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公開番号2024151413
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064686
出願日2023-04-12
発明の名称粉末床溶融結合造形用粉末、その製造方法及び造形物
出願人大陽日酸株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類B29C 64/153 20170101AFI20241018BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】流動性、造形性、得られる造形物の帯電防止性に優れる粉末床溶融結合造形用粉末、及びその造形物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂、カーボンナノチューブ及びセルロース系分散剤を含む複合樹脂粒子を含み、前記カーボンナノチューブの平均長さが15μm以上であり、前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱可塑性樹脂の質量に対して0.01~0.2質量%である、粉末床溶融結合造形用粉末。前記粉末床溶融結合造形用粉末を粉末床溶融結合造形により造形した造形物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂、カーボンナノチューブ及びセルロース系分散剤を含む複合樹脂粒子を含み、
前記カーボンナノチューブの平均長さが15μm以上であり、
前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱可塑性樹脂の質量に対して0.01~0.2質量%である、粉末床溶融結合造形用粉末。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記セルロース系分散剤がエチルセルロースである請求項1に記載の粉末床溶融結合造形用粉末。
【請求項3】
熱可塑性樹脂を含む樹脂粒子と、カーボンナノチューブと、セルロース系分散剤と、前記樹脂粒子を膨潤可能な分散媒とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合液を乾燥する乾燥工程と、を含み、
前記カーボンナノチューブの平均長さが、150~600μmであり、
前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱可塑性樹脂の質量に対して0.01~0.2質量%である、粉末床溶融結合造形用粉末の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の粉末床溶融結合造形用粉末を粉末床溶融結合造形法により造形した造形物。
【請求項5】
体積抵抗率が10

~10
12
Ω・cmである請求項4に記載の造形物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末床溶融結合造形用粉末、その製造方法及び造形物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
Additive Manufacturing技術と称される付加製造技術がある。付加製造技術の一例として、樹脂粉末、金属粉末等の粉末材料を用いる粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion:PFB)造形法が知られている。粉末床溶融結合造形法では、高精細かつ耐久性のある造形物を短時間で精度よく製造できる。そのため、粉末床溶融結合造形法による造形物は、半導体、航空機産業及び医療等の先端技術分野で使用される設備を構成する部品等への利用が期待される。
【0003】
粉末床溶融結合造形用の樹脂粉末としては、加熱すると軟化し冷やすと固化する性質を有することから、熱可塑性樹脂の粉末が利用される。
しかし、一般的に樹脂材料は絶縁体であるため、樹脂粉末を用いた造形物は、造形物同士又は他材との接触又は摩擦によって帯電しやすい。帯電した造形物が可燃性や引火性の高い液体と接触すると、静電気の放電が起こり、液体に着火して火災や爆発を引き起こすおそれがある。
【0004】
樹脂材料の帯電を防止する技術としては、カーボンブラック等のカーボン材料と樹脂材料とを複合化して導電性を付与する技術が知られている。導電性を付与する目的でカーボン材料と樹脂材料とを複合化する場合、一般的に多量のカーボン材料が添加され、例えばカーボンブラックの場合、樹脂に対して40~50質量%程度添加される。
しかし、カーボン材料は一般的に樹脂材料に比べて硬く、添加量が増加すると、樹脂粉末が本来持つ流動性が失われてしまう。また、樹脂同士の間に多量のカーボン材料が介在することで、樹脂間の密着性が損なわれ、造形性や樹脂本来の柔軟性が低下してしまう。
【0005】
特許文献1には、ポリアミド樹脂と、導電材としてカーボンブラック5~9質量%及びカーボンミドルファイバー1~5質量%を含む導電性ポリアミド樹脂組成物が提案されている。
しかし、特許文献1には、導電性ポリアミド樹脂組成物を粉末床溶融結合造形に用いることは記載されていない。また、特許文献1に記載の導電性ポリアミド樹脂組成物においては、導電性を付与するために、カーボン材料であるカーボンブラック及びカーボンミドルファイバーを合計で6質量%以上含む必要がある。そのため、導電性ポリアミド樹脂組成物の粉末は、ポリアミド樹脂の粉末に比べ、流動性、造形性、柔軟性に劣ると考えられる。粉末床溶融結合造形用の粉末は高い流動性や流動性が求められるため、特許文献1に記載の導電性ポリアミド樹脂組成物を粉末化したものは、粉末床溶融結合造形には適さないと考えられる。
【0006】
特許文献2には、摩擦によって第1の極性の帯電性を有する造形用の樹脂粉末と、予め第1の極性と反対の第2の極性に帯電させた帯電粉末とを有する粉末床溶融結合造形物の粉末材料が提案されている。特許文献2では、帯電粉末によって、粉末材料に発生する静電気を抑制して、造形物の作製の不具合を防止できるとされている。帯電粉末としては帯電させたシリカの粉末が用いられている。
しかし、特許文献2では、造形物の帯電を抑制することについては検討されていない。また、樹脂粉末に帯電防止剤としてカーボンブラックを添加して粉末材料を形成すると、カーボンブラックを介して樹脂粉末に発生した静電気を除去することができる旨の記載はあるが、樹脂粉末に単にカーボンブラックを添加した場合、得られる造形物は必ずしも、帯電を抑制するのに充分な導電性を持たない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-52201号公報
特開2019-130854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、流動性、造形性、得られる造形物の帯電防止性に優れる粉末床溶融結合造形用粉末、その製造方法及びこの粉末床溶融結合造形用粉末を用いた造形物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]熱可塑性樹脂、カーボンナノチューブ及びセルロース系分散剤を含む複合樹脂粒子を含み、
前記カーボンナノチューブの平均長さが15μm以上であり、
前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱可塑性樹脂の質量に対して0.01~0.2質量%である、粉末床溶融結合造形用粉末。
[2]前記セルロース系分散剤がエチルセルロースである[1]に記載の粉末床溶融結合造形用粉末。
[3]熱可塑性樹脂を含む樹脂粒子と、カーボンナノチューブと、セルロース系分散剤と、前記樹脂粒子を膨潤可能な分散媒とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合液を乾燥する乾燥工程と、を含み、
前記カーボンナノチューブの平均長さが、150~600μmであり、
前記カーボンナノチューブの含有量が、前記熱可塑性樹脂の質量に対して0.01~0.2質量%である、粉末床溶融結合造形用粉末の製造方法。
[4][1]又は[2]に記載の粉末床溶融結合造形用粉末を粉末床溶融結合造形法により造形した造形物。
[5]体積抵抗率が10

~10
12
Ω・cmである[4]に記載の造形物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、流動性、造形性、得られる造形物の帯電防止性に優れる粉末床溶融結合造形用粉末、その製造方法及びこの粉末床溶融結合造形用粉末を用いた造形物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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