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公開番号2024150270
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2023063609
出願日2023-04-10
発明の名称重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造方法
出願人国立大学法人北海道大学,大陽日酸株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C25B 3/25 20210101AFI20241016BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】位置選択的に重水素化を行うことができ、また、一回の反応で高純度の重水素化された化合物を得ることができる、重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】アノード極9とカソード極8とを具える固体高分子膜電解セル1を用いた電解反応において、重水素原子を含む化合物(A)を前記固体高分子膜電解セル1のアノード極9に供給し、芳香環又は複素環を有し、該環上に塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選択される1つ以上のハロゲン原子を有する化合物(B)を前記固体高分子膜電解セル1のカソード極8に供給し、ハロゲン-重水素交換反応を行うことで、前記カソード極8を通過する前記芳香環又は複素環を有する化合物(B)を重水素化することを特徴とする、重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アノード極と、カソード極と、を具える固体高分子膜電解セルを用いた電解反応において、重水素原子を含む化合物(A)を前記固体高分子膜電解セルのアノード極に供給し、芳香環又は複素環を有し、該環上に塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選択される1つ以上のハロゲン原子を有する化合物(B)を前記固体高分子膜電解セルのカソード極に供給し、ハロゲン-重水素交換反応を行うことで、前記カソード極を通過する前記芳香環又は複素環を有する化合物(B)を重水素化することを特徴とする、重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造方法。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記芳香環又は複素環を有する化合物(B)の前記環上のハロゲン原子が、臭素原子又は塩素原子であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記電解反応における反応温度が、40℃以上70℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記カソード極に供給する、前記芳香環又は複素環を有する化合物(B)を含む液の流量が、1.0mL/min以上5.0mL/min以下であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記重水素原子を含む化合物(A)が、重水であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
重水素原子は、水素原子の安定同位体の一種であり、その質量数の違いから水素原子とは物理的性質が異なる。そのため、重水素化された化合物は、通常の化合物とは物性が異なるだけでなく、異なる化学反応性を示すことがある(同位体効果)。このような特徴から、化合物を重水素化することにより、これまでにない機能を付与できる可能性があり、電子材料や有機EL材料、医薬品をはじめとする様々な機能性材料の開発が期待されている。
【0003】
一方で、重水素の原料ソースは高価であるため、対象化合物中の全ての水素原子を重水素化してしまうと多大なコストを要することがある。そのため、用途に応じ、部分的に重水素化を行うことで、コストを低減することが望まれる。
また、重水素化化合物は、質量分析等の化学物質の微量分析における内部標準物質、並びに、反応機構や物質代謝等の解明に用いるトレーサーとして広く利用されている。そのようなトレーサーとして用いられる場合等には、特定の箇所の重水素化が必要とされることもある。
【0004】
従来、重水素化化合物の製造方法としては、2-プロパノール等の2級アルコールと白金触媒の共存下で芳香族化合物を重水素化する方法(下記特許文献1参照)や、白金触媒とアルミニウム粉末の存在下で加熱により芳香族化合物を重水素化する方法(下記特許文献2参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6191325号公報
特開2009-184928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の方法では、芳香族化合物が満遍なく重水素化されてしまい、位置選択的に重水素化を行うことは困難であった。
また、上記特許文献1及び2に記載の方法は、水素-重水素交換反応(H-D交換反応)によって重水素化化合物を得る方法であるところ、該水素-重水素交換反応(H-D交換反応)は平衡定数が1に近い平衡反応であるため、一度の反応で重水素純度の高い化合物を得ようとすると、大量の重水素ソースを使用する等の手法を採る必要があり、多大なコストを要するという問題があった。この問題を解決するために、水素-重水素交換反応(H-D交換反応)を、重水素化の対象化合物と純度の低下した重水素ソースとを一回の反応ごとに分離し、これを複数回行うことで徐々に重水素純度を高めることによって、重水素ソースの使用量を低減する手法が採られている。しかしながら、この手法では、分離工程を含む反応を複数回行う必要があるため、コストと労力を要するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、位置選択的に重水素化を行うことができ、また、一回の反応で高純度の重水素化された化合物を得ることができる、重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物(以下、「重水素化化合物」ということもある。)の製造方法の要旨構成は、以下の通りである。
【0009】
[1] アノード極と、カソード極と、を具える固体高分子膜電解セルを用いた電解反応において、重水素原子を含む化合物(A)を前記固体高分子膜電解セルのアノード極に供給し、芳香環又は複素環を有し、該環上に塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選択される1つ以上のハロゲン原子を有する化合物(B)(以下、「基質」ということもある。)を前記固体高分子膜電解セルのカソード極に供給し、ハロゲン-重水素交換反応を行うことで、前記カソード極を通過する前記芳香環又は複素環を有する化合物(B)を重水素化することを特徴とする、重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造方法。
上記[1]に記載の本発明の製造方法によれば、芳香環又は複素環を有し、該環上に塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群から選択される1つ以上のハロゲン原子を有する化合物(B)を、位置選択的に重水素化でき、また、一回の反応で高純度の重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物を得ることができる。
【0010】
[2] 前記芳香環又は複素環を有する化合物(B)の前記環上のハロゲン原子が、臭素原子又は塩素原子であることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
上記[2]に記載の製造方法によれば、収率及び重水素化率をより向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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