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公開番号2024151414
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064688
出願日2023-04-12
発明の名称ラピドクリカイトの製造方法、及び、析出物
出願人学校法人日本大学
代理人個人,個人,個人
主分類C01F 11/00 20060101AFI20241018BHJP(無機化学)
要約【課題】新規な、ラピドクリカイトの製造方法、及び、該製造方法で得られる析出物を提供する。
【解決手段】炭酸カルシウムを希硫酸に混合し、混合液を得る混合工程と、前記混合液から析出物を析出させ、前記析出物を分取する分取工程と、を備える、ラピドクリカイトの製造方法。前記分取工程が、前記混合液を静置することを含むことが好ましく、前記混合液が透明な溶液であることが好ましく、前記炭酸カルシウムと前記希硫酸の中の硫酸との混合モル比が、0.96:1.00~1.04:1.00であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭酸カルシウムを希硫酸に混合し、混合液を得る混合工程と、
前記混合液から析出物を析出させ、前記析出物を分取する分取工程と、を備える、ラピドクリカイトの製造方法。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記分取工程が、前記混合液を静置することを含む、請求項1に記載のラピドクリカイトの製造方法。
【請求項3】
前記混合液が透明な溶液である、請求項1又は2に記載のラピドクリカイトの製造方法。
【請求項4】
前記炭酸カルシウムと前記希硫酸の中の硫酸との混合モル比が、0.96:1.00~1.04:1.00である、請求項1又は2に記載のラピドクリカイトの製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のラピドクリカイトの製造方法で得られる析出物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ラピドクリカイトの製造方法、及び、該製造方法で得られる析出物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
セッコウの複塩化合物であるラピドクリカイト(Rapidcreekite、Ca

(SO

)(CO

)・4H

O)が天然にまれに発見されている(非特許文献1~4)。
現存使用されているセッコウボード(天井、壁材)は二水セッコウからなる単塩構造材料である。一方、ラピドクリカイトの結晶構造(原子配列)は,概ね、二水セッコウ構造中のCa
2+
イオン基とSO

2-
イオン基が交互に配列した構造のうち、SO

2-
イオン基を一層おきにCO

2-
イオン基に交換した構造となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
ANDREW C. ROBERTS, H. GARY ANSELL and IAN R. JONASSON, Canadian Mineralogist, 24 (1986) 51-54.
Bogdan P. Onac, Herta s. Effenberger, Jonathan G. Wynn, and Ioan Povara, Rapidcreekite in the sulfuric acid weathering environment of Diana Cave, Romania, American Mineralogist, 98 (2013) 1302-1309.
Margarita S. AVDONTCEVA, Andrey A. ZOLOTAREV, Sergey V. KRIVOVICHEV, Maria G. KRZHIZHANOVSKAYA, Vladimir N. BOCHAROV, Vladimir V. SHILOVSKIKH, Rapidcreekite of anthropogenic origin - ’korkinoite' from burnt mine dump in the Chelyabinsk coal basin, South Urals, Russia: CRYSTAL structure refinement, thermal behavior and spectroscopic characterization, Journal of Geosciences, 66 (2021), 147-156.
安江任、「カルシウム系素材の材料設計」、Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan, 13 (2006) 309-320.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
単塩構造材料の二水セッコウを、高い物理的・化学的性質を示すことができると期待できる複塩化合物のラピドクリカイトに変更して用いることができれば、耐火性、耐強度性、長寿命性などがさらに優れるラピドクリカイトボードが開発できると考えられる。
しかしながら、ラピドクリカイトの人工的合成の報告は見当たらない。
【0005】
本発明は、新規な、ラピドクリカイトの製造方法、及び、該製造方法で得られる析出物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、炭酸カルシウムを希硫酸と混合した後、静置すると、間もなく析出物が生じ、該析出物をX線結晶解析したところ、主ピークが、ラピドクリカイトのX線回折(XRD)パターンシミュレーションで得られる主ピークと一致し、ラピドクリカイトの合成が可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1] 炭酸カルシウムを希硫酸に混合し、混合液を得る混合工程と、
前記混合液から析出物を析出させ、前記析出物を分取する分取工程と、を備える、ラピドクリカイトの製造方法。
[2] 前記分取工程が、前記混合液を静置することを含む、[1]に記載のラピドクリカイトの製造方法。
[3] 前記混合液が透明な溶液である、[1]又は[2]に記載のラピドクリカイトの製造方法。
[4] 前記炭酸カルシウムと前記希硫酸の中の硫酸との混合モル比が、0.96:1.00~1.04:1.00である、[1]~[3]のいずれかに記載のラピドクリカイトの製造方法。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載のラピドクリカイトの製造方法で得られる析出物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規な、ラピドクリカイトの製造方法、及び、該製造方法で得られる析出物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1及び2で得られた析出物のX線回折(XRD)の測定結果である。
実施例で用いた炭酸カルシウム粉末のX線回折(XRD)の測定結果である。
硫酸カルシウム粉末のX線回折(XRD)の測定結果である。
実施例1で得られた析出物の熱重量曲線及び示唆熱曲線である。
実施例1で得られた析出物の電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<ラピドクリカイトの製造方法>
本発明の一実施形態に係るラピドクリカイトの製造方法は、炭酸カルシウムを希硫酸に混合し、混合液を得る混合工程と、前記混合液から析出物を析出させ、前記析出物を分取する分取工程と、を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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