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公開番号
2024153352
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-29
出願番号
2023067187
出願日
2023-04-17
発明の名称
溶接部材の製造方法
出願人
フタバ産業株式会社
代理人
名古屋国際弁理士法人
主分類
B23K
9/00 20060101AFI20241022BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】少なくとも3つの部品を溶接して形成される溶接部材の熱歪みによる影響を抑制する。
【解決手段】溶接部材の製造方法は、周方向に延びる第1溶接部が形成されるように、第1部品と第2部品とを溶接することと、周方向に延びる第2溶接部が形成されるように、第2部品と第3部品とを溶接することを備える。第1溶接部の溶接開始点から、第1溶接部における周方向の略中央までの範囲に位置し、第1溶接部において生じる変形の中心となる位置を、第1変形点とする。第2溶接部の溶接開始点から、第2溶接部における周方向の略中央までの範囲に位置し、第2溶接部において生じる変形の中心となる位置を、第2変形点とする。第2変形点は、第1変形点に対し、周方向において少なくとも90°隔てて配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1部品、第2部品及び第3部品が溶接された溶接部材の製造方法であって、
前記第1部品、前記第2部品及び前記第3部品が並ぶ方向に延びる当該溶接部材の軸を中心とする周方向に延びる第1溶接部が形成されるように、前記第1部品と前記第2部品とを溶接することと、
前記周方向に延びる第2溶接部が形成されるように、前記第2部品と前記第3部品とを溶接することと、
を備え、
前記第1溶接部及び前記第2溶接部は、溶接開始点から溶接終了点までそれぞれ延び、
前記第1溶接部の前記溶接開始点から、前記第1溶接部における前記周方向の略中央までの範囲に位置し、前記第1溶接部において生じる変形の中心となる位置を、第1変形点とし、
前記第2溶接部の前記溶接開始点から、前記第2溶接部における前記周方向の略中央までの範囲に位置し、前記第2溶接部において生じる変形の中心となる位置を、第2変形点とし、
前記第2変形点は、前記第1変形点に対し、前記周方向において少なくとも90°隔てて配置される、溶接部材の製造方法。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の溶接部材の製造方法であって、
前記第1溶接部の前記周方向の長さと、前記第2溶接部の前記周方向の長さとは、略同じである、溶接部材の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の溶接部材の製造方法であって、
前記第1溶接部及び前記第2溶接部は、全周溶接により形成される、溶接部材の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の溶接部材の製造方法であって、
前記第1変形点は、前記第1溶接部の前記溶接開始点及び前記溶接終了点である溶接終始点であり、
前記第2変形点は、前記第2溶接部の前記溶接開始点及び前記溶接終了点である溶接終始点である、溶接部材の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の溶接部材の製造方法であって、
当該溶接部材は、車両に搭載される車載部品である、溶接部材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の溶接部材の製造方法であって、
前記第1溶接部は、前記軸を中心とする第1周方向に沿った溶接により形成され、
前記第2溶接部は、前記軸を中心とする、前記第1周方向とは反対の第2周方向に沿った溶接により形成される、溶接部材の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、溶接部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、円形状の嵌合孔が形成される底壁部を有する有底円筒状のドラム本体と、嵌合孔に圧入して組み付けられる嵌挿部を有する軸状のシャフトと、を溶接してクラッチドラムを形成する溶接方法が開示されている。この溶接方法では、嵌合孔と嵌挿部の接合部が嵌挿部の軸を中心とする周方向に等角度となる4つの範囲(第1~第4範囲)に分割される。そして、各範囲の溶接の開始点及び終了点が重なるように、第1範囲、軸を挟んで第1範囲と対向する第2範囲、第1範囲と第2範囲との間に位置する第3範囲、軸を挟んで第3範囲と対向する第4範囲の順に接合部を全周溶接することで、クラッチドラムの熱歪みを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-103274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した溶接方法では、周方向に沿った1度の動作で接合部を全周溶接する方法と比較して、溶接時間が増加する。また、溶接の開始点及び終了点では、溶接時の溶け込み量がばらつきやすいため、上述した溶接方法のように、溶接の開始点及び終了点が重なるラップ部が多くなると、溶接の品質が低下しやすいという問題があった。
【0005】
ところで、3つ以上の部品を溶接することで形成される溶接部材の場合、溶接箇所は複数存在する。このため、複数の溶接箇所を有する溶接部材において、溶接時間の増加及び溶接の品質低下を抑制しつつ、当該溶接部材の熱歪みによる影響を抑制できる方法が望まれている。
【0006】
本開示の一局面は、少なくとも3つの部品を溶接して形成される溶接部材の熱歪みによる影響を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、第1部品、第2部品及び第3部品が溶接された溶接部材の製造方法である。溶接部材の製造方法は、第1部品、第2部品及び第3部品が並ぶ方向に延びる溶接部材の軸を中心とする周方向に延びる第1溶接部が形成されるように、第1部品と第2部品とを溶接することを備える。また、溶接部材の製造方法は、周方向に延びる第2溶接部が形成されるように、第2部品と第3部品とを溶接することを備える。第1溶接部及び第2溶接部は、溶接開始点から溶接終了点までそれぞれ延びる。第1溶接部の溶接開始点から、第1溶接部における周方向の略中央までの範囲に位置し、第1溶接部において生じる変形の中心となる位置を、第1変形点とする。第2溶接部の溶接開始点から、第2溶接部における周方向の略中央までの範囲に位置し、第2溶接部において生じる変形の中心となる位置を、第2変形点とする。第2変形点は、第1変形点に対し、周方向において少なくとも90°隔てて配置される。
【0008】
このような構成では、第1溶接部において生じる変形が、第2溶接部において生じる変形によって相殺されやすくなる。したがって、第1部品、第2部品及び第3部品の3つの部品を溶接して形成される溶接部材の熱歪みによる影響を抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様では、第1溶接部の周方向の長さと、第2溶接部の周方向の長さとは、略同じであってもよい。このような構成によれば、第1溶接部において生じる変形量と、第2溶接部において生じる変形量と、が略同じとなりやすいため、溶接部材の熱歪みによる影響が抑制されやすい。
【0010】
本開示の一態様では、第1溶接部及び第2溶接部は、全周溶接により形成されてもよい。このような構成によれば、全周溶接により形成された第1溶接部及び第2溶接部を有する溶接部材の熱歪みによる影響を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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