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公開番号2024146877
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2024052996
出願日2024-03-28
発明の名称多孔質粒子およびその製造方法、研磨剤および構造体
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C01B 33/12 20060101AFI20241004BHJP(無機化学)
要約【課題】適度な崩壊性と導電性を兼ね備えた多孔質粒子を提供する。
【解決手段】 鎖状シリカと炭素粒子によって形成された網目構造を持つ多孔質粒子であって、炭素粒子の吸油量[ml/100g]が100~500であり、当該多孔質粒子の炭素含有量が0.5~50重量%、平均粒子径[μm]が0.5~50、平均圧縮強度[N/mm2]が0.98以上9.8未満、細孔容積[cm3/g]が0.5~5.0、細孔径の最頻値[nm]の±25%以内の大きさの細孔の容積の総和が細孔容積の40%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鎖状シリカと炭素粒子によって形成された網目構造を持つ多孔質粒子であって、
前記炭素粒子の吸油量[ml/100g]が100~500であり、
当該多孔質粒子の炭素含有量が0.5~50重量%、平均粒子径[μm]が0.5~50、平均圧縮強度[N/mm

]が0.98以上9.8未満、細孔容積[cm

/g]が0.5~5.0、細孔径の最頻値[nm]の±25%以内の大きさの細孔の容積の総和が前記細孔容積の40%以上である多孔質粒子。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
請求項1に記載の多孔質粒子が配合された研磨剤および構造体。
【請求項3】
炭素粒子が水に分散した第一分散液を調製する第一工程と、
鎖状シリカが水に分散した第二分散液にせん断力を加え、粘度8~100mPa・Sの範囲の第三分散液を調製する第二工程と、
前記第一分散液と前記第三分散液の混合液を調製する第三工程と、
前記混合液を8~100mPa・Sの範囲の粘度で噴霧乾燥機に投入して乾燥粒子を造粒する第四工程と、
前記乾燥粒子を不活性ガスの雰囲気中で焼成する第五工程と、を備え、
前記混合液のpHが2~6または10~12の範囲にあることを特徴とする多孔質粒子の製造方法。
【請求項4】
前記第一分散液のpHが7以上の時、前記混合液のpHが10~12になるように前記第二分散液のpHを調製することを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記不活性ガスがN

またはアルゴンである請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記混合液に含まれるシリカ成分と炭素成分の合計が、5~30重量%である請求項3に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨剤等に利用される易崩壊性の多孔質粒子に関し、特に、鎖状シリカと炭素粒子が集まって形成された網目構造の多孔質粒子に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
多孔質粒子は、種々の用途に利用されており、精密な研磨を行うために崩壊性の多孔質粒子を研磨剤に用いることが知られている。例えば、球状の一次粒子が複数結合した非球状粒子によって網目構造が形成された崩壊性の多孔質シリカ粒子が提案されている(特許文献1を参照)。この多孔質シリカ粒子は、製造中には崩壊せず研磨時に崩壊するという特性を得るために、細孔容積、細孔径分布、平均圧縮強度が最適化されている。
【0003】
また、シリカ多孔質体に導電性を付与するために、シリカ骨格の内部にまで微粒子状炭素を分散させることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2のシリカ・炭素複合多孔質体は、比表面積が20~1000m

/g、細孔容積が0.3~2.0ml/g、平均細孔径が2~100nmであり、シリカヒドロゾルと炭素微粒子が分散した共分散体をゲル化させることにより多孔質化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2019-131873号公報
特開2013-56792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の多孔質シリカ粒子は、シリカのみで構成された粒子なので導電性は無い。そのため、この多孔質シリカ粒子を研磨粒子として用いると、研磨時に発生する静電気により被研磨物(ウェハ等)が帯電し、被研磨物に塵が付着する等の課題があった。特許文献2では、シリカヒドロゾルと炭素微粒子が分散した共分散体を作製し、共分散体に含まれるシリカヒドロゾルをゲル化させることにより多孔質化している。多孔度のコントロールがなされていなく、形状が球状でないため、研磨用途で使用する際に、安定した崩壊性が得られない。このように、特許文献2のシリカ・炭素複合多孔質粒子は、導電性を備えるものの安定した崩壊性が得られず、研磨には適していない。仮に、特許文献1の非球状粒子の分散液に炭素微粒子を分散させて造粒すると、導電性は得られるものの、研磨に適した崩壊性が失われる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、製造中には崩壊せずに、使用中に崩壊するという易崩壊特性と、導電性とを兼ね備えた多孔質粒子を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明者らは、鎖状シリカ分散液と、吸油量100~500ml/100gの炭素粒子の分散液との混合液の性状を制御して造粒し、得られた粒子を炭素の酸化を防止する条件で焼成することにより、良好な崩壊性と導電性を持つ多孔質粒子が得られることを見出した。すなわち、本発明による多孔質粒子は、鎖状シリカと炭素粒子によって形成された網目構造を持ち、平均粒子径が0.5~50μm、平均圧縮強度が、0.98以上9.8N/mm

未満、細孔容積が0.5~5.0cm

/g、細孔径の最頻値の±25%以内の大きさの細孔の容積の総和が細孔容積の40%以上である。また、多孔質粒子の炭素含有量は0.5~50重量%である。これにより、研磨中に均一に崩壊する多孔質粒子に導電性を付与することができる。
【0008】
また、本発明の製造方法は、炭素粒子が水に分散した第一分散液を調製する第一工程と、鎖状シリカが水に分散した第二分散液にせん断力を加え、粘度が8~100mPa・Sの範囲に調整された第三分散液を得る第二工程と、前記第一分散液と前記第三分散液の混合液を調製する第三工程と、前記混合液を8~100mPa・Sの範囲の粘度で噴霧乾燥機に投入して乾燥粒子を造粒する第四工程と、前記乾燥粒子を不活性ガスの雰囲気中で焼成する第五工程と、を備えており、前記混合液のpHが2~6または10~12の範囲になるように制御されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
鎖状粒子の形状の一例を表す電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明による多孔質粒子は、鎖状シリカと炭素粒子によって形成された網目構造を持っている。炭素粒子の吸油量は100~500ml/100gであり、多孔質粒子には炭素粒子に由来する炭素が0.5~50重量%含まれている。そして、多孔質粒子の集合粉体は、平均粒子径が0.5~50μm、平均圧縮強度が、0.98N/mm

以上9.8N/mm

未満、細孔容積が0.5~5.0cm

/g、細孔径の最頻値の±25%以内の大きさの細孔の容積の総和が細孔容積の40%以上である。これにより、導電性と均一な崩壊性を併せ持つ多孔質粒子が得られる。
(【0011】以降は省略されています)

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