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公開番号
2024145785
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058282
出願日
2023-03-31
発明の名称
紡績用カーボンナノチューブの製造方法
出願人
大陽日酸株式会社
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
C01B
32/162 20170101AFI20241004BHJP(無機化学)
要約
【課題】紡績性が良好なCNTを合成可能な、紡績用CNTの製造方法を提供する。
【解決手段】減圧化学気相合成法により紡績用カーボンナノチューブを製造する方法であって、基材の表面の少なくとも一部に、金属酸化物からなる触媒層を形成することと、前記基材を、101Pa以上大気圧以下、かつ不活性ガス雰囲気下に置き、加熱及び冷却することにより、前記触媒層中の前記金属酸化物を粒子化することと、前記金属酸化物の粒子化を経た前記触媒層の表面にカーボンナノチューブを合成することと、を含む、紡績用CNTの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
減圧化学気相合成法により紡績用カーボンナノチューブを製造する方法であって、
基材の表面の少なくとも一部に、金属酸化物からなる触媒層を形成することと、
前記基材を、101Pa以上大気圧以下、かつ不活性ガス雰囲気下に置き、加熱及び冷却することにより、前記触媒層中の前記金属酸化物を粒子化することと、
前記金属酸化物の粒子化を経た前記触媒層の表面にカーボンナノチューブを合成することと、を含み、
前記基材を加熱及び冷却する方法が、
まず、25℃/分~75℃/分の昇温速度で、常温から前記金属酸化物が粒子化する650℃以上の所定温度まで加熱し、前記所定温度にて静置した後、
つぎに第一段階の降温として35℃/分~85℃/分の降温速度で、前記所定温度から650℃まで降温し、
その後さらに第二段階の降温として145℃/分~305℃/分の降温速度で、650℃から100℃以下まで急冷する方法であり、
前記金属酸化物の粒子化を経た前記触媒層を備える前記基材を反応炉内に置き、
500℃以下の所定温度から、前記カーボンナノチューブを合成可能な600℃以上の所定温度まで昇温する際に、
前記反応炉内の圧力を大気圧から所定の反応圧力まで、25~305Pa/秒の減圧速度で減圧する、紡績用CNTの製造方法。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
前記触媒層が形成された前記基材を、10000Pa以上大気圧以下、かつ不活性ガス雰囲気下に置き、加熱及び冷却することにより、前記触媒層中の前記金属酸化物を粒子化する、請求項1に記載の紡績用CNTの製造方法。
【請求項3】
前記金属酸化物の粒子化を経た前記触媒層を備える前記基材を反応炉内に置き、
原料ガスとキャリアガスが混合された供給ガスを前記反応炉内に供給し、前記カーボンナノチューブを合成する際、
前記反応炉内に置いた前記基材の位置における前記供給ガスの線速度が2.50~6.50cm/秒であり、かつ、
前記供給ガス中の前記原料ガスの分圧を前記キャリアガスの分圧で除した値で表されるC/N比が0.40~0.65である、請求項1又は2に記載の紡績用CNTの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績用カーボンナノチューブの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)は一般的に粉末状であるが、紡績性を有するCNTを乾式で紡績する研究が報告されている。この「紡績性」とは、基板上で上向きに配向し、互いに隣接した状態で合成された多数のCNTのうち、一端のCNTをピンセット等で引っ張り出すと、芋づる式に連続してCNTを引き出すことが可能な性質をいう。引き出したCNTを撚り合わせるとCNTからなる糸を作製することができる。この糸は、導電性があり、軽くてフレキシブルであることから、ウェアラブルデバイス用途等での研究が進んでいる。
【0003】
紡績可能なCNTを基材上に合成する場合、基材上に鉄などの金属触媒からなる触媒層が形成される。例えば特許文献1では、基材上に鉄をスパッタリングして触媒層を形成した後、不活性雰囲気、大気圧下で触媒層中の鉄を粒子化させ、大気圧CVDで紡績用CNTを合成している。また、特許文献2では、基材上に鉄をスパッタリングして触媒層を形成した後、不活性雰囲気、減圧下で触媒層中の鉄を粒子化させ、減圧CVDで紡績用CNTを合成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4512750号公報
特許第5636337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らが特許文献1,2の方法に従ってCVDを実施したところ、紡績性が良好なCNTを得ることが困難であった。この原因を追究したところ、触媒層中の鉄の粒子の形状が不均一であることが分かった。本発明者らは、基板上に合成する紡績用CNTの性状は、触媒層の性状に左右されると考え、紡績性を改善する観点から、触媒層中の金属粒子の粒径や分布はなるべく均一であることが望ましいと考えた。
【0006】
本発明は、紡績性が良好なCNTを合成可能な、紡績用CNTの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 減圧化学気相合成法により紡績用カーボンナノチューブを製造する方法であって、
基材の表面の少なくとも一部に、金属酸化物からなる触媒層を形成することと、
前記基材を、101Pa以上大気圧以下、かつ不活性ガス雰囲気下に置き、加熱及び冷却することにより、前記触媒層中の前記金属酸化物を粒子化することと、
前記金属酸化物の粒子化を経た前記触媒層の表面にカーボンナノチューブを合成することと、を含み、
前記基材を加熱及び冷却する方法が、
まず、25℃/分~75℃/分の昇温速度で、常温から前記金属酸化物が粒子化する650℃以上の所定温度まで加熱し、前記所定温度にて静置した後、
つぎに第一段階の降温として35℃/分~85℃/分の降温速度で、前記所定温度から650℃まで降温し、
その後さらに第二段階の降温として145℃/分~305℃/分の降温速度で、650℃から100℃以下まで急冷する方法であり、
前記金属酸化物の粒子化を経た前記触媒層を備える前記基材を反応炉内に置き、
500℃以下の所定温度から、前記カーボンナノチューブを合成可能な600℃以上の所定温度まで昇温する際に、
前記反応炉内の圧力を大気圧から所定の反応圧力まで、25~305Pa/秒の減圧速度で減圧する、紡績用CNTの製造方法。
[2] 前記触媒層が形成された前記基材を、10000Pa以上大気圧以下、かつ不活性ガス雰囲気下に置き、加熱及び冷却することにより、前記触媒層中の前記金属酸化物を粒子化する、[1]に記載の紡績用CNTの製造方法。
[3] 前記金属酸化物の粒子化を経た前記触媒層を備える前記基材を反応炉内に置き、原料ガスとキャリアガスが混合された供給ガスを前記反応炉内に供給し、前記カーボンナノチューブを合成する際、前記反応炉内に置いた前記基材の位置における前記供給ガスの線速度が2.50~6.50cm/秒であり、かつ、前記供給ガス中の前記原料ガスの分圧を前記キャリアガスの分圧で除した値で表されるC/N比が0.40~0.65である、[1]又は[2]に記載の紡績用CNTの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、CNTを合成する触媒層中の金属酸化物の粒子の粒径や分布を従来よりも均一にできるので、減圧CVD法によって紡績性が良好な紡績用CNTを製造することができる。ここで「紡績性」は、後述の実施例で示す通り、引き出し性と再現性とが両立された場合に良好といえる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
カーボンナノチューブ製造装置の構成の一例を示す断面図である。
図1中に示す領域Aを拡大して示す拡大断面図である。
実施例1-1で粒子化した触媒層のSEM画像である。
比較例1-1で粒子化した触媒層のSEM画像である。
比較例1-2で粒子化した触媒層のSEM画像である。
比較例1-3で粒子化した触媒層のSEM画像である。
供給ガスの線速度とC/N比の好適な範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
また、「~」で表される数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を示す。
(【0011】以降は省略されています)
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