TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024150302
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2023063655
出願日2023-04-10
発明の名称チタン酸凝集体の製造方法
出願人堺化学工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C01G 23/04 20060101AFI20241016BHJP(無機化学)
要約【課題】製造設備を損傷することなく、粒度の整ったチタン酸凝集体を製造する方法を提供する。
【解決手段】硫酸チタニルを含む溶液と硫酸アンモニウムを混合して加水分解する加水分解工程を含むことを特徴とするチタン酸凝集体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
硫酸チタニルを含む溶液と硫酸アンモニウムを混合して加水分解する加水分解工程を含むことを特徴とするチタン酸凝集体の製造方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記加水分解工程において、硫酸アンモニウムを硫酸チタニルに対して0.30~3.0モル等量用いることを特徴とする請求項1に記載のチタン酸凝集体の製造方法。
【請求項3】
前記加水分解工程において、硫酸チタニルと硫酸アンモニウムとを含む溶液中における硫酸アンモニウムの濃度が0.20~1.80mol/Lであることを特徴とする請求項1に記載のチタン酸凝集体の製造方法。
【請求項4】
前記加水分解工程は、硫酸チタニルと硫酸アンモニウムとを含む溶液を90~120℃に加熱して行われることを特徴とする請求項1に記載のチタン酸凝集体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン酸凝集体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
チタン酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム等のチタンの複合酸化物は酸化チタン又はメタチタン酸、チタン酸を前駆体とし、それら前駆体とリチウム塩、バリウム塩、カリウム塩とを用いて乾式プロセス又は湿式プロセスにより合成される。ここで、リチウムやカリウム等の元素はフラックス剤として粒成長を促進するため、前駆体が反応性の高い微細粒子である場合、チタンの複合酸化物のサイズや粒度の制御が困難になる。このため、特に1ミクロン以上の粒子径を有するチタンの複合酸化物を合成する場合、サブミクロン以下の前駆体を用いると粒度分布が広くなりやすいといった問題がある。一方、前駆体の一次粒子サイズが大きい場合、反応性が乏しく、粒子内部まで反応が進行しない。このように前駆体の粒子形状、粒子径は目的物の粒子形状、粒子径に大きな影響を与える要因である。
【0003】
ここで上記前駆体のうち酸化チタン(TiO

)は、メタチタン酸(TiO(OH)

)やチタン酸(Ti(OH)

)を焼成することによって製造され、焼成工程において,焼成温度の調整や添加剤により粒成長を促進することで、目的とする粒子径の酸化チタンを得ることができる。しかしながら、当該製法では1μm以上の粒子径を有する酸化チタンを製造することは困難であり、工業品として市場に流通する酸化チタンは数ナノメートルからサブミクロンサイズに限定されている。このため、市販の酸化チタンを原料として粒度分布の狭い1μm以上の粒子径を有するチタン酸化物及びその他元素との複合酸化物を製造することは容易ではない。これに対し、前駆体を(I)微細な一次粒子からなる凝集粒子であって、(II)ミクロンオーダーの二次粒子径を有し、更に(III)粒度分布が狭いものとすることで、粒度分布の狭い1μm以上の粒子径を有するチタン酸化物及びその他元素との複合酸化物を製造することができる可能性がある。そのような前駆体に関し、特許文献1には硫酸チタニルの加水分解工程において、塩化物塩を添加することにより、粒度の整ったメタチタン酸凝集体が形成されることが開示されている。またその他のチタン化合物の製造方法として、硫酸チタニルを170℃以上の温度下、かつ、該温度の飽和水蒸気圧以上の圧力下で加水分解する球状含水二酸化チタンの製造方法(特許文献2参照)や、反応終了時の酸の濃度が3.0~8.0Nの強酸性領域となるように濃度を調整した硫酸チタニルもしくは硫酸チタンの酸性水溶液を加熱して加水分解させてアナターゼ型二酸化チタン微粒子を製造する方法が開示されている(特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-154527号公報
特開平5-163022号公報
特開平5-178617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のとおり硫酸チタニルの加水分解工程において、塩化物塩を添加して粒度の整ったチタン酸凝集体を製造する方法が開示されている。しかし、塩化物塩を用いる場合、腐食性の塩化水素、塩酸が加水分解工程内で発生し(例:NaCl+H

SO

→HCl+NaHSO

)、製造設備の腐食を起こし得る。また、前駆体にClが混入すると、その後の焼成工程において塩素ガスや塩化水素ガスが発生し、焼成炉の腐食を起こし得る。また、このように塩化物塩を添加した場合は設備腐食の可能性が高まり、それに伴うコンタミ発生のリスクが発生する。このため、塩化物を使用しない反応系で粒度の整ったチタン酸凝集体を製造する方法が求められている。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑み、塩化物を使用しない反応系で粒度の整ったチタン酸凝集体を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、塩化物を使用することなく粒度の整ったチタン酸凝集体を製造する方法について検討し、硫酸チタニルを含む溶液と硫酸アンモニウムを混合して加水分解工程を行うことで、塩化物を使用しない反応系で粒度の整ったチタン酸凝集体を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]硫酸チタニルを含む溶液と硫酸アンモニウムを混合して加水分解する加水分解工程を含むことを特徴とするチタン酸凝集体の製造方法。
【0009】
[2]前記加水分解工程において、硫酸アンモニウムを硫酸チタニルに対して0.30~3.0モル等量用いることを特徴とする[1]に記載のチタン酸凝集体の製造方法。
【0010】
[3]前記加水分解工程において、硫酸チタニルと硫酸アンモニウムとを含む溶液中における硫酸アンモニウムの濃度が0.20~1.80mol/Lであることを特徴とする[1]又は[2]に記載のチタン酸凝集体の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社吉川
亜塩素酸水の製造方法
19日前
株式会社レゾナック
シアン化水素の製造方法
5日前
パウダーテック株式会社
フェライト粉末
12日前
大阪瓦斯株式会社
水素製造装置
13日前
大阪瓦斯株式会社
水素製造装置
13日前
三菱ケミカル株式会社
合成ガスの製造方法
13日前
ノリタケ株式会社
ダイヤモンド砥粒の製造方法
14日前
ノリタケ株式会社
ダイヤモンド砥粒の製造方法
14日前
ノリタケ株式会社
無機赤色顔料およびその利用
12日前
ノリタケ株式会社
無機赤色顔料およびその利用
12日前
日本ゼオン株式会社
ナノ構造体分散液
13日前
パウダーテック株式会社
黒色複合酸化物粒子
19日前
日揮触媒化成株式会社
多孔質シリカ粒子及びその製造方法
12日前
株式会社ジーシー
炭酸カルシウムブロックの製造方法
12日前
住友化学株式会社
複合酸化物粒子
8日前
ノリタケ株式会社
粉体材料、および粉体材料の製造方法
12日前
日揮触媒化成株式会社
中空粒子を含む粉体、及びその製造方法
8日前
大阪瓦斯株式会社
クロミック組成物
19日前
大和ハウス工業株式会社
水素製造装置及び水素製造方法
19日前
株式会社トクヤマ
シリカ-チタニア複合酸化物粉末、および樹脂組成物
8日前
大平洋金属株式会社
硫酸コバルトの製造方法
12日前
DOWAエレクトロニクス株式会社
ペロブスカイト型複合酸化物粉末
12日前
DOWAエレクトロニクス株式会社
ペロブスカイト型複合酸化物粉末
12日前
堺化学工業株式会社
チタン酸凝集体の製造方法
今日
大阪ガスケミカル株式会社
活性炭及びその製造方法、並びに装置
20日前
DOWAホールディングス株式会社
パイロクロア酸化物粉体の製造方法
19日前
株式会社燃焼合成
窒化物或いは酸窒化物の製造方法
5日前
ノリタケ株式会社
複合材料、粉体材料および複合材料の製造方法
12日前
ノリタケ株式会社
複合材料、粉体材料および複合材料の製造方法
12日前
住友金属鉱山株式会社
リチウム含有溶液の製造方法
8日前
東ソー株式会社
スピネル型マンガン酸リチウム及びその製造方法並びにその用途
14日前
東ソー株式会社
レニウム含有ゼオライト及びそれを含むオレフィンメタセシス触媒
8日前
東ソー株式会社
ゼオライト成形体
16日前
学校法人同志社
パイロクロア酸化物粉体
19日前
国立大学法人 名古屋工業大学
中空シリカ粒子の製造方法
20日前
国立研究開発法人産業技術総合研究所
ヒドロキシアパタイト多孔構造体及びその製造方法
14日前
続きを見る