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公開番号
2024153417
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-29
出願番号
2023067299
出願日
2023-04-17
発明の名称
Na含有酸化物の製造方法
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01G
53/00 20060101AFI20241022BHJP(無機化学)
要約
【課題】P2型構造を有するNa含有酸化物において、O3相を低減する。
【解決手段】本開示のNa含有酸化物の製造方法は、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む前駆体を得ること、前記前駆体の表面をNa源で被覆して、複合体を得ること、及び、前記複合体を焼成することで、P2型構造を有するNa含有酸化物を得ること、を含み、前記複合体の焼成の際、300℃から500℃に至るまでの昇温速度A(℃/min)と、前記複合体の体積B(mm
3
)との比A/Bが、4.5以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
P2型構造を有するNa含有酸化物の製造方法であって、
Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む前駆体を得ること、
前記前駆体の表面をNa源で被覆して、複合体を得ること、及び、
前記複合体を焼成することで、P2型構造を有するNa含有酸化物を得ること、
を含み、
前記複合体の焼成の際、300℃から500℃に至るまでの昇温速度A(℃/min)と、前記複合体の厚さB(mm)との比A/Bが、4.5以下である、
製造方法。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法であって、
前記昇温速度Aが、13.5℃/min以下である、
製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の製造方法であって、
前記前駆体が、球状粒子であり、
前記複合体が、前記前駆体の表面の40面積%以上を前記Na源で被覆することによって得られるものであり、かつ
前記P2型構造を有するNa含有酸化物が、球状粒子である、
製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の製造方法であって、
遷移金属イオンと水溶液中で沈殿を形成し得るイオン源と、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む遷移金属化合物とを用い、共沈法によって、前記前駆体としての沈殿物を得ること、を含む、
製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法であって、
前記P2型構造を有するNa含有酸化物が、Na
a
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0<a≦1.00、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願はNa含有酸化物の製造方法を開示する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、P2型構造を有し、かつ、Na
x
Fe
y
Mn
1-y
O
2
(xは1未満であり、yは1/3以上2/3未満である。)で示される化学組成を有するNa含有酸化物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-201588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
P2型構造を有するNa含有酸化物においては、P2相とともにO3相が生成し易い。P2型構造を有するNa含有酸化物において、O3相を低減することが可能な新たな技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
<態様1>
P2型構造を有するNa含有酸化物の製造方法であって、
Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む前駆体を得ること、
前記前駆体の表面をNa源で被覆して、複合体を得ること、及び、
前記複合体を焼成することで、P2型構造を有するNa含有酸化物を得ること、
を含み、
前記複合体の焼成の際、300℃から500℃に至るまでの昇温速度A(℃/min)と、前記複合体の厚さB(mm)との比A/Bが、4.5以下である、
製造方法。
<態様2>
態様1の製造方法であって、
前記昇温速度Aが、13.5℃/min以下である、
製造方法。
<態様3>
態様1又は2の製造方法であって、
前記前駆体が、球状粒子であり、
前記複合体が、前記前駆体の表面の40面積%以上を前記Na源で被覆することによって得られるものであり、かつ
前記P2型構造を有するNa含有酸化物が、球状粒子である、
製造方法。
<態様4>
態様1~3のいずれかの製造方法であって、
遷移金属イオンと水溶液中で沈殿を形成し得るイオン源と、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む遷移金属化合物とを用い、共沈法によって、前記前駆体としての沈殿物を得ること、を含む、
製造方法。
<態様5>
態様1~4のいずれかの製造方法であって、
前記P2型構造を有するNa含有酸化物が、Na
a
Mn
x-p
Ni
y-q
Co
z-r
M
p+q+r
O
2
(ここで、0<a≦1.00、x+y+z=1、かつ、0≦p+q+r<0.17であり、元素Mは、B、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種である。)で示される化学組成を有する、
製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本開示の方法によれば、P2型構造を有するNa含有酸化物を製造する際、O3相を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
P2型構造を有するNa含有酸化物の製造方法の流れの一例を示している。
実施例1、2、4及び比較例の各々のNa含有酸化物の外観SEM写真である。
実施例1~5及び比較例の各々のNa含有酸化物のX線回折パターンを示している。
A/Bとピーク強度比I
P2
/I
O3
との関係を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.P2型構造を有するNa含有酸化物の製造方法
図1に示されるように、一実施形態に係るP2型構造を有するNa含有酸化物の製造方法は、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む前駆体を得ること(S1)、前記前駆体の表面をNa源で被覆して、複合体を得ること(S2)、及び、前記複合体を焼成することで、P2型構造を有するNa含有酸化物を得ること(S3)、を含む。ここで、前記複合体の焼成の際、300℃から500℃に至るまでの昇温速度A(℃/min)と、前記複合体の厚さB(mm)との比A/Bは、4.5以下である。
【0009】
1.1 S1
S1においては、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む前駆体を得る。前駆体は、少なくとも、Mnと、Ni及びCoのうちの一方又は両方と、を含むものであってもよいし、少なくともMnとNiとCoとを含むものであってもよい。前駆体は、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む塩であってもよい。例えば、前駆体は、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩及び酢酸塩のうちの少なくとも1種であってもよい。或いは、前駆体は、塩以外の化合物であってもよい。例えば、前駆体は、水酸化物であってもよい。前駆体は、水和物であってもよい。前駆体は、複数種類の化合物の組み合わせであってもよい。前駆体は、種々の形状であってよい。例えば、前駆体は粒子状であってもよく、後述するように球状粒子であってもよい。前駆体からなる粒子の粒子径は、特に限定されるものではない。
【0010】
S1においては、遷移金属イオンと水溶液中で沈殿を形成し得るイオン源と、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む遷移金属化合物とを用い、共沈法によって、上記前駆体としての沈殿物を得てもよい。これにより、前駆体としての球状粒子が得られ易い。「遷移金属イオンと水溶液中で沈殿物を形成し得るイオン源」は、例えば、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等のナトリウム塩、水酸化ナトリウム、及び、酸化ナトリウム等から選ばれる少なくとも1種であってもよい。遷移金属化合物は、Mn、Ni及びCoのうちの少なくとも1つの元素を含む上記の塩や水酸化物等であってよい。具体的には、S1においては、当該イオン源と当該遷移金属化合物とを各々溶液としたうえで、各々の溶液を滴下・混合することで前駆体としての沈殿物を得てもよい。この際、溶媒としては、例えば、水が用いられる。この際、塩基として各種ナトリウム化合物を用いてもよく、また、塩基性の調整のためにアンモニア水溶液等を加えてもよい。共沈法の場合、例えば、遷移金属化合物の水溶液と、炭酸ナトリウムの水溶液とを準備し、各々の水溶液を滴下して混合することで、前駆体としての沈殿物が得られる。或いは、ゾルゲル法によって前駆体を得ることも可能である。特に共沈法によれば、前駆体としての球状粒子が得られ易い。
(【0011】以降は省略されています)
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