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公開番号
2024153435
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-29
出願番号
2023067333
出願日
2023-04-17
発明の名称
改質リサイクルカーボンブラック及びゴム組成物
出願人
東海カーボン株式会社
代理人
弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類
B09B
3/70 20220101AFI20241022BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】ゴム成分との結合が強く、ゴム製品の補強性が高いリサイクルカーボンブラックを提供すること。
【解決手段】N
2
SAが50m
2
/g以上250m
2
/g以下であり、レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が84以上111以下であること、を特徴とする改質リサイクルカーボンブラック。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
N
2
SAが50m
2
/g以上250m
2
/g以下であり、
レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が84以上111以下であること、
を特徴とする改質リサイクルカーボンブラック。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
灰分含有量が3.0%以上50.0%以下であることを特徴とする請求項1記載の改質リサイクルカーボンブラック。
【請求項3】
600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程を行い得られたものであり、
N
2
SAが50m
2
/g以上250m
2
/g以下であり、
レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が84以上111以下であること、
を特徴とする改質リサイクルカーボンブラック。
【請求項4】
600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程と、炭化水素ガスを接触させる工程と、を行い得られたものであり、
N
2
SAが50m
2
/g以上250m
2
/g以下であり、
レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が84以上111以下であること、
を特徴とする改質リサイクルカーボンブラック。
【請求項5】
前記ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックが、レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が112以上200以下であるカーボンブラックであることを特徴とする請求項3又は4記載の改質リサイクルカーボンブラック。
【請求項6】
600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程を有すること特徴とする改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
【請求項7】
600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程と、炭化水素ガスを接触させる工程と、を有することを特徴とする改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
【請求項8】
前記酸化性ガスを接触させる工程を行なった後に、前記炭化水素ガスを接触させる工程を行なうことを特徴とする請求項7記載の改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
【請求項9】
前記ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックが、レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が112以上200以下であるカーボンブラックであることを特徴とする請求項6又は7記載の改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
【請求項10】
ゴム成分と、
該ゴム成分100質量部に対し、1質量部以上100質量部以下の請求項1記載の改質リサイクルカーボンブラックと、
を含有することを特徴とするゴム組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面状態が改質されたリサイクルカーボンブラック、その製造方法、及びそれが用いられているゴム組成物に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の地球環境への負荷低減のため、カーボンニュートラルやサステナブルといった取り組みが盛んになされている。そして、カーボンブラック業界においても、サステナブル活動の一環として、廃タイヤ等のゴム製品を熱分解して得られるリサイクルカーボンブラックの利用が検討されている。
【0003】
廃タイヤの熱分解によるリサイクルカーボンブラックの製造方法としては、例えば、特許文献1には、窒素ガスを循環させ、約500℃で廃タイヤを熱分解する内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5813985号公報
WO2013/095145A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、廃タイヤ等のゴム製品を熱分解することにより得られるリサイクルカーボンブラックの表面には、ゴム炭化物を主成分とするゴム残分が付着しており、このゴム残分が、ゴム組成物に混合したときに、リサイクルカーボンブラックのゴム成分との吸着を阻害する。
【0006】
そのため、リサイクルカーボンブラックには、ゴム成分との結合が弱いために、ゴム製品の補強性が低いという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、ゴム成分との結合が強く、ゴム製品の補強性が高いリサイクルカーボンブラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、
リサイクルカーボンブラックに、加熱下で酸化性ガスを接触させることにより、リサイクルカーボンブラックの表面に付着しているゴム炭化物を主成分とするゴム残分を酸化して取り除くことで、リサイクルカーボンブラックの表面を露出させることができ、そのことにより、ゴム成分との結合を強くできるので、ゴム製品の補強性を高くすることができることを見出した。
また、本発明者らは、以下のことを見出しした。すなわち、
リサイクルカーボンブラックの表面に付着しているゴム残分を酸化分解して除去したときに、リサイクルカーボンブラック自体の酸化が進み過ぎると、ゴム成分との結合は高くなるものの、比表面積が高くなり過ぎて、リサイクルカーボンブラックの凝集力が大きくなり過ぎるため、ゴム中の分散が悪くなり、ゴム補強性が高くならない。しかし酸化性ガスと接触することで比表面積が大きくなったリサイクルカーボンブラックに、加熱下で炭化水素に接触させて、炭化物を生成させ、その炭化物で、リサイクルカーボンブラックの表面に発生した細孔を埋めることにより、比表面積を調節し、凝集力を小さくして、ゴム製品の補強性を高くすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)N
2
SAが50m
2
/g以上250m
2
/g以下であり、
レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が84以上111以下であること、
を特徴とする改質リサイクルカーボンブラック。
(2)灰分含有量が3.0以上50.0%以下であることを特徴とする(1)の改質リサイクルカーボンブラック。
(3)600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程を行い得られたものであり、
N
2
SAが50m
2
/g以上250m
2
/g以下であり、
レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が84以上111以下であること、
を特徴とする改質リサイクルカーボンブラック。
(4)600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程と、炭化水素ガスを接触させる工程と、を行い得られたものであり、
N
2
SAが50m
2
/g以上250m
2
/g以下であり、
レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が84以上111以下であること、
を特徴とする改質リサイクルカーボンブラック。
(5)前記ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックが、レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が112以上200以下であるカーボンブラックであることを特徴とする(3)又は(4)の改質リサイクルカーボンブラック。
(6)600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程を有すること特徴とする改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
(7)600℃以上1400℃以下に加熱されている反応炉内で、ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックに、酸化性ガスを接触させる工程と、炭化水素ガスを接触させる工程と、を有することを特徴とする改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
(8)前記酸化性ガスを接触させる工程を行なった後に、前記炭化水素ガスを接触させる工程を行なうことを特徴とする(7)の改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
(9)前記ゴム炭化物が付着しているリサイクルカーボンブラックが、レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度を100としたとき、1580±20cm
-1
の範囲にピークトップを有するピークのピーク強度が112以上200以下であるカーボンブラックであることを特徴とする(6)又は(7)の改質リサイクルカーボンブラックの製造方法。
(10)ゴム成分と、
該ゴム成分100質量部に対し、1質量部以上100質量部以下の(1)の改質リサイクルカーボンブラックと、
を含有することを特徴とするゴム組成物。
を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゴム成分との結合が強く、ゴム製品の補強性が高いリサイクルカーボンブラックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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