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公開番号2024152632
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2024044368
出願日2024-03-21
発明の名称硫化リチウムの製造方法
出願人株式会社 イス スペシャリティ ケミカル
代理人個人
主分類C01B 17/22 20060101AFI20241018BHJP(無機化学)
要約【課題】硫化リチウムの製造時に炭酸系不純物を効果的に除去して高純度の硫化リチウムを得ることができる硫化リチウムの製造方法を提供する。
【解決手段】水酸化リチウム原料を不活性気体雰囲気下で前処理するステップ(ステップ1)と、硫化水素気体を1次投入して、前記前処理された水酸化リチウム原料と硫化水素とを乾式反応させるステップ(ステップ2)と、前記ステップ2の反応終了後、反応生成物を不活性気体雰囲気下で昇温するステップ(ステップ3)と、硫化水素気体を2次投入して熱処理するステップ(ステップ4)と、を含む、硫化リチウムの製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水酸化リチウム原料を不活性気体雰囲気下で前処理するステップ(ステップ1)と、
硫化水素気体を1次投入して、前記前処理された水酸化リチウム原料と硫化水素とを乾式反応させるステップ(ステップ2)と、
前記ステップ2の反応終了後、反応生成物を不活性気体雰囲気下で昇温するステップ(ステップ3)と、
硫化水素気体を2次投入して熱処理するステップ(ステップ4)と、を含む、
硫化リチウムの製造方法。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記ステップ1は、170ないし450℃で行われる、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項3】
前記ステップ2で、ステップ1の水酸化リチウム原料と硫化水素気体のモル比が、1:0.5ないし1:50となるように硫化水素気体を1次投入する、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項4】
前記ステップ2は、水を除去しながら行われる、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項5】
前記ステップ3は、230℃ないし400℃まで昇温する、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項6】
前記ステップ4で、ステップ1の水酸化リチウム原料と硫化水素気体のモル比が、1:5ないし1:50となるように硫化水素を2次投入する、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項7】
前記ステップ2で1次投入される硫化水素気体と前記ステップ4で2次投入される硫化水素気体のモル比は、1:0.5ないし1:50である、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項8】
前記ステップ4は、3時間ないし10時間行われる、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項9】
前記ステップ1ないしステップ4を一容器工程(one-pot process)で行う、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
【請求項10】
IC(Ion chromatography)分析結果、製造された硫化リチウムの質量を基準に、炭酸リチウムを5,000ppm以下で含む、
請求項1に記載の硫化リチウムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2023年4月14日付の韓国特許出願第10-2023-0049611号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、硫化リチウムの製造方法に関するものである。より具体的には、硫化リチウムの製造後、処理ステップで硫化水素を用いた高純度の硫化リチウムの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
最近、二次電池産業の発達につれて、固体電解質物質の使用可能性が高くなっている。そのうち、硫化リチウム(Li

S)と塩化リチウム(LiCl)および五硫化リン(P



)を原料として使用し合成される硫化物系固体電解質は、酸化物系固体電解質と比較して高いイオンの伝導度を有し、広い電圧範囲で安定したものと評価されている。
【0003】
硫化物系固体電解質の主原料である硫化リチウムは、一般に固体のリチウム前駆体と気体の硫黄前駆体を反応させて製造される。従来の硫化リチウムの製造に関する研究は、硫化リチウムの前駆体の選択に関連する硫化リチウムの合成方法に関する研究が主に行われてきた。以降、硫化リチウム合成の他にも、製造された硫化リチウムの性能改善に対する研究が注目されていている。硫化リチウムの性能改善については主に製造された硫化リチウム粒子を制御する技術に関するものであって、一例として、硫化リチウムの粒子大きさを制御するか、硫化リチウムの比表面積を制御するための技術(JP2019-156691A)が提示されている。
【0004】
一方、固体電解質の性能の面で、硫化リチウム内に含有された不純物は、固体電解質の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、硫化リチウム粒子自体を制御する技術の他にも、硫化リチウム内の不純物を低減するための研究が一部進められている。硫化リチウムを製造する方法としては、溶媒を使用する湿式工程と溶媒を使用しない乾式工程とがある。湿式工程は、硫化リチウムの製造後に溶媒を効果的に除去してこそ不純物含有量を下げることができる。しかし、この場合、溶媒を効果的に除去するためには限界があり、溶媒除去のための追加的な費用が発生する点で問題がある。
【0005】
また、硫化リチウムの製造時に使用されるリチウム前駆体のうち水酸化リチウム(LiOH)は、一部炭酸系不純物が存在することが一般的である。水酸化リチウム内に存在する炭酸系不純物まで硫化リチウムに切り替えるためには、水酸化リチウムを1,000℃以上の温度で加熱し、いずれも酸化リチウム(Li

O)形態に切り替えた後、硫化リチウムとして合成する方法が提示されているが、極度の高温が必要となり、商用化工程への適用が難しいという問題がある。
【0006】
前記のような硫化リチウムの製造方法の問題を解決して、高純度の硫化リチウムを製造する技術に対する研究が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、硫化リチウムの製造時に不純物を効果的に除去して高純度の硫化リチウムを得ることができる硫化リチウムの製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、水酸化リチウム原料を不活性気体雰囲気下で前処理するステップ(ステップ1)と、硫化水素気体を1次投入して、前記前処理された水酸化リチウム原料と硫化水素とを乾式反応させるステップ(ステップ2)と、前記ステップ2の反応終了後、反応生成物を不活性気体雰囲気下で昇温するステップ(ステップ3)と、硫化水素気体を2次投入して熱処理するステップ(ステップ4)と、を含む、硫化リチウムの製造方法を提供する。
また、本発明は、本発明の製造方法によって製造された硫化リチウムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る硫化リチウムの製造方法は、硫化リチウム内の不純物を最少化して高純度の硫化リチウムを製造することができる。より具体的には、製造された硫化リチウム内の炭酸系不純物を最少化し、固体電解質原料としての性能に優れた硫化リチウムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施例によって製造された硫化リチウムと商用硫化リチウムのX線回折の分析(X-Ray Diffraction、XRD)結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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