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公開番号2024151922
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023065742
出願日2023-04-13
発明の名称トナー
出願人シャープ株式会社
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類G03G 9/08 20060101AFI20241018BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】昇華転写法による染色において、昇華性を有する染料のブリードアウトを抑制でき、シェル層の均一性、昇華転写効率及び摩擦に対する染色堅牢度に優れたトナーを提供する。
【解決手段】トナーは、昇華性を有する染料を含むカプセルトナー粒子を有する。カプセルトナー粒子は、コアトナー粒子と、当該コアトナー粒子の表面を被覆するシェル層とを備える。コアトナー粒子を形成する樹脂の融点は105℃以上135℃以下であり、シェル層を形成する樹脂の融点は140℃以上160℃以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
昇華性を有する染料を含むカプセルトナー粒子を有するトナーであって、
前記カプセルトナー粒子は、コアトナー粒子と、当該コアトナー粒子の表面を被覆するシェル層とを備え、
前記コアトナー粒子を形成する樹脂の融点は105℃以上135℃以下であり、
前記シェル層を形成する樹脂の融点は140℃以上160℃以下であることを特徴とするトナー。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のトナーであって、
前記カプセルトナー粒子中の前記シェル層の割合は、前記コアトナー粒子100質量部に対して12質量部以上23質量部以下であることを特徴とするトナー。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のトナーであって、
前記カプセルトナー粒子の円形度は0.950以上であることを特徴とするトナー。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のトナーであって、
前記コアトナー粒子と前記シェル層との界面に、表面が疎水化処理されたシリカ粒子が存在することを特徴とするトナー。
【請求項5】
請求項4に記載のトナーであって、
前記シリカ粒子の中心粒径は20nm以上50nm以下であることを特徴とするトナー。
【請求項6】
請求項4に記載のトナーであって、
前記シリカ粒子は、その表面がジメチルポリシロキサンで疎水化処理されたものであることを特徴とするトナー。
【請求項7】
請求項4に記載のトナーであって、
前記シリカ粒子による前記コアトナー粒子表面の被覆率は、45%以上75%以下であることを特徴とするトナー。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載のトナーの製造方法であって、
コアトナー粒子を作製するコアトナー粒子作製工程と、
シェル層を形成する樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程と、
前記コアトナー粒子の表面を前記樹脂微粒子で被覆して複合粒子を形成する複合粒子形成工程と、
前記樹脂微粒子を前記コアトナー粒子表面で膜化してカプセルトナー粒子を形成するカプセルトナー粒子形成工程と、を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載のトナーの製造方法であって、
前記樹脂微粒子調製工程にて調製する樹脂微粒子の中心粒径は、0.1μm以上0.2μm以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載のトナーの製造方法であって、
前記複合粒子形成工程において、前記樹脂微粒子のエマルションと前記コアトナー粒子とを減圧下で混合乾燥させることで前記複合粒子を形成し、
前記カプセルトナー粒子形成工程において、環状の流路を循環する気流中に前記複合粒子を分散させることで前記カプセルトナー粒子を形成することを特徴とするトナーの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式において昇華転写法による染色を行うのに好適なトナーに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル布を代表とする疎水性繊維等の被染色物に対する電子写真方式を用いた染色方法は、主に、ダイレクト法と昇華転写法との2つに大別することができる。ダイレクト法は、被染色物にトナーを直接付着させた後、熱処理によってトナー中に含まれる染料を被染色物へと付着させ、染料以外の付着物(樹脂、離型剤等)をアルカリ洗浄により溶解させて除去する染色方法である。昇華転写法は、紙等の中間記録媒体にトナーを付着させた後、中間記録媒体のトナー付着面と被染色物とを重ね合わせてから、熱プレス処理(加熱及び加圧処理)を行い、トナー中に含まれる染料を被染色物に昇華転写させる染色方法である。
【0003】
この2つの染色方法のうち昇華転写法は、トナーを構成する複数の成分のうち染料のみを中間記録媒体から繊維へと移行させることが可能である。つまり、染色布には染料以外のトナー構成成分は付着せず、染色布の洗浄や乾燥の工程が不要となるメリットがある。そのため、衣料品(スポーツアパレル等)やインテリア(シート、ソファー等)といった、風合いを重要視する用途向けの染色に適しているとされている。
【0004】
また、洗浄・乾燥等の工程が不要となることによって、染色工程を大幅に削減でき、大規模なスペース及び稼働エネルギーを必要とする洗浄・乾燥ラインが不要となるメリット、洗浄水の処理設備が不要となるメリット等、多数のメリットが生じる。そのため、昇華転写法は、小規模なスペースでも染色できる点でも優れた染色方法であるとされている。
【0005】
昇華転写法に用いるトナー中の染料としては、疎水性繊維を染色するのに適している分散染料あるいは油溶性染料のなかでも、特に熱処理による疎水性繊維への昇華転写適性に優れた易昇華型の染料が用いられる。
【0006】
なお、昇華転写法における印刷手段としては、インクジェット方式と電子写真方式とが存在し、一般的にインクジェット方式が主流とされている。しかし、インクジェット方式における昇華転写での染色は、インクを構成する成分の一つである有機溶剤が、染料を転写するときの熱によって揮発し、作業環境を汚染する等の問題がある。これに対して、電子写真方式は、トナー中に揮発成分が存在せず作業環境を汚染しないため、近年注目が集まっている。
【0007】
電子写真方式において昇華転写法による染色を行う用途のトナーとして、例えば、特許文献1には、ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と昇華性を有する染料とを含有するトナー粒子が流動化剤としてのシリカで表面改質されており、この表面改質されたトナー粒子の表面に外添剤としてのシリカが付着したトナーが開示されており、トナーの体積基準の中心粒径(D50)が4μm~10μmであり、トナーのガラス転移温度が53℃~70℃であり、トナーの体積基準の中心粒径における真球の比表面積をA0、特定条件で洗浄したトナーのBET比表面積をA1としたときに、1.2<A1/A0<2.6を満たすことで、耐熱保存性がよくなるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2019-164323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、昇華転写法による染色を行う用途(昇華転写用)のトナーにおいて、結着樹脂にポリエステル樹脂を用いると、樹脂から昇華性を有する染料(以下、昇華性染料ともいう)が染み出しにくく、被染色物を高効率で染色可能な昇華転写染色方法とすることが困難であり、トナー内の分散染料を増やしても十分な染色濃度を得ることができないという問題があった。これを解決するために、結着樹脂にスチレンアクリル樹脂を用いると、昇華性染料と結着樹脂との相性が低下することにより染色濃度の高い被染色物を得ることが可能となる一方、未使用状態でトナーを保存している間に、昇華性染料がトナー粒子内部から表面に染み出してしまう現象(図2に例示する現象)であるブリードアウトが発生してしまい、トナーの流動性が悪化したり、トナーの帯電量が低下したりして、昇華転写用のトナーとして使いこなすのが困難であるという問題があった。
【0010】
本開示のトナーは、結着樹脂がスチレンアクリル樹脂であるトナーの斯かる事情に鑑みて見出されたものであり、昇華転写法による染色において、昇華性を有する染料のブリードアウトを抑制でき、シェル層の均一性、昇華転写効率及び摩擦に対する染色堅牢度に優れたトナーの提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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