賦形体試料」とする賦形工程;及び
前記賦形体試料を作製してから所定時間静置した後に、前記支持体の前記歯科用コンポジットレジンで被覆されていない主表面の外観色が前記色:Xであると確認できる状態で、前記凹部の底部の外観色を確認する確認工程;
を含み、
前記確認工程では、前記凹部の底部において、前記色:Xが確認又は認識できるか、否か、によって、前記歯科用コンポジットレジンの賦形性を評価する
ことを特徴とする賦形性評価方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
評価用試料作製工程、前記賦形工程、及び前記確認工程における各操作の少なくとも一部を示す映像或いは画像、及び/又は前記賦形工程終了後から前記状態確認工程終了までの間の経過時間中における前記賦形体試料の状態を示す、少なくとも一つの映像或いは画像を閲覧可能な状態として閲覧者に提供し、該閲覧者が評価対象である歯科用コンポジットレジンの評価結果を認識できるようにしている、請求項1に記載の賦形性評価方法。
【請求項3】
前記閲覧者に、評価対象となる歯科用コンポジットレジンに関する情報、評価条件に関する情報及び評価結果に関する情報よりなる群より選ばれる少なくとも一つの情報を、音声情報又は文字情報として前記映像又は画像と共に提供する、請求項2に記載の賦形性評価方法。
【請求項4】
前記確認工程において、前記色:Xが確認又は認識できる場合には、前記底部において前記色:Xが確認又は認識できる領域の最小幅:α(mm)を計測し、該最小幅:α(mm)により「α(mm)に対応する賦形性を有する」と評価し、前記色:Xを認識できない場合には、前記凹部の形態が保持されていないと判断して、「d(mm)に対応する賦形性未満の賦形性を有する」と評価する、請求項1に記載の賦形性評価方法。
【請求項5】
前記確認工程において、前記色:Xが確認又は認識できる場合には、前記凹部の形態が保持されていると判断して、「d(mm)に対応する賦形性以上の賦形性を有する」と評価し、前記色:Xを認識できない場合には、前記凹部の形態が保持されていないと判断して、「d(mm)に対応する賦形性未満の賦形性を有する」と評価する、請求項1に記載の賦形性評価方法。
【請求項6】
前記賦形工程において、
前記賦形用凸部を複数含んでなる賦形用凸部キットであって、該キットに含まれる複数の賦形用凸部における各凸部の端面の幅:d(mm)が段階的に増大している賦形用凸部キットを用いて、幅:dが順次大きく(又は小さく)なるように前記扁平体の長さ方向に所定の間隔を空けて複数の凹部が並んで形成された賦形体試料を作製し、
前記確認工程において、「d(mm)に対応する賦形性以上の賦形性を有する」と評価される凹部が少なくとも1つ存在する場合には、当該少なくとも一つの凹部の幅:d(mm)の中で最小の幅:d
min.
(mm)により、「d
min.
(mm)に対応する賦形性を有する」と評価する、
ことを特徴とする請求項5に記載の賦形性評価方法。
【請求項7】
所定の色:Xを呈する歯科用コンポジットレジンの賦形性を評価するための賦形性評価器具であって、
フィルム、シート或いは板状体からなり、その主表面は前記色:Xとは異なる色;Yを有するか、又は全体が透明で下地の色が主表面の外観色となる、「支持体」と、
所定幅の平坦な端面を有する賦形用凸部を複数含んでなる賦形用凸部キットであって、該キットに含まれる複数の賦形用凸部の端面の幅が段階的に増大している、賦形用凸部キットと、
を含むことを特徴とする、賦形性評価器具。
【請求項8】
前記賦形用凸部キットが、端面幅が0.05~2.00mmの範囲内にある3~10個の板状凸部からなり、これら板状凸部の端面幅は、相互に0.10mm以上異なっている、請求項7に記載の賦形性評価器具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用コンポジットレジンの賦形性を評価するための評価手法及び該方法で用いる評価器具に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
歯科用コンポジットレジン(以下、単に「CR」ともいう。)は、う蝕や破折等により損傷を受けた歯牙の修復を行うための材料の一種である。CRは一般に、重合性単量体と充填材(具体的には無機及び/又は有機のフィラー)とを含むスラリー状又はペースト状の硬化性組成物からなる。CRを用いた歯牙の修復(以下、「CR修復」ともいう。)は、歯質の切削量を少なくでき、操作が容易であることや天然歯牙と同等の色調を付与可能なことから、急速に普及している。また、近年においては、機械的強度の向上や、歯牙との接着力の向上から、前歯部の修復のみならず、高い咬合圧が加わる臼歯部に対してもCR修復が行われている。
【0003】
ここで、CR修復は、具体的には、う蝕により生じた窩洞、う蝕を除去することにより生じた切削部、又は破折部等へCRを充填した後、インスツルメントと呼ばれる充填用器具等を用いて、損傷を受ける前の歯牙の形態を再現するようにCRの形態を整えて(このような操作は「形態付与」と呼ばれることもある。)から硬化させることによって行われる。
【0004】
ところで、実際のCR修復においては、修復の具体的態様によって、操作性が良好となるCRの流動性や賦形性は異なることから、各社から様々な性状を有するCRが市場に供給されている。そして、CR修復を行う術者が実際の修復に適していると判断したものを選んで使用するのが一般的である。
【0005】
なお、充填時の操作性に影響を与えるような大まかな流動性に関しては、CRは、大きくユニバーサルタイプ(流動性が低く比較的堅いペースト状のもの)とフロアブルタイプ(シリンジから直接充填可能な流動性を有するもの)とに大別され、更にフロアブルタイプについては、ローフロー、ミディアムフロー及びハイフローのようにカテゴライズされて供給されることもあるため判断は比較的容易である。しかし、形態付与により付与された形態の保持性(賦形性、垂れ性、或いはフロー性と呼ばれることもある。本明細書では、以下、「賦形性」ともいう。)については同一タイプのCRであっても商品によって差があることが多く、またその評価方法も統一されていないため判断が難しいのが実情である。
【0006】
たとえば、ユニバーサルタイプCRとして使用される、ある種の歯科用硬化性組成物においては、天然歯牙を模した硬質レジン歯に模擬的な窩洞を形成しCR充填を行い、咬合面形態を付与(賦形)し、所定時間静置した後の形態を目視にて観察し、その状態から賦形性を評価している(特許文献1参照)。また、フロワブルタイプCRとして使用される、他のある種の歯科用硬化性組成物においては、プレート上に接触面積が所定の範囲となるように一定量のCRを配置し、所定時間静置した後の(接触面積の)広がり方を計測することによりフロー性を評価している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022―184770号公報
特開2022―030804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような背景から、CRを提供するメーカーでは、自社商品であるCRの賦形性について種々の評価を実施し、該評価結果をインターネットやカタログ等で示すことで術者が所望の賦形性を有するCRを入手できるよう努めている。
【0009】
しかし、上記したように従来のCRの賦形性評価方法は区々であるばかりでなく、評価結果から実際に修復時における賦形性をイメージすることが難しい場合も多かった。例えば、特許文献1に記載されるような手法では、賦形する形態や評価の結果が評価者の手腕や感覚によるところが大きく、定量的な評価結果を得ることが困難であった。また、特許文献2に記載されるような手法では、定量的な評価結果を得ることは可能であるものの実使用時の形態と大きく異なるために術者が評価結果を一見し、CRがどの程度の賦形性を有しているかを感覚的に把握することが困難であった。
【0010】
このため、術者は事前に候補となるCRを入手(購入)し、試用しなければCRがどの程度の賦形性を有しているか確認することができないことが多かった。
(【0011】以降は省略されています)

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