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公開番号2024153925
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-29
出願番号2024132781,2023125201
出願日2024-08-08,2019-10-07
発明の名称光増幅装置および光増幅方法
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人
主分類H04B 10/291 20130101AFI20241022BHJP(電気通信技術)
要約【課題】結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置の性能評価およびそれを用いた光伝送システムの構築が可能な光増幅装置、光伝送システムおよび光増幅方法を提供する。
【解決手段】結合型マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置100は、光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段110と、帯域制御光が伝搬する複数の光増幅媒体を備えた帯域制御光増幅手段120、とを有し、帯域制御光増幅手段120は、複数の光増幅媒体を伝搬する伝搬光がクロストークする結合状態で帯域制御光を増幅し、帯域制御手段110は、複数の光増幅媒体を伝搬した帯域制御光の可干渉性を低減するように波長帯域を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数のコアが近接して配置された結合型マルチコア光ファイバと、前記複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に含まれる光増幅媒体と、を有する光増幅手段と、
前記結合型マルチコア光ファイバに入力される光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成する帯域制御手段と、
を備え、
前記帯域制御手段は、光増幅された帯域制御光の強度に基づいて前記光搬送波の波長帯域を制御する
光増幅装置。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記帯域制御手段は、前記光増幅手段からの出力光の強度変動値が所定範囲に収まるように、前記光増幅手段に入力する光搬送波の波長帯域を調整する
請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項3】
前記帯域制御手段は、前記光搬送波を変調することで、前記波長帯域を拡大させるように制御する
請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項4】
前記帯域制御手段は、前記光搬送波を変調する光変調手段を備え、
前記光変調手段は、前記帯域制御光が前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬するのに要する時間の逆数よりも大きい周波数で、前記光搬送波を変調する
請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項5】
前記複数のコアの少なくとも一のコアを伝搬した前記帯域制御光の強度を検知する光検知手段をさらに備え、
前記光検知手段は、光強度情報を生成する
請求項1から4のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項6】
前記光検知手段からの出力を受け付ける光変動検出手段をさらに備え、
前記光変動検出手段は、前記帯域制御光の強度の時間変化が所定の閾値を超えた場合、警報情報を生成する
請求項5に記載の光増幅装置。
【請求項7】
前記帯域制御手段は、前記光強度情報に基づいて前記帯域制御光の多重方式を変更する信号を受け付ける
請求項5に記載の光増幅装置。
【請求項8】
前記多重方式の変更は、前記帯域制御光の伝搬に使用されるコア数の変更または伝送速度の変更である
請求項7に記載の光増幅装置。
【請求項9】
前記複数のコアの近接は、コア間距離がいずれも25μm以下の配置である
請求項1から8のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項10】
複数のコアが近接して配置された結合型マルチコア光ファイバと、前記複数のコアのそれぞれの少なくとも一部に含まれる光増幅媒体と、を備える光増幅装置において、
前記結合型マルチコア光ファイバに入力される光搬送波の波長帯域を制御して帯域制御光を生成し、
光増幅された帯域制御光の強度に基づいて前記光搬送波の波長帯域を制御する
光増幅方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅装置、光伝送システム、および光増幅方法に関し、特に、マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置、光伝送システム、および光増幅方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
モバイルトラフィックやビデオサービスの急速な拡大などにより、コアネットワークにおける通信容量の拡大が求められている。この容量拡大の要求は、今後も継続する傾向にある。通信容量の拡大はこれまで、時間多重技術や波長多重技術を用いることによって実現されてきた。この時間多重技術や波長多重技術は、シングルコア光ファイバによる光通信システムに適用されてきた。
【0003】
シングルコア光ファイバを用いる場合、シングルコアすなわち単一の光ファイバコアを伝送することが可能な光信号の多重数には制限があり、近年、その限界に達しつつある。この多重数の限界は、光ファイバ通信において利用可能な波長帯域幅、およびシングルコア光ファイバの入力光強度耐力によって決まる。
【0004】
このような状況において、通信容量をさらに拡大するため、これまでの多重技術とは異なる次元の多重技術である空間多重技術が開発されている。空間多重技術には、光ファイバ1本あたりのコア数を増大させるマルチコア技術と、伝播モード数を増大させるマルチモード技術がある。従来の光ファイバ通信で用いられているコア数およびモード数は、いずれも一個である。そのため、コア数およびモード数を増大させることによって通信容量を飛躍的に拡大させることが可能である。
【0005】
しかしながら、光ファイバのコア数やモード数を増大させた場合、現在広く普及している光送受信機や光増幅器をそのまま利用することはできない。現在普及している光送受信機や光増幅器はシングルコアの光ファイバ向けに開発されたものであり、マルチコア光ファイバやマルチモード光ファイバに対して互換性がないからである。そのため、マルチコア光ファイバやマルチモード光ファイバに適した光送受信機および光増幅器を実現する技術が提案されている。
【0006】
マルチコア光ファイバには、結合型と非結合型の二種類がある。非結合型マルチコア光ファイバは、コア間の距離(ピッチ)が大きいため、コア間のクロストークによる影響が無視できるという利点がある。しかしながら、コアを密に配置することができないため、コア数を増やすことが困難であるという欠点がある。一方、結合型マルチコア光ファイバは、非結合型マルチコア光ファイバとは逆に、コア間の距離(ピッチ)が小さい(例えば、特許文献1を参照)。そのため、コア間のクロストークによる影響が大きくなるという欠点はあるが、コアを密に配置できるためコア数を容易に増大させることができるという利点がある。さらに、結合型マルチコア光ファイバは、非結合型マルチコア光ファイバに比べて非線形光学効果による影響が小さいため、光信号の伝送距離を長くすることができるという優れた光伝送特性を有している。この特性は、長距離光伝送システムを構築する上で、非常に大きな利点となる。
【0007】
マルチコア光ファイバに適した光増幅方式としては、コア励起方式とクラッド励起方式の二方式がある。コア励起方式では、各コアを通して光伝送される光信号の強度をコア毎に個別の励起光源を用いて個別に増幅する。クラッド励起方式では、各コアを通して光伝送される光信号の強度を共通の励起光源を用いて一括して増幅する(例えば、特許文献2を参照)。クラッド励起方式は、非結合型マルチコア光ファイバおよび結合型マルチコア光ファイバのいずれを用いる場合でも利用することができる。
【0008】
マルチコア光ファイバを伝送する光信号の光強度を効率よく増幅するためには、各コアを通して光伝送される光信号の強度を共通の励起光源を用いて一括して増幅するクラッド励起方式が望ましい。また、クラッド励起方式では、従来の単一コア励起方式による光増幅器の構成を原理的にはそのままクラッド励起方式の光増幅器の構成として用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第6372598号公報
特開2017-21070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した結合型マルチコア光ファイバにおいては、コア間の距離(コア間隔)が小さいため、各コアから漏れ出た光信号の一部が他のコアを通過する光信号と結合するというクロストークが生じる。このクロストークする光信号の量は、コア間の実効屈折率差に大きく依存する。コア間の実効屈折率差は、結合型マルチコア光ファイバの曲げや温度といったパラメータの影響を受けるが、これらのパラメータは、その設置環境に依存する。また、これらのパラメータは時間的に複雑に変化し得るため、その変化を予測することは非常に困難である。したがって、光ファイバの曲げや温度といったパラメータに依存する結合型マルチコア光ファイバのコア間のクロストークの時間変化を予測することも非常に困難である。クロストークが無視できない場合、結合型マルチコア光ファイバの各コアを通過する光信号は、その光強度が時間的に変動することになる。
(【0011】以降は省略されています)

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