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公開番号2024145794
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058296
出願日2023-03-31
発明の名称薬剤供給装置、及び、その運転方法
出願人株式会社NIPPO
代理人弁理士法人クシブチ国際特許事務所
主分類B09C 1/02 20060101AFI20241004BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】汚染土壌に対する継続的な薬剤の供給を省エネルギー化できる薬剤供給装置、及び、その運転方法を提供する。
【解決手段】地盤の注入井戸が有する注入器具に、汚染土壌の浄化に用いる薬剤を供給する薬剤供給装置において、筐体内に配置され、薬剤を貯留する薬剤液槽と、薬剤液槽と注入器具を接続する送液配管と、送液配管の途中に接続されて、薬剤液槽から注入器具に薬剤を送液する供給ポンプと、を有し、送液配管の主配管は、一端が供給ポンプの吐出口に接続され、他端が上方に立ち上げられて、筐体を貫通したのち、下方に屈曲して延びて注入器具に接続され、配管最上位部に空気抜き弁を有する、薬剤供給装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
地盤の注入井戸が有する注入器具に、汚染土壌の浄化に用いる薬剤を供給する薬剤供給装置において、
筐体内に配置され、前記薬剤を貯留する薬剤液槽と、
前記薬剤液槽と前記注入器具を接続する送液配管と、
前記送液配管の途中に接続されて、前記薬剤液槽から前記注入器具に前記薬剤を送液する供給ポンプと、を有し、
前記送液配管の主配管は、一端が前記供給ポンプの吐出口に接続され、他端が上方に立ち上げられて、前記筐体を貫通したのち、下方に屈曲して延びて前記注入器具に接続され、配管最上位部に空気抜き弁を有する、
薬剤供給装置。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記送液配管は、前記供給ポンプをバイパスして前記主配管に接続されるバイパス配管を有し、前記バイパス配管にバイパス配管開閉弁を有する、
請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項3】
前記主配管は、前記配管最上位部に、配管内部を視認可能な窓部を有する、
請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の薬剤供給装置の運転方法において、
前記供給ポンプを駆動して、前記注入器具に薬剤を供給し、前記空気抜き弁を開いて前記主配管が満水となったことを確認したのちに、前記空気抜き弁を閉じ、前記供給ポンプを停止して、サイフォンの原理により前記送液配管を通して前記注入器具に薬剤を供給する、
薬剤供給装置の運転方法。
【請求項5】
請求項2に記載の薬剤供給装置の運転方法において、
前記供給ポンプを駆動して、前記注入器具に薬剤を供給し、前記空気抜き弁を開いて前記主配管が満水となったことを確認したのちに、前記空気抜き弁を閉じ、前記供給ポンプを停止して、サイフォンの原理により前記送液配管を通して前記注入器具に薬剤を供給し、
サイフォンの原理により前記注入器具に薬剤を供給するとき、前記バイパス配管開閉弁を開き、前記バイパス配管を通して薬剤を供給する、
薬剤供給装置の運転方法。
【請求項6】
請求項2に記載の薬剤供給装置の運転方法において、
前記主配管に主配管開閉弁を設け、
前記供給ポンプを駆動して、前記注入器具に薬剤を供給し、前記空気抜き弁を開いて前記主配管が満水となったことを確認したのちに、
前記空気抜き弁を閉じ、前記バイパス配管開閉弁を開き、前記主配管開閉弁を閉じて、前記供給ポンプで吐出された薬剤を前記バイパス配管を通して前記供給ポンプの吸込み側に循環させて、前記バイパス配管内を満水にしたのち、
前記主配管開閉弁を開き、前記供給ポンプを停止させて、サイフォンの原理によって、前記主配管および前記バイパス配管を通して前記注入器具に薬剤を供給する。
薬剤供給装置の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤供給装置、及び、その運転方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、有機化合物等により汚染された土壌を浄化するために、汚染土壌に薬剤を供給する手法が知られている。このような手法は原位置浄化と呼ばれており、汚染土壌を掘り出して浄化する掘削除去に比べて、土壌の輸送のための環境負荷が少ない手法であるとされている。原位置浄化のように土壌に薬剤を供給する技術の例として、例えば、特許文献1には、薬剤を貯留した気密容器内を加圧装置によって加圧し、上昇した圧力によって薬剤を土壌に送液する技術が開示されている。特許文献1の技術によれば、分配装置によって、互いに長さが等しい送液管に気密容器から排液される薬剤を分配することにより、それぞれの送液管における薬剤の供給圧を均一化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-158725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原位置浄化においては、薬剤を汚染土壌の広範囲に浸透させるためには、薬剤を汚染土壌に対して継続的に供給し続けることが重要である。しかし、特許文献1に開示された技術では、薬剤の継続的な供給のためには、加圧装置を継続して作動させる必要があり、薬剤を汚染土壌に供給し続けるためには、加圧装置を作動させるためのエネルギーが必要であった。
本開示は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、汚染土壌に対する継続的な薬剤の供給を省エネルギー化できる薬剤供給装置、及び、その運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様態は、地盤の注入井戸が有する注入器具に、汚染土壌の浄化に用いる薬剤を供給する薬剤供給装置において、筐体内に配置され、前記薬剤を貯留する薬剤液槽と、前記薬剤液槽と前記注入器具を接続する送液配管と、前記送液配管の途中に接続されて、前記薬剤液槽から前記注入器具に前記薬剤を送液する供給ポンプと、を有し、前記送液配管の主配管は、一端が前記供給ポンプの吐出口に接続され、他端が上方に立ち上げられて、前記筐体を貫通したのち、下方に屈曲して延びて前記注入器具に接続され、配管最上位部に空気抜き弁を有する、薬剤供給装置である。
また、本発明の別の一様態は、上記薬剤供給装置の運転方法において、前記供給ポンプを駆動して、前記注入器具に薬剤を供給し、前記空気抜き弁を開いて前記主配管が満水となったことを確認したのちに、前記空気抜き弁を閉じ、前記供給ポンプを停止して、サイフォンの原理により前記送液配管を通して前記注入器具に薬剤を供給する、薬剤供給装置の運転方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、供給ポンプの停止後においても薬剤を汚染土壌に供給し続けることができる。このため、供給ポンプを作動させ続けるエネルギーが不要となり、汚染土壌に対する継続的な薬剤の供給を省エネルギー化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施の形態1の薬剤供給装置を工場の建屋に適用した場合の概要を示す図。
実施の形態1の薬剤供給装置の概要を示す図。
実施の形態1の本体装置の概要を示す平面図。
実施の形態1における薬剤の供給を開始する際の薬剤供給装置1の運転方法を示すフローチャート。
薬剤を供給中における薬剤供給装置の動作を示すフローチャート。
異常発生時における薬剤供給装置の動作を示すフローチャート。
実施の形態2における薬剤の供給を開始する際の薬剤供給装置1の運転方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.実施の形態1]
以下、図面を用いながら、実施の形態1について説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.薬剤供給装置の全体構成]
図1は、本発明を適用した実施の形態1としての薬剤供給装置1を工場の建屋Fに対して適用した場合の概要を示す図である。薬剤供給装置1は、薬剤を地盤Gに供給して土壌の微生物を活性化させ、活性化した微生物によってVOCs(揮発性有機化合物)等を無害化させる、いわゆるバイオレメディエーションに用いられる装置である。バイオレメディエーションは、原位置浄化に分類される。薬剤供給装置1は、稼働中の工場の建屋Fの下の汚染土壌のような、掘削除去による浄化が適さない対象に対しても、その運営に影響を与えずに薬剤を供給することができる。
【0009】
図2は、薬剤供給装置1の概要を示す図である。薬剤供給装置1は、地盤Gに形成された注入井戸Wが有する注入器具90に対して薬剤を供給する本体装置10と、本体装置10に対して薬剤の原液を供給する原液貯留装置70と、を有する。本実施の形態では、薬剤供給装置1は、1つの本体装置10により3つの注入器具90に対して薬剤を供給する。
【0010】
原液貯留装置70は、略直方体の筐体71を有する装置であり、筐体71の内部に格納された原液貯留槽73を有する。原液貯留槽73は、希釈液によって希釈される以前の原液を貯留する容器であり、1.0立方メートルの容積を有する。原液貯留槽73に貯留される原液は、外部のポンプ等を利用して原液貯留槽73に送られる。本実施の形態では、原液は土中の微生物の活性化剤であり、人体に無害な液体である。なお、原液または薬剤として、汚染物質を直接的に分解するための分解剤を使用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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