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公開番号
2024154883
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023069088
出願日
2023-04-20
発明の名称
発酵飲料及びその製造方法
出願人
アサヒビール株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C12C
7/04 20060101AFI20241024BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】低いアルコール濃度であっても、穀物香の強度のバランス、及びボディ感に優れる発酵飲料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】〔1〕でんぷん質原料から糖化液を得る仕込工程、得られた糖化液を酵母により発酵させて発酵液を得る発酵工程、及び、得られた発酵液を水で希釈する希釈工程を含み、前記仕込工程において、資化性糖から非資化性糖を生成する酵素、及び、デキストリンを加水分解する酵素を添加する、発酵飲料の製造方法、及び、〔2〕アルコール濃度が4.0vol%未満であり、原麦汁エキス濃度が10質量%未満であり、デキストリン濃度が10.0g/L以下であり、甘味度が5以上である、発酵飲料。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
でんぷん質原料から糖化液を得る仕込工程、
得られた糖化液を酵母により発酵させて発酵液を得る発酵工程、及び、
得られた発酵液を水で希釈する希釈工程を含み、
前記仕込工程において、資化性糖から非資化性糖を生成する酵素、及び、デキストリンを加水分解する酵素を添加する、発酵飲料の製造方法。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
前記非資化性糖が、イソマルトオリゴ糖である、請求項1に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項3】
前記資化性糖から非資化性糖を生成する酵素が、トランスグルコシダーゼを含む、請求項1に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項4】
前記デキストリンを加水分解する酵素が、デキストリンのα-1,6グルコシド結合を加水分解する酵素、及び、デキストリンのα-1,4グルコシド結合を加水分解する酵素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項5】
前記デキストリンのα-1,6グルコシド結合を加水分解する酵素が、プルラナーゼを含む、請求項4に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項6】
前記デキストリンのα-1,4グルコシド結合を加水分解する酵素が、マルトース生成型α-アミラーゼを含む、請求項4に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項7】
前記デキストリンのα-1,4グルコシド結合を加水分解する酵素が、耐熱性α-アミラーゼを含む、請求項4に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項8】
前記でんぷん質原料が、麦芽を含む、請求項1に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項9】
前記発酵飲料は、ビールテイスト飲料である、請求項1に記載の発酵飲料の製造方法。
【請求項10】
前記発酵飲料のアルコール濃度が、4.0vol%未満である、請求項1に記載の発酵飲料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵飲料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ビールと同様のテイストを有しつつ、アルコール濃度の低い低アルコールビールや、実質的にアルコールを含まないノンアルコールビールといったビールテイスト飲料に対する消費者のニーズが高まっている。これらのビールテイスト飲料は、一般的には、アルコール濃度が高いビールを飲めない場合に、ビールの代替として飲まれるものであるため、アルコール濃度以外は、ビールと同等のテイストを有することが好ましい。このため、ビールとより同等のテイストを有するビールテイスト飲料の開発が望まれている。
【0003】
アルコール濃度の低いビールテイスト飲料を製造する方法としては、仕込工程において、発酵前の糖化液にα-グルコシダーゼ(トランスグルコシダーゼ)を添加して、発酵性糖を非発酵性糖に転換する方法が知られている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
一方で、発酵性糖からトランスグルコシダーゼにより合成されたイソマルトオリゴ糖は、ショ糖と比較すれば甘味度は低いものの、ある程度の甘味性を有している。このため、トランスグルコシダーゼを添加するビールテイスト飲料を製造する方法においては、通常のビール類と同様のコク味やボディ感が得られる程度にまで、充分な量のイソマルトオリゴ糖を製品中に含有させた場合には、突出した甘味も付与されることとなり、ビールテイスト飲料としての香味、風味の調和度合いとしては好ましくないという問題点があった。
この問題点に対して、特許文献3では、甘味やその他の不自然な香味が突出することなく、通常のビール類と比べて遜色のないバランスの良い味感、風味を有する低アルコール発酵麦芽飲料の製造方法の提供を目的に、最終製品のpHが3.5~4.4になるように有機酸を添加する低アルコール発酵麦芽飲料の製造方法を開示している。
また、特許文献4では、充分なコク味を有しつつ、優れた香味を有し、かつドリンカビリティが高められた低アルコールビールテイスト飲料の製造方法の提供を目的として、最終製品のエキス分に対する苦味価が所定の範囲になるように調整する低アルコールビールテイスト飲料の製造方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平5-68528号公報
特開平5-68529号公報
特開2012-239460号公報
特開2015-133924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トランスグルコシダーゼを添加して製造されたビールテイスト飲料には、上記の問題点以外にも、アルコール濃度が低いゆえに、相対的に麦芽由来の穀物香が目立ってしまうという問題がある。アルコール濃度に応じて希釈することで、穀物香の強度のバランスを取ることも可能であるが、そうすると、同時にボディ感が損なわれ、薄っぺらい味感になってしまうという問題が生じてしまう。特許文献3及び特許文献4の技術では、穀物香の強度のバランス及びボディ感については改善の余地があることが判明した。
本発明は、低いアルコール濃度であっても、穀物香の強度のバランス、及びボディ感に優れる発酵飲料及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、アルコール濃度が低いビールテイスト飲料においては、デキストリンよりも甘味度の高い糖類の方が、ボディ感の増強に対する寄与が大きいことに着目し、でんぷん質原料から糖化液を得る仕込工程において、資化性糖から非資化性糖を生成する酵素、及び、デキストリンを加水分解する酵素を添加し、さらに、得られた発酵液を水で希釈する希釈工程を含むことにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の[1]~[15]を提供する。
[1] でんぷん質原料から糖化液を得る仕込工程、
得られた糖化液を酵母により発酵させて発酵液を得る発酵工程、及び、
得られた発酵液を水で希釈する希釈工程を含み、
前記仕込工程において、資化性糖から非資化性糖を生成する酵素、及び、デキストリンを加水分解する酵素を添加する、発酵飲料の製造方法。
[2] 前記非資化性糖が、イソマルトオリゴ糖である、前記[1]に記載の発酵飲料の製造方法。
[3] 前記資化性糖から非資化性糖を生成する酵素が、トランスグルコシダーゼを含む、前記[1]又は[2]に記載の発酵飲料の製造方法。
[4] 前記デキストリンを加水分解する酵素が、デキストリンのα-1,6グルコシド結合を加水分解する酵素、及び、デキストリンのα-1,4グルコシド結合を加水分解する酵素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、前記[1]~[3]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[5] 前記デキストリンのα-1,6グルコシド結合を加水分解する酵素が、プルラナーゼを含む、前記[4]に記載の発酵飲料の製造方法。
[6] 前記デキストリンのα-1,4グルコシド結合を加水分解する酵素が、マルトース生成型α-アミラーゼを含む、前記[4]に記載の発酵飲料の製造方法。
[7] 前記デキストリンのα-1,4グルコシド結合を加水分解する酵素が、耐熱性α-アミラーゼを含む、前記[4]に記載の発酵飲料の製造方法。
[8] 前記でんぷん質原料が、麦芽を含む、前記[1]~[7]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[9] 前記発酵飲料は、ビールテイスト飲料である、前記[1]~[8]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[10] 前記発酵飲料のアルコール濃度が、4.0vol%未満である、前記[1]~[9]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[11] 前記希釈工程において、原麦汁エキス濃度を10質量%未満に調整する、前記[1]~[10]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[12] 前記発酵飲料のデキストリン濃度が、10.0g/L以下である、前記[1]~[11]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[13] 前記発酵飲料の甘味度が、5以上である、前記[1]~[12]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[14] 前記発酵液からアルコールを除去する工程を含む、前記[1]~[13]のいずれかに記載の発酵飲料の製造方法。
[15] アルコール濃度が4.0vol%未満であり、
原麦汁エキス濃度が10質量%未満であり、
デキストリン濃度が10.0g/L以下であり、
甘味度が5以上である、発酵飲料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低いアルコール濃度であっても、穀物香の強度のバランス、及びボディ感に優れる発酵飲料及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1、比較例1、及び比較例2の発酵飲料の各糖類の含有量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[発酵飲料の製造方法]
本発明の発酵飲料の製造方法は、でんぷん質原料から糖化液を得る仕込工程、得られた糖化液を酵母により発酵させて発酵液を得る発酵工程、及び、得られた発酵液を水で希釈する希釈工程を含み、前記仕込工程において、資化性糖から非資化性糖を生成する酵素、及び、デキストリンを加水分解する酵素を添加する製造方法である。
本発明において「デキストリン」とは、でんぷん質の加水分解物であって、グルコースの重合度が7以上のオリゴ糖又は多糖を意味する。
(【0011】以降は省略されています)
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